初級者講座
ここでは、本などでは分かり辛い知識などを
出来るだけ解り易く初心者の立場や見解も踏まえながら、
クワガタ・カブト飼育の方法を要点やポイントを解説していきます。
昆虫生体購入編
どんなカブト・クワガタが入門種なのか
カブトムシやクワガタは実に様々な種類がいて
初めて(又は数十年ぶりに)カブクワを飼育する場合は
どれを手に入れようか非常に迷うこともあります。
カブトもクワガタも飼育が簡単なものからなかなか思う通りにいかないものまで様々です。
だとするとどの種類が初心者向けか?
下記を参考にしてみて下さい。
【国産種】・・・・・・ 日本産カブトムシ オオクワガタ コクワガタ
【外国産種】・・・・・ ホペイオオクワ クルビデンスオオオクワ
ギラファノコギリ アスタコイデスノコギリ
ニジイロ ダイオウヒラタ
飼育において注意が必要なカブト・クワガタの代表例
特定の種類には飼育・累代において気を付けるべき点がいくつかあります。 その中から代表的な例を紹介します。
【エラフスホソアカ】
15~23℃以内の環境に保つ、高温になるとすぐ弱ります。
【メリーメンガタ】
羽化後半年~10ヶ月ほど全く活動しません。
【ブルマイスターツヤ】
前蛹~蛹期にはいじると高確率で死亡するので絶対安静。
【ゴホンヅノ】
卵~初令期は死亡率が高いので注意。
【グラントシロ】
卵期間が長くなるので採卵するときは注意。
このような注意が必要なカブト・クワガタはたくさんいるので入手するときはよく確認しましょう。
成虫個体の見きわめ方
【完品かどうか?】 個体が健康かどうかを見ておくのは非常に大切なことです。 購入する際には以下の点によく注意して判断して下さい。
1.羽パカ
飼育個体においては翅がうまく合わずに隙間が出来てしまう個体が出ます。 そのような個体は外部からの刺激に弱く短命に終わることもあります。
2.フセツ切れ
フセツは交尾・産卵で大変重要な役割を果たします。 木に掴まるにも地上を歩くにも爪があるのとないのとでは全く違います。 中には遺伝的に切れやすくなる場合もあります。 残りの寿命の判断もつき易いです。
3.フセツ麻痺
ちゃんとフセツが付いてるからといって見落としがちなのがフセツの麻痺です。
麻痺というのは、変な方向に曲がったまま直らないものや 神経や筋肉が反応せず稼動しないものの事を指します。
4.触角切れ・麻痺
触角がないと餌や異性の発見に大変苦労します。
5.アゴ先欠け・磨耗
♀の場合、アゴの状態も気にして見るといいかもしれません。 このような個体は自然界ですでに産卵してしまっているので 選ぶときはアゴのきれいな個体を選ぶとよいでしょう。
飼料編
【マットの基礎知識】
マットとは広葉樹、針葉樹のオガクズのことを指しこれを用途によって未発酵のまま使用したり発酵させたものを使用したりします。種類や使い方を簡単に説明すると次のようになります。
◆広葉樹マット◆ 昆虫飼育のメインとなるものです。
主にクヌギ・コナラなどが原料にされていて、最近はブナが原料にされたものも出現しています。キノコ栽培で使われた後の廃木を粉砕したものが昔からの主流ですが、最近は「栄養価」が高いと評価されていることから生オガを使ったものが幼虫飼育用に使われ始めています。 ・用途 成虫飼育、産卵、幼虫飼育 等… 広葉樹マットと一口に言っても未発酵や幼虫飼育用、産卵用など使い道は様々なので、広葉樹ならどのマットを使ってもいいというわけではないのでご自分で判断するか不安な方は専門の方やお店の方に聞いてみるといいでしょう。
◆針葉樹マット◆ 素材は様々で、針葉樹を粉砕してオガクズ状にしたもので、用途としては、ほとんど成虫の飼育管理用に床マットとして使います。 ・使用のメリット
広葉樹のマットに比較してダニやコバエなどの雑虫が付きにくいことが挙げられます。
(注:交換を怠って不潔にすると雑虫は湧きますし、防御の効果はありますが殺虫効果はありません、又製材所等で出た切りくずとしての針葉樹のオガは生木の成分がタップリ残っていて殺虫成分が強く、成虫を死亡させる可能性が高いので使ってはいけません)
なるべく雑虫の湧きを抑えて衛生的に飼育したい人に向いているかなと…。
◆生オガ◆ 素材は様々ですが、要は原木の樹皮を剥いた状態からオガ粉状に粉砕したまま未発酵、無添加状態のマットのことを指します.。 この生オガの使用方法としては次のような使い方があります。
①自作発酵マット作成の材料。
慣れてくれば1次発酵マット、2次発酵マット、完熟発酵マット等自分好みの添加剤をブレンドして作成することが出来、素材も樹種から微粒子~粗めまで自分で選べます。
更に大量に作ることで飼育コストを抑えることができるのがメリットです。デメリットとしては手間隙が掛かることと、慣れない内は均一な同じ物を作るのに経験が必要になること、一度に作る量が20リットル以下だと上手く発酵させ難いことなどが挙げられます。
②幼虫の餌として使用。 そのままでは幼虫が餌として吸収出来難いので、一般的には発酵マットと混合して使用します。このメリットとしてはマットの劣化が遅くなることと、水分量も多めにしても劣化しにくくなることなどが挙げられます。この方法は今までのところ一般的な飼育方法では無いため、初心者向けではありませんが、大型飼育が困難な種等に有効な可能性がありますので研究のしがいがある方法かも知れません。
③成虫の飼育管理マットとして使用。 針葉樹マットと比べれば雑虫が湧きやすいかとは思いますが、使えます。
◆1次発酵マット◆ 素材は様々ですが、添加剤を少し含んで発酵を浅く仕上げたものと、添加剤等を含まずに水だけで長期間に渡りじっくりと1次発酵させたものがあります。
1次発酵マットの主な使用方法は次の通りです。
①割り出した初令幼虫の1時管理用。 幼虫の体力が付いてない初令幼虫、特に弱い種類の割り出し後、短期間(1ヶ月以内程度)の管理にプリンカップ等に入れて管理するのに最適です。
②産卵セットのマットに使用する。 ランプリマ属の色虫や、気難しい種や、弱い種の産卵用マットとして効果を発揮します。
対象の種によって使い方は様々ですが1次発酵マットのみで使用する場合と2次発酵マットと混合して使う場合があります。 また、産卵マットの水分量を多めにした方が好結果を産むケースが多々あるキクロマトス属にも1次発酵マットの含有量が多いほどセットの作り方で劣化や2次発酵を防いだり遅くしたりする効果が期待できるため有効です。
◆2次発酵マット◆ これも素材は様々ですが、1次発酵を終えたマットを再度発酵させることで、より発酵が進んだ状態のマットです。カブトを除く様々な飼育各ステージで最も使用頻度が高いマットと言えます。
2次発酵マットの主な使用方法は次の通りです。
①産卵用マットとして使用する。 2次発酵マットと言っても各メーカー及び銘柄によって素材から、発酵度合い、添加剤の含有量及びマットの粒子の細かさがまちまちです。 自分の飼育している虫に合ったマットを選ぶことになるのですが、ここで大事なのはまず自分で使ってみることだと思います。 使用経験のある知人に聞くのも有効な手段ですが、飼育環境や技術の違いにより期待した結果がまるで違ったりもします。 次々に違うマットを試すのはある程度経験を積んでからにして、まずはひとつふたつのマットを使い倒すことでそのマットの本質を理解できると私は思います。
②幼虫飼育に使用する。 前項とほぼ注意点は同じですが、あえて注意点を書くと、弱い種類の特に初令幼虫には添加剤のきつい物は死亡率が上がるか向かない物が多いので使用は控えた方が良いでしょう。
また、このような虫には初令時には粒子が粗い物より微粒子の方が幼虫に対する負担が少ないので向いています。
③成虫の飼育管理マットとして使用する。 1次発酵マットも2次発酵マットも成虫飼育管理マットとして使えます。 が、メリットとして針葉樹マットよりもこれらの方がカブト・クワガタへの刺激が少ないので非常に弱い体質の種類や極小型の種類の管理に向く点はあるものの、デメリットとしてはダニやコバエなどの雑虫が湧きやすいという欠点があります。
こまめに観察、手入れが出来ない人には不向きかも知れません。
*添加剤の添加量の目安。 殆どのメーカーの市販品マットの添加剤含有量は5~7%ほどです。 5%だと控えめ(おだやか)、7%(ふつう)、10%(かなりきつい)となると言って良いかと思います。10%の市販品は殆ど有りません。このクラスの添加量になると幼虫に対する負担はかなりかかりますので、使い方を誤ると死亡率が格段に高くなります。 よって10%程のマットは多くの場合市販の7%程度のマットに自分で添加剤を足すか最初から自分で作ることになりますのでベテラン向きと言えるでしょう。
④産卵木の作成に使用する。 やや、イレギュラーというかやはりベテラン向きの使用方法です。 産卵セットや幼虫飼育に使用済みのマットか新品でしたらバクテリアを繁殖させたタイプのマットに加湿した産卵木をある一定期間埋め込むことで産卵木にバクテリアを回すことにより得られる効果を期待するものです。 ・堅い材を柔らかくする。 ・カビを生えにくくする。 ・産卵行動を促進する。 等がその主な狙いです。
◆完熟マット◆ 2次発酵マットを更に発酵させて『土』に近いような真っ黒な色になるまで発酵させたマットです。これも素材は様々なほか、発酵度合いも2次発酵マットに近いような物から『黒土』に近いようなところまで発酵させたものなどメーカーとその銘柄で差があります。
①産卵用マットとして使用する。 代表的な使用対象種としては、カブトムシ全般、ミヤマクワガタ全般、ツヤクワガタ等です。
②幼虫飼育用マットとして使用する。 適合種は前項とほぼ同じです。
*注意点 『完熟』なんだからもう再発酵はしないんでしょう?・・・とマットに加湿する際、水分過多による嫌気発酵による事故が最初の内は必ずあるものです。
特にセットやボトルの底付近が『オレンジ色』をしてきたら、この嫌気発酵で腐敗が進んだ証拠ですので産卵セットを作り直すか餌を入れ替えた方が無難です。
せっかく産んだ卵が孵化せずに腐ったり、幼虫が死亡してしまいます。
【菌糸ビンの基礎知識】
現在は実に様々な銘柄の菌糸ビンが出回っています。 初心者の方は何をどう使えばいいのか判らない方も多いことでしょう。 まずは、一般的な菌糸の種類や使用における注意点などを解説してみます。
◆オオヒラタケ◆
◆カワラタケ◆
◆シワタケ◆
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