飼育と採集の知恵袋 ~2010年度~

カブクワ飼育と採集について私自身が覚えた事、見つけた方法などの中から役に立つ(事があるかも知れない)ものを紹介してみます。 

尚、ここに書かれた方法等はあくまでも<事例>でありますので、

その効果や安全性を保障するものではありません。実践されるに当たっては、

ご自分の自己責任にてお願い致します。

クワガタ成虫の栄養補給

オオクワのブリード準備期間に入りました。

沢山取りたい人は♂のみならず、いやむしろ♀の栄養補給に気を使っていることでしょう。

やれ高タンパクゼリーだ!バナナだ!ヨーグルトだ!果ては○ンケルや○ポDだ!と殆ど人間と変わらない。

昔からこの点について産卵前の♀に与える完璧な餌と言われていたのが『カブトムシの蛹』であることは有名な事ですが、やってみた人は意外に少ないかも知れませんね。

これは、与えてから放置したり急所を傷付けられたりしなければカブトの蛹は結構な率で生きており、この体液を吸われた蛹はその後蛹室に戻せばほぼ完品で無事羽化すると言うのは知っている人が更に少ないかも知れません。

家の場合は家庭菜園を耕した際に出て来るコガネムシ類(菜園の害虫)の幼虫を与えるのですが、今年は何としたことか家の畑にこのコガネムシ幼虫が居ない!。

そこで、材割に行った際に普段なら見向きもしないカミキリムシの幼虫に目を付けた。

結果は?バッチリです。

 

ところで、先日ある昆虫ゼリーについてそのゼリーに動物性蛋白質を含んでないのは動物性蛋白質を与えると♂→♀又は♀→♂への攻撃性が出るからであると書かれた記事を目にした。

実験も重ねたのかも知れないけれどちょっと何か違うようにも思う。

自然界においてはクワガタ♀は意外に他昆虫のみならず自分の産んだ卵、幼虫を捕食していることは少し経験を積んだ飼育者ならば周知の事実である。

更に言えば自分の産んだ卵や幼虫を捕食した♀はやたら長命で元気が出てると気付く。

これが自然な奴らの姿であり、これを捕食摂取したことによりイコール攻撃性が増すとは言えないのでは?と思う。

 

師匠から聞いた話。

オオクワの例であるが、産卵木が産卵木としての機能を発揮し始めた頃(クワガタが入れる状態)にまず先にコクワが産卵し、その匂い?を嗅ぎつけてオオクワの♀がそこにやって来ると言うのだ。

オオクワの♀がコクワによって『いい感じの産卵木があるよ♪』と知らされて・・・と言うよりは恐らくオオクワの♀は自分の子供にコクワの幼虫を捕食させる為(もしくはその両方)にやって来るように思う・・・と。

これは師が長い採集経験から導き出した推論だ。

オオクワの♀はその木に穿孔して行った際にコクワの卵や幼虫を見つけたら間違いなく捕食してしまうだろう。

カミキリ幼虫をオオクワ♀に与える際に実験をしてみた。

抜群に喰いのいいKBファーム社製『プロゼリー』と『バナナの輪切り』と『カミキリ幼虫』を同時に与えてみてどれから手を付けるか?という実験だ。

結果は全頭『カミキリムシ』だった。

そのうちの♀1頭はカミキリ幼虫を認識するなりダッシュで『突進』して行って捕食した。

餌を投げ入れたことにより驚いてマットの中に潜って行った♀も10分後に蓋を空けて確認したら全部の♀が真っ先にカミキリ幼虫に齧り付いていたのを確認した。

欲しがっていたんである。

体力が付いて元気になったことで気に入らない時に気に入らない相手から迫られたら反撃する可能性もあるのかも知れないが、大丈夫である。

メリットの方が明らかに多いと感じる。

但し、今の餌ゼリーはレベルが高い物が多くなっているので、『絶対に採りたい、沢山採りたい』という時や♀が弱ってきたという時以外に敢えて与える必要もないのかも知れないが・・・。

 

チュウホソアカ採卵記録

チュウホソアカは過去にも何度かチャレンジしましたが高地性のホソアカであるせいか入手時には生きていても交尾に至る前に落ちてしまい、セットまで辿りついたことがありませんでした。

ですから入手先が専門店であれオークションであれ、到着まで2日掛かる所からの購入は時期によってはリスクを伴いますし、梱包に気をつけてくれるところでないと勧められません。

青森の場合ですと購入の適期は3~5月と10~12月が良いと思われますがこの時期の出物が殆ど無いのが辛いところです。

高温に弱く高地性とは言え極端な低温にも弱いので輸送時期と輸送方法(梱包方法)は大事なところであります。

著名採集家の方に電話で聞いたのですがこの方はカリマンタン側から生息地にアタックしたものの、向こうは『地図上に道路があっても実際には無い!』のが当たり前で、車からバイクに乗り換えてそこから何日も歩いても標高700m地点までしか辿り着けなかったとのこと。

そこを超えた所にモンタが居り、更にその上1500m地点にチュウが居ると・・・。

700メートル地点の現地の気温を尋ねたら、日当たりの良い場所で30℃超、森の中の木陰では25℃内外だったはずとのことです。

チュウに関する飼育記は数が少ないので手探り状態でしたが同じ高地性のエラフスとさして変わらんだろう!と判断してエラフスで組む『勝負セット』で挑みました。

このセットの作り方は以前の記事に記載しております。

で、まずペアリングですが同居の翌日メイトガードを確認し、2日後に離しました。

♂は『ハサミ虫』状態でありましたが、それでも♀殺しが無いとは言えないと聞いてましたので長期の同居は避け、又エラフスで好結果を得た『同居セット』は避けました。

♂から離した♀にバナナとプロゼリーを充分に与え・・・と行きたかったんですがこの♀非常に餌喰いが悪くていつ突然★になっても不思議じゃない感じでしたので速攻産卵セットに放り込みました。

3月3日セットで幼虫が底に2頭見えたのが5月12日です。

この間の管理温度は夜15℃~昼18℃くらいで、最低は13℃最高は22℃くらいでした。

エラフスの時より更に若干温度を下げるつもりだったので♀に対する温度変化の影響をなだらかにするためケースはBeケースの大を使用しました。

さて、セット後ですがエラフスと違ってウチの環境のせいか餌喰いに上がって来ません・・・。

メタリフェルみたいだな・・・と思いましたがメタリは爆産して産卵場所が無くなるとマット上に出て来て餌を食べたりするのですが大ケースで組んでいるので良く分りませんでした。

ケースの側面に♀の掘った坑道のような物も見当たらずついに1ヶ月半経過しても一度も餌を食べに出てこないのでてっきり★になったと思い、新しい餌を入れないことにして放ったらかすことにしました。

5月12日、さ~て割り出してケースを片付けるか・・・とケースを見てみたら、底に幼虫が見えたと言う訳です。

ケースを頭の上に持ち上げて『うお~!』と言う奇声とともに『勝利の舞』を踊りました!。

で、割り出してみたら31幼虫13卵でした。

ところがてっきり★になっていると思っていた♀ですが、元気なんですこれが・・・。しかもセット前には動きも餌喰いも鈍くて足に力が無かったのに、今ふ節欠けも無く動きが良くなっており足に力があり、体重がそんなに軽くなって無い!。

て、ことは・・・『お前、やりやがったな~!』多分自分の子供を食べて栄養補給してたに違いありませんね・・・。

産み方をチェックしてみましたが、エラフスとほぼ同様と見受けられました。

今回産卵セットに入れた材は砂埋めレイシ材(ドルクスグッズ様から供給されている材ですがこちらのこの材は肉質の当たり外れが少ないので本当に助かります)と山採りのブナカワラ材(フカフカに腐朽)ですが、これらを削って堅めてその中と付近に産み、そこが一杯になったらマットそのものにも産むようでした。

セットの組み方次第ではマットのみのセットでも産むのでは?と思われましたが(マットの選択と詰め方次第でエラフスは充分採卵できると感じている)確実を期すならやはり材は入れた方が良いと思います。

2回目のセットは1回目の材を割らずにそのまま再度利用して入れました。

幼虫の糞カスの匂いやバクテリアの関係で再度産卵行動に入って頂くことを期待しての理由であります。

以上お粗末ながら参考になれば幸いです。

 

幻のオオクワ採集平成23年度①】H.23.5.11

幻のオオクワを求めて23年度の第一ラウンドゴングが『カ~ン!』と鳴りまして、行ってきました聖地へと・・・。

デジカメで画像を・・・と前夜充電したのにバッテリーがもう寿命で、一枚試しに撮影したところで『終わりました』ので今回も画像無しでおます。

現場に入ると聖地は侵入を拒むかの様に大荒れに荒れており、倒木や落石が至る所で頻発し、50~100メートル進む都度に車を降りて林業と土建屋の繰り返し

昨年大型アカアシがダニのようにくっついていた『ご神木』が何本も折れたり根元から根っこごと倒れたりして様変わりしてました・・・。

午前9時前に今回捜索の第一ポイント駐車スペースに到着、以降急斜面の林道を徒歩で歩く、歩く、ヒメオオのようにひたすら歩くのである。

ここの立ち枯れは八甲田山系に比べると非常に少ない。

師匠のグループが後の為にと示し合わせて一切手を付けなかった立ち枯れがここ5~6年の間に誰かに倒されてしまったのだ。

師匠の教えできつく言われている手を出してはいけない立ち枯れとは以下の通りだ。

①今現在オオクワが利用しているであろうと思われる立ち枯れ、及びこれからオオクワの産卵木として利用可能になる木。

よって手を出して良いのは枝や立ち枯れ上部が折れて落ちたものと、低い位置で折れた立ち枯れ部のみ(折れた部分から雨水が浸透して幼虫が死滅するのでこれは救出してよいとのこと)である。

だが、これも折れて年数が経過し、中が水分でグジュグジュになったものは以降オオクワは新規にそこには産卵しないのでこれを割っても意味が無い。

その年折れたもののみとして、それ以外は他のクワガタやカミキリその他その木を利用する虫達の為に残すとのこと。

条件に合った倒木を探すが、これがまず無い!無い!無い!。

今現在入っているのでは?という木は4~5本見つけたが、これは現役バリバリの立ち枯れなのでスルーする。

やがて一本の倒木を見つけた。

この倒木は倒れたのが昨年か一昨年前のようで、既に水分をオオクワの好む水分量を超えて含んでしまっている。内心これは期待出来ないな・・・と思いつつも割り続けていたら、本日初めての『太い食痕』にブチ当たった・・・。

気合を入れてその倒木の全てを調べたところ、小さなクワガタの食痕も多数あったがこれは途中で途絶えていた。これらはコメツキなどの他の肉食の雑虫にやられたらしい・・・。

太い食痕を追い掛けて行く・・・クワガタの糞だ・・・この太さからしてアカアシ♂の大物でもない。オオクワだと思われたが、その主はどうやら食痕糞の古さから見て2~3年前までに羽化して脱出したようだ。

その倒木から羽化して脱出したのはたった一匹だけと思われた。

残念ではあるが、幻のオオクワは『まだ居る!』生存し、細々とながら棲息している!と確信を持つことが出来た。

結局今日はライトトラップを掛けられる新規の場所を2箇所追加し、ヒメオオ又はアカアシのご神木新規ポイントを1箇所追加しただけの成果だった。

貧果ではある、だが『な~に第二ラウンドの鐘を鳴らすまでよ!』である。

いつか必ずお前に会いに行くぜ!。

今日の採集で腑に落ちないことがひとつあった。

延々5時間くらい歩いて採集してオオクワ一本狙いとは言え、結局一匹もクワガタ幼虫にお目に掛からなかったことだ・・・。

ここは未だにアカアシとヒメオオ、コクワの楽園であり、物凄い数が居るのだが・・・である。

産卵木の密度が高い場所が他にあるのかも知れない。

今年はこの場所で15ラウンドは闘う覚悟をしている・・・。

 

【オオクワ採集】

来週の代休を利用して今期初のオオクワ採集に行ってきます。

その途中に目を付けてたカワラ材もあるので採集予定です(シカ、フタマタにもいいんじゃないか?と・・・)。

年間行動スケジュールは練ってあるのであとは実践、実戦あるのみです。

どこのオオクワ狙いに行くのかって?  それは・・・アレですよ・・・。

去年シーズン終了のゴングが鳴るまで追い続けた奴・・・。

そう簡単には採れないでしょうが、採れたら感動するだろうな・・・。

結果は成果の有無に限らずレポしますのでお楽しみに・・・。

 

【材採集】

今期採集第1弾として昨日『材割』ではなく『材の採集』に出掛けました。

昨年から目を付けていたブナのニクウスバタケで腐朽した倒木(めちゃくちゃでかい!)の枝を切りに行ったのです。

そこは昨年オオクワの『本州最北端採集記録』を更新した♀を捕獲した例の『危険な谷』です。

材飼育、産卵材として非常においしそうな材だったので狙っていたのですが、ある理由の為に昨年は伐採を断念していたのです。

そのある理由とは?。

その倒木は根元の直径が1メートル位あり、途中で折れてはいるものの長さも7メートルはある。

それが道路の右脇の斜度70度の斜面に倒れて根の部分が他の大木と、かなり太いなんかの蔓に『かろうじて引っかかっている』だけの状態なのだ。

指で押すとその大木も揺れる・・・。

こんなのに押し潰されたらオラは『ド根性カエルのピョン吉』になっちまう(いや~古くてすんません)。

そこで一計を案じ、雪でこの倒木が固定されているうちに切ってしまおうと考えて、3週間くらい前に行ってみたのですが、雪の壁に阻止されて現場まではるか手前までしか行けず、今回行ったら道路に雪が残っていて斜面は既に融けているという最悪の条件でした。

オラのオンボロオデッセイで行けるとこまで近ずいて、後は歩いて現場に辿りついたのですがこの有様。

斜度70度の斜面を蔓などにつかまりながら2メートルほど登り、片手で蔓を掴んで体を保持しながら片手で直径約40センチ、長さ2メートルの枝を切る・・・なんてのは今のオラの運動能力では無理!っと今回も断念しました。

その代わり、下からよ~く眺めたら、多分根の付近に他の落ち枝がありそうだったので少し離れた所から高巻いて登ってみた。

結果・・・ありました!おいしそうなニクウスバの枝材が!。

材を上から5メートル下の道路に放り投げている内、足元に直径20センチくらいの黒カワラで腐朽した材が転がっていたのに気がついた。

ふと見ると、その材には卵より少し小さい楕円形の『クワガタらしき脱出痕』が空いていた。

やたらデカイ!。 これは持ち帰って師匠に見てもらおうと、これも下に落としたら、バラバラになった。

店に帰って、このバラバラになった材を『組み立てて』師匠に見せたところ、ヤマネか鳥が入り込んで営巣して広げた可能性があるし、クワガタだったら脱皮した蛹の殻があるはずと言われたが、ヤマネや鳥だったら残るはずの木の葉っぱや毛、羽毛などが無い!と反論。

蛹の殻は既にこの材の中の主が脱出してから相当の年月が流れたとおぼしいので、多分バクテリアその他に分解されたと推定した。

中の粉は明らかにクワガタの食痕だった。

師曰くクワガタの脱出痕ではあろうが、大きいものであったかどうかは分らんとの結論だった。

 

本日はここからが本題。

今期は積雪が融けなかったことによる重い豪雪で、枯れ木のみならず、生木の枝折れ、倒木が非常に多く、道のあちこちを塞いでいます。

又、地震の影響で、道路への落石や斜面の崩壊も見られますが、震災の対応優先で、これらの危険箇所のチェック補修等は後回しになるやも知れません(つまり危険なまま放置)。

特に交通量の少ない林道に進んで分け入って行く我ら『狩猟隊』は充分注意しなければなりません。

特に怖いのは落石と道路や斜面の崩壊でしょう。

現に先の倒木のそばに生えている大木の下は巨大な一枚岩(2tトラック1台分はありそう)なのですが、その岩の下の土砂が崩れ落ちていて(多分地震の影響)落ちてきそうです。

大雨の直後等は充分注意した方が良いかと思われます。

 

採集シーズン・イン!(今度こそ)】

さあっそろそろ採集だっ!と鼻の穴を広げたところで先の大震災が起きた・・・。

先々の予定も狂いっ放しでここ暫くを過ごした訳だが漸く採集に行ける雰囲気となって参りました。

昨日は『日本昆虫研究社』の精鋭3名が採集の為に山に向かったようだ。

狙いはツヤハダ、ルリ、マダラとのことだったが、まだ1メートル以上の積雪がある八甲田山系の山でルリは採集出来るだろうが、赤枯れの倒木に主に棲息しているツヤハダとマダラをどうやって採るの?という一点の疑問を抱かせたのだが、日昆会長は『まあ、マダラは確実に採れますよ』と力強く言っていたのでその結果が少し気になる・・・。

ここの会はちょっとしたきっかけで会長が他のメンバーに『羽交い絞め』にされることもあるようなので、夕方に『採れた?』と会長にメールしてみたが返事は来なかった・・・『羽交い絞め』にされているかも知れない・・・(又は報告するのももったいない位の大成果があったかだ)。

会長の苦悩は続くのであろうか、ここは『日昆会長諸記』ブログの更新を静かに待とう・・・。

 

オラは昨年に蓄積したデータを基にH師匠の指導を受けながら県内オオクワの未発見地からの採集を果たすべく検証中である。

今期初採集のポイントは決めた!。後は現場に入れる状況を待つばかりだが雪が融けてないため2週間後、というところだろうか。

採集のベテランを除いて今年の山にはある『異変』が起きていることを多分皆さんご存知ないかと思いますが、オオクワ欲しいなら今年は大チャンスかも知れませんよ。

それと、前にも書いたが白神山地系等の日本海側のオオクワは今年から3年以内位に『タコ採れ』する可能性がある。

ここのオオクワは有名なのにも関わらずまだ天然♂を誰も採集に成功してないのである。

かつて市場に出回った個体はWD♀の持ち腹産卵で得られたWF1以降の♂なのだ。

誰がその初採集に成功するのだろう・・・。

 

バクテリア培養中

只今バクテリアを勉強のためせっせと培養に励んでおります。

カブクワ飼育と密接な関係ながらあまり追及してこなかった分野なのですが、自店のオリジナルマット作成に取り組んだところ避けて通れなくなったものです。

が、調べたところ以前に齧った家庭菜園が高じて畑で野菜や果物を栽培した際に得た知識や原料などが実に似通っていたのには少々驚きました。

これらはインターネット上で調べれば誰でも培養方法の知識は得られます。

それをそのまま培養しても面白くないので菜園で得た知識を加味してオリジナルな物をつくってみたいと思ったわけです。

バクテリアを培養して何の効果を期待するのか?というと次の通りとなります。

・発酵マットの作成。産卵用マット(産卵誘発、産卵数UP)、幼虫飼育用マット(死亡率低下、大型化効果)。

・産卵木への加水用(産卵木自体の産卵誘発効果UP、幼虫孵化率UP、堅い産卵木の軟化、産卵木のカビ繁殖軽減効果)

 等です。

培養したバクテリアを自分の虫で飼育に使用してみて『確かな効果』が確認できたら販売してみようかと思います。今培養しているのはこんな感じの物です。

①オーソドックスな光合成細菌を培養したもの。

②育ちの良かった幼虫の蛹室から採取したバクテリアを培養したもの。

③ある種の植物から採取した酵素と共に取り出したバクテリアを培養したもの。

これら①~③にそれぞれ別な酵素2種類を加えて実験してみるつもりです。

更には虫によりpHの関係もあるので順列組み合わせで本年度は24種類の『バクテリア水』を作って試してみます。

 

被災された飼育者の方へ・緊急対応法

この都度の震災に被災された飼育者の方には心よりお見舞い申し上げます。

同じ昆虫飼育愛好者としてこのようなことを申し上げるのは慙愧に耐えませんが、人命優先でありますので維持不可能であれば涙を飲んで『殺処分』すべきです。

可哀想だからと言って放虫することだけは避けなければなりません。

生き物を飼う者はその最後の場面まで自身で責任を負わなければならないのです。まだ継続飼育が可能な方で、しかし餌や温度管理が難しいという方は以下を参考にしてみて下さい。

 

①カブト・クワガタ(特にクワガタは)水だけを与えても元気で健康な個体の場合1ヶ月以上死ぬことは有りません。ティッシュや何らかの紙類などに水を染みこませたものを飼育容器の中に入れてあげて下さい。この水の中に砂糖や黒糖などを溶かして与える余裕があれば活力源として更に有効です。餌が残り少ない場合は鍋で溶かして水を混ぜて増量し、上記の要領で与えて下さい。

給餌のタイミングは一週間に一度で構いませんので、その際たっぷりと与えて下さい(余裕があれば回数を増やし、余裕がなければ減らして個体の生命力に賭ける)。

 

保温

①幼虫、成虫それぞれをまず寒さに強い種と弱い種に分別して下さい。

オオクワガタ等の越冬冬眠する種は家屋内でしたら熱源が全くない部屋でも全く影響ありません、継続して冬眠するだけですし、逆に暖かいところに置くと活動してしまい餌を必要としますので寝かせておくべきです。

②寒さに弱い種は、幼虫の場合で充分な保温が出来ない場合、可能であればなるべく厚手の容器で、それまでより大きい容器にマットを可能な限り多く入れて、入れ替えて下さい。

小さなプリンカップで飼育している場合が一番危険です。

③耐寒性の弱い成虫の場合も、なるべく厚手の容器、より大きめの容器にマットの量を増やして(この場合のマットは水分をやや乾燥気味にしておくこと、完全乾燥はよくない)入れ替えて下さい。

④耐寒性の弱い順になるべく暖かい条件の場所を与えるか、とても全ては維持できないと判断した場合は、維持できないものに見切りをつけて処分し、維持可能なものに優先順位をつけて保管場所を与えて下さい。

 

採集シーズン・イン!】

前回頂いたお休みで溜まったブリード作業がある程度片付きました。

これから産卵セットを組むのはトカラノコやルマウィ、パプキン等5種10セット足らず。

4月に冬眠組のオオクワ、ホペイなどを起こせば、久々に6月始めまでにオオクワ連中のセットも適季に組めます。

と言う事で、午前中は昨年見つけたポイントの調査をすべく何箇所か調べて回りました。

材採集は根性さえあれば年中可能なのですが今年はこの時期を全てポイントの精査と新規開拓に注ぐことにしました。

まず、一番気になっていた昨年新発見のオオクワ採集場所に行ってみましたが、かなり手前で道路が除雪されておらず4メートル級の雪の壁に阻止されてしまい、行けませんでした。

この場所はかなり切り立った狭い峡谷の底のポイントであり、採集した場所は何とかライトトラップをやれる広さがあるのですが、実はオオクワの潜む真の『爆心地』はその渓谷を遡った上流域にあると踏んでいたのです。

そこの樹相を見てみたいと、かねて師匠と話していたのですが逆に夏季だとブッシュと傾斜がきつくて近寄れないので今頃から雪解けにかけてが一番安全かつ楽に入れるのでは?と考えた訳です。カンジキを履いてひたすら歩けば行けることは行けるのですが今入れば雪崩に喰われる可能性があるので今回は諦めて別な場所をチェックしました。

今回チェックではヒメオオの新規ポイントを1箇所見つけました。

新規ポイントの開拓には雪が積もっている冬季と春の新芽が芽吹いてくる頃、そして落葉後の晩秋が成果抜群です。

春と晩秋は木肌が見えているので『ご神木』を捜しやすいですし、冬季は高い場所のチェックが容易です。

今の時期からバヤバヤと動き回っているその真意は実は『オオクワ樹液採集への挑戦』であります。

青森では偶然以外に狙ってオオクワを樹液で採集した話は聞いたことがありません。だが、もしも良い『樹洞』が開いたご神木を捜せれば毎度採集に苦労する♂が得やすくなります。

何としてでもやってみせる!と燃えているところですが・・・。

この採集をするに当たって是非入手したい便利グッズが出てきました。

それは『ハンディGPS』です。

これがないとせっかく見つけたご神木の位置が分らなくなる可能性は大ですから・・・。

 

【カブトムシ・ハンドペアリング法・・・は痛い!の巻】

何故かカブトは自分の中で苦手の部類だ。

カブトは嫌いじゃないけどあまり増やしたくない・・・これは本音だ。

何故か?

①幼虫期間が長いものが多く、成虫寿命が短い

②幼虫、成虫ともに大食漢で喰って喰って喰いまくる(コストがァ~ハフハフ!)

③幼虫成虫どちらもスペースを取られるのが多い。

とまぁそんなところなんだがショップやっててウチはカブト有りません!って訳にもいかんので泣く泣くブリしているのである。

カブトを飼育していく上で失敗の大きな要因になっている内のひとつがペアリングだ。

大型のメガソマ系は足場をしっかりとした飼育ケースの中に♂♀を放り込んでおけば♂がその馬鹿力で♀を羽交い絞めにしてでも無理やり『やっちゃう』んだが♀を殺すことはまずないので一番楽だ。

カルコソマ系は交尾意欲が強いが♀殺しがあるので大事にいくなら交尾終了まで『監視』し、終了後は即離すのが賢明。

で、問題なのがデイナステスの大型にありがちなパターンで♂がその気にならない、又は♀がその気にならない(逃げ回る)という状態だ。

ここで出てくる必殺技のひとつが『強制的ハンドペアリング』という奴だ。

今回は飼育のファーストステージに立つ方にこれを紹介してみたい。

以下一番大事なのはペアリングに先立ち♂と♀が充分に『成熟』していることが前提になります。充分に成熟していると判断するにはこの種は後食開始後何日目くらいが良い・・・とかよく言われますが、第一の落とし穴がこれかも知れません。

飼育者の管理環境によってと、個体差でズレが生じると思うのです。

後食後期間の他に動きや反応が活発か?(♂触ると怒って威嚇する、♀素早く逃げる等)餌喰いは活発か?の他に翅を広げて飛翔行動をとったら成熟したとみなしてよいかと思います。

期間は充分なはずなのに、これらの要件に当てはまらない状態の場合は先天的又は飼育過程で弱っている場合(羽化直後の掘り出し等)や管理温度が適切じゃない場合など(サタン・ネプチューン等に成熟を促進させようと高温飼育した等)が考えられます。

自然な交尾をさせるのが一番でしょうが、オラんところの場合は『時間が無い』のと商売だから確実性重視の観点で強制交尾です!。

自分でやってみて一番成功率が高いやり方が以下に記す方法です。お悩みの方は試してみて下さい。

まず木の皮がゴワゴワの直径5~7センチ位の木の枝を用意する(木の皮がゴワゴワを選ぶのは♂♀が爪を立てて踏ん張り易くする為で、直径はその人の手の大きさで加減する)樹種は問いません。

その木を長さ10cm程度にカットして、更にそれを鉈等で縦に真っ二つに割る。

割った木の平らな方を左手の手のひら側に、♀を丸い方に捉まらせて、左手の親指、人差し指、薬指の3本で動けないようにしっかりと押さえる。

(身動き出来ないと悟った♀は動かなくなるのも居てこの場合は指2本で充分、だが最後まで暴れる♀も居りこういうやつは指3本で無駄な抵抗は止めよ!とつぶやきつつ動けなくする)。

次に右手で♂の胸角を掴み、足のバタバタが少し治まったところでそっと♀の背中の上に乗せて、交尾にいたるまで様子を見る。

この時点で♂がただただ逃げ回るような行動を取るようならまだ成熟してない可能性があり、十数分試みても交尾器も出さないようなら数日後に再チャレンジする。

♀の小循板の匂いを嗅ぐような素振りをしたり舐める仕草をしたら異性を認識しているので少し時間はかかっても成功する場合が多いので粘ること。

挿入されると急に大人しくなり動かなくなる♀も多いが、ペアを止まらせている木をケースの中に置くとちょっとした刺激でまた暴れだす♀もいるので5分以上、出来れば10分くらいは手に持ったまま待った方が良いと思います。

 

その他の小技

・お尻を開かない♀の小循板を綿棒でそっと優しく撫でる(♂に触れないように)。

・交尾器を出さない♂には交尾器が出てくる辺りを綿棒で撫でるとの説があるが、自分の経験では逆効果でかえって驚いて逃げ出す♂が多かった、しかし交尾器をちょっとだけ出したり引っ込めたりを繰り返している♂の交尾器そのものを綿棒で撫でたらど~んと全開モードに入ったのは居る。

・手に持ったペアを小刻みに震わすとその気モードになる場合があるとの説もある(自分で試して効果を確認したことは無いが、まあ知識として・・・)。

このハンドペアリングをすると♂♀の爪で手や指が傷だらけになります

大変痛いので、試す場合痛いのが嫌な方はゴム手袋か、皮の手袋をした方がよいかと思います(オラは虫達と痛みを分かち合いたいという変な拘りがあるので絶対しませんので何ペアかハンドペアリングする際は手がボロボロになります)。

余談の笑い話になりますが、オラの若い友人に♂カブトに好かれる『黄金の左手』を持つ者がいて、彼の左手に捉まった♂は後食前なのに我慢できなくなるらしく交尾器をだして彼の左手に突き刺そうとします。

そんな左手を持っていたらペアリングも楽でしょうけどねェ~(笑)。

 

ヤフーの知恵袋

今日師匠がやって来てパソコンの電源を入れてヤフーの知恵袋を開けとおっしゃる。

ここんとこ何かとお騒がせのヤフー知恵袋ですが開いて何検索するんスか?と尋ねたら、『オオクワガタ 青森』とのこと。

すると、『青森県の津軽でオオクワは採れますか?』という問いにベストアンサーさんが『採れます自分もかつて1匹だけ採ったことがあります』と回答していた。

師匠が『お前この津軽って部分どう思う?』どうもある県外の大御所がこれを見て気になったらしく、師匠に聞いてみたようだ。

津軽とは書いてあるものの南津軽郡なのか中津軽郡なのか北津軽郡なのか聞いた人も書いてないし答えた人も書いてない(でもこの手の質問にはこの返答の仕方が良いのだと思う)。

私らが気になる『津軽半島』ではないでしょう・・・ということで意見は一致した。

本州最北端のオオクワ採集で確かな個体は昨年青森市在住のCさんが青森市内で採集したものが最北記録であり、津軽半島から発見されれば記録更新となる。

津軽半島は棲息する可能性としてはかなり低いが、居るとなれば棲息出来得るポイントが限られているため絞り易いと言えば言えるかも知れない。

もしも津軽半島産を採集に成功した人が出たならば、その人には恐らく『宝くじ』は当たらないであろうな(運をオオクワに使い果たして・・・)。

 

ついに出た出たやっと出た!・グラントシロ

セットを組んだのが昨年8月27日だ。

それからケースを何度覗きこんでも、な~んの変化もなく仕込んだ2セットを時々霧吹きで加湿するだけの日々・・・。

で、こりゃ駄目だ!と保管場所がなくて寒い部屋に置いといた(15~19度)ケースを一昨日空けてみたら、6幼虫59卵が出てきた。(6ヶ月まるまる経過してこれかい!)。

で、これなら暖かい部屋(23度)に置いといた残り1セットはどうなんじゃい?と今日空けてみたらこれが(全滅)何でやねん?。

卵から孵化した跡は確認できただけで十数個あったのだが・・・。

 

第一回本年度採集予測

雪もまだ消えてないと言うのに3月に突入となったら『採集人魂』がうずいてしょうがないオラですだ。

灯火採集スタートまであと3ヶ月ちょっとの我慢、そこで本年度の採集予測をほんのりとたててみました。

 

カブトムシ

一昨年の蛹化時期の記録的長雨による大量死による壊滅的打撃から、昨年も数が少なかったが(特に大型の♂)産卵行動中の♀の数が少し復活したことから平年並みまではまだいかないが楽しめるところまでは復活するのでは?と思われます。

平年より幼虫数が少ないということは幼虫の餌はタップリとあるということなので大型の♂が採れるのでは?と期待します。

(事実昨年の猛暑で9月中旬に入ってから新成虫の大型♂を目撃している)。

 

ノコギリ、ミヤマ、アカアシ

これらは昨年の猛暑の影響をモロに受けており昨年のシーズン終盤『前代未聞の第三次発生』している影響が出るのでは?と考えております。

今年活動開始予定だった個体が昨年出てしまっているので特に一旦活動してしまったら越冬できないノコギリ、ミヤマは特に一次発生の数がかなり減る可能性があります。

 

『オオクワ、コクワ、ヒメオオ

平年並みでしょう。が、オオクワはある理由により向こう2~3年のうちに日本海側では当たり年になる可能性があります。

♂を採っても♀が採れなくて希少産地のオオクワを求めて休日は採集に費やす『オオクワ地獄』にはまる良いチャンス?かも知れません。

また、産まないので有名な青森の天然オオクワ♀ですが(特に二次発生の個体)これも昨年の猛暑がどう影響してくるか見ものではあります。(昨年オオクワを初採集に成功して大喜びしていた方の半分以上が採卵できず泣いたこととお察しいたしますが、オオクワは1年じゃまず死なないので今年また採れば良いだけさ♪頑張りましょう)。

 

【ブルマイスター割り出し】

秘かにセットを組んでいたブルマイですが本日割り出しました。

本当はまだ早いのですが、雑虫処理していた産卵マットで挑んでいたところいつの間にかケースの隙間からコバエに侵入されていて繁殖!このままでは全滅してしまう・・・と急遽割り出したものです。

結果はド初令幼虫10匹、卵32個でした・・・あ~あまたか・・・。

無事孵化を祈りつつ♀がまだ存命中のためセットを組みなおし再度ご入城いただきました。

頼むせめてあと20個産んでくれ!。

 

【オオクワ化け物個体その後】

一昨日キャッチした情報の件ですが、早速確認したところその個体は現存しないことが判明しました(あ~あ残念!)。

一夜の夢でありましたがいい夢みさせてもらってありがとう・・・というところですね。

しかし男は夢を追い続けるのであります。

 

2010年度オオクワ採集で化け物出た?】

本日未明当店に信じられないニュースが寄せられました。

昨年本県で採集されたオオクワで荒唐無稽とも思えるような化け物が採集されていた!・・・と言う情報なんですが、あまりにも『突き抜けて』いて今の段階ではサイズなどはとてもここでは書けません!。

これが『真実』でありその個体が『本物』ならば、日本中を震撼させるくらいの物です。

これ、本当だったらオラ御叱呼チビるどころかウ○チ漏らしそう・・・。

ということで、真実確認の為に本日速攻『隠密同心』2名を放ちました。

結果は公表できるのか否か・・・それも分らん・・・(モノが凄すぎて)。

 

マルバネクワガタ飼育・初級編

自分自身4回目でやっとマルバネの幼虫を採ったばかりでこんなん書くのおこがましいんですが、お浚いの意味で習ったこと調べたこと実践してみたことなどをサラッと書いてみますね。

 

幼虫飼育

初令~2令 割り出し後は200CC位のプリンカップで単独飼育するが、2令後期までは中ケースくらいの容器で多頭飼育も出来る(中ケースで10~15匹程度)。

3令 15グラム程度までの幼虫は1000CC~1500CCの容量で飼育する。土繭の大きさが7~10cmほどあるので20gを超える幼虫には1500CC以上の容器がよい。

温度管理 1年中一定の温度で管理すると羽化時期がばらついてしまうので季節を感じさせた方が良い。温度は夏季上限27~28度くらいまでで、冬季は10度くらいまで(短期間なら5度くらいまで下がってもあまり死なない)。

幼虫は高湿度を好むので部屋の湿度は高めの方がよく、マットもやや水分多め(劣化しない程度)がよい。

羽化時期に高温にさらすと羽化不全が増える。

羽化ずれした時は羽化後2週間くらいして体がある程度固まったら1ヶ月程度は冷蔵庫保管可能(5~10度程度)。 羽化後すぐに掘り出すと落ちる場合が結構ある。

 赤枯れのマットを購入又は自作する。自作の場合発生木であるスダジイが一番よいかとは思いますが手に入れにくいので私はブナ、桂、楓等の赤枯れ材を粉砕して使用している。

針葉樹の赤枯れ材はまだ褐色腐朽菌に分解されてない成分が残っていると死亡率に直結するかも知れないので使用しない方が良いかと思います。

カブトやクワガタの幼虫飼育に使用した喰いカスのお古マットを加工し、上記の赤枯れマットと混合して与えます。

喰いカスマットは発酵が進んだ黒っぽい物が適しているので自分はカブトの糞等を粉砕して造っています。クワガタに使用したものは発酵が浅い明るい茶色のものがありますので、これは再発酵させて半年~1年寝かせてから使用した方が安全でしょう。

マルバネやツヤクワガタの部類は材のセルロースを分解出来ないようなので、自分の場合は使用済みカブトマットであっても残っている粗いチップはなるべく除去しています。

赤枯れマットも使用済み再利用マットもすべからくなるべく微粒子に粉砕し、ふるい掛けをしっかり行って粗い粒子を除去するのが肝心です。

赤枯れマットと使用済みマットの混合比は赤枯れ2~6割:使用済み4~8割の間です。 

幼虫に与える前に大事なのは『雑虫駆除』をしっかり行ってから与えるということです。

餌交換 2~3ヶ月に一度の割合で交換しますが、下部は固めで幼虫投入後上からマットをふんわりと入れますが、何日かするとこのふんわり部分のマットが自重で沈みますので再度マットを足します。 

その後は加齢直後特に食欲が旺盛になるのでマットを足すか5割程度交換していきます。 この5割程度の交換をする際は、マルバネやツヤの場合上部半分ほどをスプーン等ですくって捨て、幼虫が掘っている坑道の中に新しいマットを流し込んで詰めていきます。そして何日かするとまた自重でマットが沈んだ分を足して終了です。

その後の管理はマットの湿度と劣化、雑虫の有無等に気をつけます。

マットが乾いたら霧吹き等で加湿しますが、加湿のし過ぎによる劣化に注意。

コバエや線虫が湧いた際はマットを全交換するが、他幼虫の容器からマットを少々移し換えるのも安全策だと思います。

幼虫期間 幼虫期間は1年半~2年の『2年一化』が理想で、3年1化になると死亡率が高くなるそうな・・・。

土繭作成後は短くて1ヶ月ほどで蛹化し、蛹化後は最短で3週間で羽化することがあるそうです(管理温度25~27度)。

 

成虫飼育

・寿命 マルバネの寿命は後食後約2ヶ月前後で、羽化後1ヶ月内外で後食し活動を始めます。

休眠中の成虫は触ったり動かすと死ぬ場合があるので出来るだけ刺激しないように。

ペアリング アママル、オキマルの目安は羽化日から約40日後くらいから、ヤエマルの場合はこれより少し長くて45日前後以降。

活発に動く、又はゼリーを後食したらほぼOK。

 ゼリーは与えなくても交尾産卵まで問題無いが、与えても良い(水だけテイッシュに染みこませて飲ませてもOK)。

今回私が産卵セットを組んだヤエマルはどの♂♀も非常によくゼリーを食べたので産卵セットにも念の為ゼリーは入れておきました。

ペアリング時の管理温度は23~27度くらいが望ましい。

♀殺し 頻繁ではないが♀殺しもあります(私はアママルで体験し、累代飼育断念の経験あり)。♂♀の成熟の見極めが大事だと思います。

 

産卵セット

マット 産卵マットは市販品専用マットを使うか又は自作マットになります。

自作マットの場合ですが、赤枯れの混合率が高いほど数が採れる傾向があり、マットの粘度と湿度が程よくあった方がよい結果に結びつきます。

産卵マットは使用前に充分雑虫駆除処理してから仕込みますが、『完全乾燥』による雑虫駆除処理をすると先の粘度が不足する傾向がありますので留意のこと。

転倒防止 マルバネ♀は転倒すると起き上がるのが下手な体型のため余分な体力を消耗させない為に止まり木や造花の葉っぱ、ミズゴケなどを入れます。

飼育ケースとマットの量が多いほど数が採れやすくなります。

野外品は当たり外れがありますが飼育品はツボにはまると爆産型です。

・セット方法  色々なやり方があるみたいですが、まず大ケースにマットを詰め幼虫で割り出す方法、次に小~中ケースを複数使用して幼虫割り出しまで♀を移動させながら産卵させていく方法、そして小~中ケースを二つ用意して産んでいるかどうか確認しながら卵割り出ししていく方法などです。

この卵割り出しですが、取り出しと保管を慎重かつ適切に行わないと孵化率が著しく低下するようですので、最初は幼虫割り出しから始めた方がよいかと思います。それでも敢えて卵割り出しをするなら、産んでいる時の1♀の産卵数は1日当たり普通は1~3個、多くて5~6個くらいとのことから、卵を数個確認して2~3週間経過したら別に用意したセットに♀を移動、を繰り返します。

幼虫割り出しは、孵化したての幼虫は弱いのでセット後2~3ヶ月後に割り出した方が死亡率は低いと思われます。

使用するケースの大きさは最小で小ケースでも産むようです(約3.5ℓ)ので、用意出来る産卵マットの量が確保出来ない時は小ケースで組んで卵割り出しを繰り返すのも手でしょう。

マットは適度な水分調整の上でケースの底を堅く詰め(マット全体の3~5割)あとはふんわりと入れます。

卵は外からは殆ど確認出来ませんが、側面よりは底面近くに産む傾向があるようで、マットの表面近くにもばらまき産卵することもあるので割り出し時には注意が必要です。

他には産卵中~割り出し時まで乾燥に注意してマット表面が乾いてきたら霧吹き等で加湿することを忘れずに・・・。

以上なんですが、マルバネの飼育はツヤクワガタの飼育にも通じるところがありますので参考にしてみて下さい。

 

【ブリード結果報告】

以前載せてました『ヒメオオ晩秋産卵に挑戦』でしたが、結果が出ましたので報告いたします。

結果は!ある種の累代飼育に成功致しましたが、それは残念ながらヒメではなく『ミミズ』と『コバエ』でした・・・。

ミミズは凄い数です!空けて見てみたら『ミミズ○匹』という怪しからん言葉が頭に浮かんじゃいました。

多分一緒に入れた天然材から発生したものでしょうが、生まれたてもいましたので正に累代飼育をしていた訳ですな・・・。

♀は4頭使いましたが全部『元気』です(餌がもったいないので寝かせました)。 

さて、WD♀が4頭ですので腹に卵を持っていた確率はそれなりに高かったと思います。

にも関わらず1卵も得られなかったと言う事は、時季が悪かったかセットの組み方の可能性が適切でなかったかと思われます。

 

入れていた材に対する反応は次の通りでした。

①コナラカチカチ黒筋材→齧っていたものの産卵まで至らず。

②天然ブナカチカチ黒筋材→一番齧っていたものの産卵に至らず。

③植菌レイシカチカチ材→眼中に無し!。

④植菌レイシやや柔らか材→お呼びでない!(ミミズとコバエの餌となってました)。

管理温度16℃~19℃(♀は普通に活動しており食欲旺盛だった)。

次回は5~6月頃にセット内容を変えて組んでみます。

 

懲りない男・4度目の正直

何気な~くヤエマルWDをセットしていたケースを覗き込んでみたら、何かちっちゃい物がマット表面で動いてる・・・。

『これは!もしや?』と老眼が進行中のおメメをこすってよく見たら、紛れも無く幼虫じゃん♪。

てか、何で地表に出て来てんの?1匹乾いて干物になってるじゃねえか!。

慌ててスプーンでホジホジして穴を空けて『埋めました』。

その数5匹。

神は『懲りない男』に4度目で微笑みたもうなり・・・。

え~まだ何匹採れてるか分りません。

産んで孵化しさえすれば『爆産種』だからと言ってケースひっくり返してみたら見えてた数だけでした・・・というのはこの稼業長くやってりゃよくある話。

あと2週間ほど待ち、少し体力付いた当たりで割り出してみます。

今夜は祝杯だ!『サントリー大一番』やめて『きっちょむ』でも買ってこようかな?♪。

 

【祝・青森県から初?ギネス認定!】

恐らく青森県からは初認定となるギネス個体が出ました!。

飼育者の方の思惑とは裏腹に、『チビギネス』ではありますが、な~に気にしない!気にしない!。

やってみたことが有る人には分かりますが、チビギネスも狙ってそうそう出せるもんじゃないんです・・・。

下には下が居る・・・』てなことです。異常に小さいんです!よく死なないで羽化したもんだ・・・という・・・。

飼育者は当店HPにブログリンクを貼っている『日昆会長』さんです。

彼は『カワノイシカ』でもギネスまであと0.2ミリにまで迫ったことがありますし、メタリフェルでもこれはギネスか?という個体を蛹で★ってます(まあ限界に近かったんでしょう)。

カブト・クワガタそのものに関する知識とクワガタ棲息の地理的知見については青森県トップクラスと思われますので、近未来に『BIG』のギネスを出せる可能性のある一人と感じています。

その為には『早く温室完成させなさい』それと『油断しないでね』と申し上げておきます。

何はともあれ、青森から『日本一』を出したのは喜ばしいことであります!。

県民の皆さん『記録は破られる為に有る』のであります。

彼に続いて青森から次なるギネスを出そうじゃありませんか!。

『会長さん』この都度は本当におめでとうございます。

 

【当店で今期パラワンオオヒラタ幼虫お買い上げのお客様にご報告】

2系統幼虫販売致しましたが、自店ブリード分の大型系統同腹兄弟幼虫が今朝大瓶を食いあげてたので1回目のビン交換しましたところ大きくて一瞬♂と間違えました!。

ウンチされる隙を与えず体重計測無しに速攻次ビンに入れちゃいましたので、正確には判りませんが目測18g~20gありそう、しかもまだ脂肪回っておらず喰い盛りの3令初期!。

♀好きの私にはたまりません!(女好きじゃないですよ!嫌いじゃないけど・・・一応念の為、それと○研の下請け業者でもありません→ビークワ定期購読の方にはピンとくる)。

50㎜UPの♀・・・射程範囲に入って来ました(ここからよく失敗もしますが、これは勝負したい)。

お買い上げのお客様の方はどうでしょうか?是非嬉しい知らせを待っております。

金は無いけど暇も無い・・・そんなオラの心を満たせるのは『夢』しかないのであります。

 

【懲りない男、魔性のクワガタに4度目の挑戦!】

魔性のクワガタとは? それはマルバネであります。

この虫は何故か私の心を捉えて離さない。

本州の最北端で南の虫を飼育する恍惚感? ハブとマングースのにほいがするクワガタだ。

だが、このクワ中々手強い!。

4年前にアママル幼虫をゲットし、1♂2♀の羽化までは行ったが羽化ずれから累代飼育挫折。

ならば難易度の少し低いヨナマルとヤエマルでリベンジだ~!っと又幼虫を買ったのですが・・・・

 

ヨナマル→即死!

ヤエマル→轟沈!

で、『ふひょ~!』。

 

今回実は一番好きだったオキマルと再度ヤエマルを仕入れ、再挑戦でおます。

どうもオイラはトコトコひたすら歩くクワガタに弱いらしい・・・。

これで駄目なら・・・またやるだけヨ。(懲りない・・・じゃなく諦めない男それがオラだ!だが世間ではこういう人間を俗に“バカ”と言う・・・らしい・・・)。

                                   

【またもや失敗哀れヒメオオ真っ二つの話】

前々回書いたヒメオオを材割りした場所とっくに冬季閉鎖されているかと思いきや、師に話したら『いやっ、何らかの事情で閉まることはあっても基本的にはまだ開いているはずだ』と聞き、急遽出撃したら開いてました。

雪が積もっていて前回の材を探すのに少し手間取りましたが、何とか到達。

早速材割り開始!・・・と、相変わらずヒメオオ材の堅いこと!食痕を追いながら叩くも『カッキ~ン!』て音がしそうな程(実際にはしませんよ勿論)堅いんだなこれが・・・。

で、時間も無くなってきた焦りから、大きく割ろうと斧部分を使って思いっきり叩いたら、何と半分になったヒメオオ♂新成虫がコンニチワ!。

済まん!俺が悪かった、許しておくれ・・・。

懇ろに葬ってやろうと店に持ち帰った次の日に『もう旅立ったかな?』と大顎の間に指を入れたら『俺の下半身を返せ!』とばかりに思いっきり噛みついてきました。

しかしまあ、これ位はよくあること、次の日には旅立つであろうと思ってたが次の日も生きていた。

いやあ頑張る奴だな~と感心しきり、しかし限界だろう。

その次の日に師匠が遊びに来たのだが、それでもこいつは生きていた。

師匠曰くあと二日半は生きてんじゃねえか? まさかと思いましたがそれから実に二日、計5日間生存していたのにはびっくり。

最後にはちょっとだけだけどゼリーも舐めました(末期のゼリー)。                                              これが人間だったら事故死なんて減るだろうな~とか考えつつ昆虫の生命力に驚きました。

えっ?他はどうしたの?って? ヒメオオ幼虫(多分)2匹でしたとさ・・・。

カワラ菌糸ビンに入れた時は殆ど動かず、糞を排出した腹の中に謎の液体(仲間内では“不凍液”と呼んでいる)で満たした幼虫達であったが、今日見たらもう食痕が出ていました。

『おおっ何でィもう春かよ』とは言ってないと思いますがお食事中の様であります。

これでアカアシが羽化してきたら『ムッシュ・がっかり』でんな。

 

【ヒメオオ増殖計画】

国産種最難関のひとつ『ヒメオオのブリード』に挑戦しております。

本当は来春にやろうかと思ってたんですが、まず秋がいいか春がいいのかの答えを探るには早い方が良かろうと1回目の挑戦であります。

この種の難しいところ・・・それは幼虫飼育も挙げられてますが、しかしやはり問題は採卵でしょう。ここさえクリアすれば7割方は成功と言えるのではないでしょうか。

管理温度は18度~22度位の間でOKではないか?。

問題は『材』と『セットの組み方』にあると思われる。

某氏が言っていたが、『材はヒメが入っていた現地材を使えば採卵は可能だろうが、市販品で採卵を可能にすることに価値がある』というのは正にその通りでありましょう。

そこで、ここまでで得た知識と実際に自分で材割りをした経験を元にセットを組んでみた。

 

◆材の種類◆

天然野外品はどんな材に産んでいるかと言うと、樹種はブナ等であるが、まず『カチンカチンに堅い』ということで、最低限外側の樹皮付近がまず堅いのが条件なのでは?。

これは、外側が堅かったが中はそれほど堅くないという材の材質が変わる『際』の所に幼虫が居たとの情報による。

次にこの材は黒い筋が(雑菌)入った見た目汚い材であるということ(これは必須かもしれない)。材の水分含有量はオオクワとは正反対で、かなり水分量の多いビチョビチョの材に入っている。

そして、この虫は倒木には余り見られず、『立ち枯れの比較的下部』に多いと聞く。

(先に記したコクワと間違った材は倒木の根部だったがビチョビチョだった)

 

◆セットの作り方◆

材の選択肢を増やす為に大ケース使用。

入れた材は

①コナラ堅めで黒筋バンバン物

②植菌カワラ材堅め

③植菌レイシ材堅め

④天然ブナカワラ材外堅め、中ある程度柔らか、黒筋バンバン物。

以上①~④を加水ビチョビチョにして横置き(本当は立て置きのセットも組むべきだった)。

次にマットは何をチョイスするのかという問題だが、先達方が黒土を選択している人が多くいるのは結局水分ビチョビチョで尚且つマットを劣化から守るためであろう。

今回自分は敢えて黒土以外で水分量が多くても劣化に耐えられるような工夫をして数種のマットをブレンド使用してみた。

最後に『胡椒少々』のノリで、ある物をパラパラと表面に撒いて完成!・・・でやってみました。

結果が出ましたら再度詳細にご報告致します。

 

【失敗致しました】

素人の様な失敗をしていました。

以前にいかにもヒメオオ材でございという材を叩いていたら出てきたのは『コクワ』でした・・・。

と、書いたことがありましたが、そのコクワ♀いったん餌を食わせたので、そろそろ寝かせるか(冬眠させるか)と用意した際再度見てみたら、形が違う!。

よ~く見たら何と『ヒメオオだでば!』(*津軽弁ヒメオオじゃないか!)。

するって~と、こいつより先に出ていた2令幼虫数匹は憧れのヒメオオF0幼虫だったのか!。          (その幼虫達は一旦キープしてたものの、その後出てきたのがコクワと勘違いしてたので、コクワ幼虫だろうと再度食痕の中に埋め戻していた)。

何てこった!。

再度現場に戻ろうにも、そこはもう既に道路が冬季閉鎖されてて行けない!。

『ムッシュ・塩塩のパ~』でんねん。

何?俺をへこませてそんなに楽しい?って誰に言うの?。

あ~なんか夢で閉鎖された門の前で『開門!開門!』と泣きながら叫ぶ自分の姿を見てしまいそう・・・。

ヒメオオWD材割新成虫♀を握り締めた右手がプルプルと震える。

『長~い冬がやって来るぜ・・・』。

 

【赤枯れマット作成法】

本日来店のお客様から昨日新発売の手作り赤枯れマット2リットル1,500円は『高~い!』と言う声が上がりましたので、作成工程を書いてみます。

それでも『高い』と思ったならば一度自分で作ってみて下さい。

多分嫌気が差してくると思いますよ(結構自信有り、溜息つきながら造ってましたので・・・)。

 

◆作成工程◆

①まず赤枯れ材を探しに山に行く訳です。どこにあるのか判らないようでは話になりません。私の自宅から最も近いポイントまで40分位走ります。山道ですので軽自動車で行って1回で必要な分を確保できたとしてもこの時点でガソリン代が1,000円近く掛かります。

今回私は自分で使う分と販売用を確保しなければならなかったので、でっかい山菜採り用のリュックにぎゅうぎゅう詰めにして4回車と往復しました。

材は水分を含んだ状態ですのでかなり重いです。

赤枯れ材なら何でもいいかと言うと樹種と材の状態にも拘れば、探す時間も掛かります。

②持ち帰った材をまず樹皮を剥ぎ取り、苔や材に食い入った植物の根などを取り除きます。

続いて、赤枯れ材を消しゴム大の大きさに手で粉砕します。手で粉砕出来ない堅い材の部分は後でミキサーで砕けないので破棄か、幼虫の材飼育用にとっておきます。

ですから手で粉砕できる材を持ち帰らないと後で量が足りなくなる訳です。

③種籾用の網袋に1次粉砕した材を入れて日陰で1週間ほど乾燥させます。

採ってきたままの状態ですと水分が多すぎて機械粉砕した場合に粘度が高く、1回で粉砕出来る量が減り、又機械そのものへの負荷が高くなります。

④ある程度水分が抜けたらミキサーで粉砕します。

私はFUKAIの『ジュースミキサー』を使用してます(理由は安いので壊れてもダメージが少ないから)。

1回で粉砕出来る量は片手でふた掴み(約400CC程度)です。これで使える状態の粒子になるかと言うと、さに非ず。使用可能の粒子になっているのは約半分です。

機械粉砕したマットをお好みの粒子になるようにチョイスした目の篩いにかけて使える分と、再度ミキサーにかけるものとに分けていきます。

当然ながらより微粒子にしようと思えば作業回数が増えていく訳だ。

因みに超微粒子にしようとコーヒーミルなど使おうとお考えなら止めた方がいいと断言します。何故かと言うと、まずこれを使用する場合は完全乾燥させないとミルの中で詰まってしまい、エライ目に遭うというのがひとつ、次にこれで処理出来る量は1回で大サジ2~3杯程度だということだ(察しがいい方はお気付きの通り、オラこれ買って大失敗してるだス)。

より粒子を細かくすると出来上がる量が目減りします。

材の状態から比較すると出来上がる量は半分以下になりますな(あんなに採ってきたのに出来上がりこんだけ~?って感じです)。

⑤次は雑虫の駆除処理です。④の作業を延々と繰り返して出来たマットを熱処理か冷凍処理で雑虫を駆除します。④の処理で比較的大きい雑虫は粉砕されていると思われますが、その卵があるかも知れませんので必須です。

⑥ここまで出来たマットをすぐ使うのでなければほぼ完全に乾燥させます(水分を含んだ状態では劣化が進行する為)。

 

これで漸く完成で~す♪。ど~スか?これでも『高い!』って言います?。

えっ高いって? おみそれいたしました・・・どうぞご自分でお造り下さいまし。

何?そんなマットが必要な虫飼わないってか?

そんなこと言わないで飼ってよ買ってよ~ん!。

 

【秋の味覚 自然薯堀り】

クワガタとは関係ありませんが、店主の独り言に書いた『自然薯』を掘ってきました。

午後から店があるので午前10時に家を出て2時間の勝負です。

今日は目標3本は掘り上げたいと思ってましたが、3~4本分途中で太い木の根や大きな石に邪魔されて諦めたものもあり、中々上手くいきません。

最初の1本目が画像上の方で、画像下の2本目は久々の大物でした。

これくらいになると掘り上げる穴は深さ1mを越えるので体がもう入っていかず、この先まだ後10cm以上あったと思うのですが時間が無くなったので諦めて引っ張ったらやはり折れました!。今晩の夕食は大好物の自然薯『とろろ汁』です。

市販の長芋などとは味も風味も、そして何と言っても粘り気が全く違います!。

火に掛けてだし汁を加えながら伸ばしていくのですが、汁の量が少ないと『モチ』の様になり、箸で摘むと全部持ち上がってくるほどです。 

この自然薯の葉はハート型をしているのですが、よく似た雑草が何種類かあります。

夏を過ぎると本物は蔓に『ムカゴ』という豆状の種芋が付いているのですぐ判ります。

地上から10~20センチほど掘ると画像下のようなヒゲ根が見えます。

房総半島の方ではこれを『あわっ首』と呼ぶそうですが、蔓が見えない時にはこれを頼りにします。

青森市近郊では自然薯を食する習慣が無い為か市場でも見掛けませんが、売っている地方では㎏5千円と聞いたことがあります。

今晩は貧乏人の家庭に高級食材が並ぶ訳です ムフフ。

 

【ヒメオオの大物】

今期ヒメオオは採った数は大したことないがサイズでは55ミリを筆頭に54UPを3匹採集することが出来た。

55ミリ、これってひょっとして本年度日本全国で採集されたヒメオオのベスト16(ランキング入り)に入っているかも?・・・と一人悦に入っていたら、先日初めて来店されたお客様があっさりと『今年は最大57ミリを採った』とのこと

『ガビ~ン!』。世の中は甘くなかったし初代双子山親方は正しかった。

『井の中の蛙』になってはいけないということでしょう・・・ね。

同じ県内で57の人がいたんじゃ55程度ではランキング入りなど片腹痛いわ!・・・と思ってた方が良いということになりますか。

だが、これを聞いて当方『ムッシュ・メラメラメラ!』と燃えてきました!。

『早く来年にならんかな』(寿命までまた一歩近付くと言う事でもあるが・・・)。

 

【プーさん注意報】

昨日と今日、マダラ・ルリ・ツヤハダ3種の新成虫を求めて山を徘徊しました。

昨日はルリ新成虫がタコ採れでしたが今日は不作。ツヤハダ、オニ、ルリの幼虫のみ採集という結果でした。

さて、湯ノ台に採集場所を移してうろついていたところ、うっすらと3~5センチほど積もった雪の上に何やら獣の足跡が・・・。

一目でプーさんの足跡と判りましたが、『でっけ~っ!』成獣、それもかなりの大物と見ました。そこは国道103号線から50メートル位しか離れておらず、走る車が見える距離です。

足跡の様子からみて1~2日前の足跡のように思えました。それから更に200メートルほど進んだところ、今度は子プーの足跡が・・・何?熊公達ここでデモでもしてた?。

この足跡は肉球の跡やふんばった際の爪の跡までくっきりと・・・。

『やべ~!これ今しがた通ったばっかりだでば!』。

子供のプーさんなら追いかけ廻すところだが、親が近くにいたら逆に追いかけられる・・・。

追いかけるのは大好きだが追いかけられるのは大嫌いなので速攻退散することにした。

その他今日は赤枯れ材だなと思って斧をパカッと入れたら『オオスズメバチの女王』を割り出したり、先行者が大木のウロを削った跡に何の蜂かは判らないけれど蜂の巣が5~6段あったのを目撃したりと妙な物ばかり見た日だった。

9月の中旬頃だったろうか・・・師匠が店に来て『さっき山にドングリを見に行ったら全然成ってない!やっとあったと思えば凄く小さくて成りが悪い、これは今年熊は大変だぞ』と言っていたのを思い出した。

熊が冬眠する為に油を蓄えるにはドングリをたらふく食べるのが最も効率が良いらしいのだが、そのドングリが無ければ熊の冬眠入りは大分遅れるようだ。

皆さん!熊はまだ寝てません、むしろかなりうろついてるようです。

山に入る方は充分ご注意を・・・。

 

【平成22年度私的青森県全クワガタ採集難易度発表!】

一応本年度で青森県に棲む全種類のクワガタを各々複数回採集出来ましたので、採集の難易度を独断と偏見で決めてみました。

予めお断りしておきますが、これは私的意見です。採集者の経験値や技術、知識、住所そしてそのクワガタに興味の有る無しでもこういったものは変わってくると思います。

採点は5点法で、数字の大きい順に難易度が高いものとします。

レベル5=非常に困難  レベル1=物凄く簡単 ・・・となります。

自分でも今後採集ポイントや技術の向上により今後また数値は変わってくるでしょう。

 

◆レベル5◆

①オオクワの♂。

まめにポイントに通えば年間♂の1~2匹は採集できるでしょうが、これが希少産地の♂となると時間と金がぶっ飛んで行く・・・。今年運良く『原歯型の♂』を採集することが出来たが、これも他産地であっても非常に困難!次はいつのことになるやら・・・。

『幻のオオクワ』は今年かなりの回数通ったが、かすりもしなかった。

 

◆レベル4◆

①マグソクワガタの♀。

このクワガタの♂は沢山居る!死ぬほど居る!青森県最大勢力はてっきり『アカアシ』だと思っていたのだが、あの大集団を見て覆された。

だが・・・♀はかなり数が少ない上に(そう思える)♂に比べて高く、変則的に飛ぶし、第一飛ぶスピードが早い!。

この♀を採集するには使いやすい(振りぬきやすい)ネットがまず必要だ。 次いで視力がある程度必要だし素早く動けることが採集条件になる。

上記を軽くクリアする人はレベル3でもいいかも知れないが私的には4である。

いずれ材割や倒木の下から採集出来るようになればレベルも下がるかもしれないが現在の所は4である。

 

②オオクワの♀。

希少産地は話が別だが〇〇〇の〇〇や×××などの多産地なら街灯廻りを1シーズン中に15回通えば誰でも何の経験も無しに♀1匹はほぼ必ず採れる!。

えっ?2年間通ってまだ1匹も採ってないって?それはそれはお気の毒様(チ~ン!)。

 

◆レベル3◆

①ツヤハダ♂♀。

②ルリクワガタ♂♀。

③マダラクワガタ♂♀。

上記①~③は材割を前提にしているんですが、これを材から出た状態で採集せよとなったらレベル5でしょうね・・・。

この中で一番簡単なのがルリ(材に独特の産卵痕が付くから)で、一番やっかいなのがマダラ(物凄く小さいから見落としがある)だと思います。

これらはポイントと材さえ覚えてしまえば狙って採れる種類ですがあと大事なのは“道具”です。効率よく材割をするには道具と使い方が大事というのは今年師から習った重要事項でありました。

 

◆レベル2◆

①ヒメオオクワガタ♂♀。

②オニクワガタ♂♀。

上記のクワガタはレベル3にしようかと迷ったのですが、敢えて2に落としました。

ヒメオオは5メートルクラスのネットが必要になる場合が多く、そのネットインさせるところまでならレベル3かな?と言う感じですがポイントさえ覚えれば複数匹採れるし、ネットインに失敗しても数日後には同じ個体が同じ木にまた登るので2に落としました。

オニクワガタは材割、灯火採集どちらでも簡単に得られる種ですが、材割りは覚えるまでは3かな?。発生場所近くなら灯火採集(街灯廻り)で簡単に得られるのですが、活動している期間が約2週間ほどと短いのがネックです。

 

◆レベル1◆

①アカアシクワガタ♂♀。

②ミヤマクワガタ♂♀。

③マグソクワガタ♂。

④コクワガタ♂♀。

⑤ノコギリクワガタ♂♀。

⑥スジクワガタ♂♀。

上記の内①②④⑤はシーズンに街灯廻りで簡単に得られるので説明不要・・・と思いきや『大型』となると時期やポイントが大事だし樹液採集の方が大型が得られやすいものもあります。

⑥は灯火に来ないことはないですが少ないので樹液採集かフルーツトラップで簡単に採れます。

③は灯火には来ないと思います(もし来ても小さいので気付かないと思う)。

 

以上ですが来年度の採集の参考になれば・・・と思いまして書いてみました。

尚、青森県に『コルリ』は居ないことになってますが、私は棲息していると思ってます。

今はコルリ探しをしている余裕が無いのでチャレンジ出来ませんがいずれは・・・狙って明らかにしてみたいですね。

 

【困った子ちゃんPart2のその後・・・完結!】

困った子ちゃんPart2については実はその後も追跡調査をしていたのですが、大師匠を通じて某社にて鑑定の結果正体が明らかになりました。

この虫は『スラウェシ産のパリーオオクワ』だそうです。

インドネシアのオオクワでも材産みであれば青森の冬は乗り切れるという証明でもあり、尚一層放虫に関して注意を喚起する必要があるということです。

この虫累代では判りませんが、F1までは現地オオクワと交雑する可能性は大いにあります。

近辺でオオクワを採集した際には充分吟味しなければなりません。♂は形状が明らかに異なる為判別は容易ですが、問題は♀です。今後採集した♀を同定する為に相違点を明らかにしていきたいと思いますが、現時点で手持ちのスマトラ島Jambi産♀と比べてみると肩の角度がパリーの方が鋭く鋭角で、点刻もパリーの方が細かいと言えそうです。

詳しいことは判り次第発表したいと思います。

 

【マダラ自己採集成る!】H22.10.21

前回Y氏の助言を経て急に採れる気がしてきた、と書きましたが本日採集に成功致しました。

成虫×1、幼虫×8でした。

これで青森県で採れるクワは全て自己採集したことになります。

青森県全種類セットの完成にまた一歩近ずいて参りました。

適切なアドバイスを頂いたY氏に感謝申し上げます。

 

【性懲りも無く・・・】

前回採集で浮気の為にお客様のご注文品を採集できなかったので18日気合を入れて行って来ました。朝6時半出発!7時過ぎには現場入りという鼻息『フンカフンカ』物で採集開始!。だが、気温は5度と低すぎ、注文品のアカアシはもう少し気温が上がってからということにし、まずは赤枯れを捜してマダラ狙い!。 だが出てくるのはオニクワ幼虫のみ・・・。

そろそろ頃も良かろうか?とアカアシを捜し始めたが い・な・い・・・。

3箇所ほどの各地ご神木を廻り、酷いB品以外をケースに収めて注文数には少し足りないものの何とか格好が付く程度を採集した。

さて、こっからがお楽しみ! 頭の中はマダラ一色!。

歩く、叩く!又歩く、叩く、場所を移動して更に歩いて叩いての繰り返し、だが極上の赤枯れ材が殆ど無い!。

今後が楽になるようにと青森市内から近い場所を選択したのだが徐々に十和田湖方面に吸い寄せられて行く・・・。

時刻はとっくに午後を廻り、獲物はルリとオニのオンパレード。

そして何故かサモダシ(ナラタケ)がビニール袋にふたつ・・・(キノコ採りに来た訳じゃないんですが目の前にあるもんでついつい・・・)。

途中で、これは?という材もあったんですが何も出ない、と言うかこの時実は入っている材を叩いているのに実は小さすぎて見逃している可能性に気付いた。

それでもマダラ欲しさに山中をうろついているうちに、ついに陽が暮れてきた。

帰ろうとしてきつい斜面を登ろうとしたら既に足に力が無く、逆に下に落ちてしまう。

『タコ採り名人』をピッケル代わりにして這いずって車まで戻ったら、俺才能無いかも知れない・・・という感慨に襲われてきた。

久々にヒメオオの♂を採ったので家に帰る前に計測しておくかと店に寄ったら、八戸の虫友Y氏から郵便物が来ていた。

あ~そういえばツヤハダ幼虫入り材を送ってくれるって言ってたっけと思い出してたら、何とマダラ2匹のおまけ付き!。

早速お礼のTELをしつつ本日自分がどんな悲惨な採集をしてたか、そして成果が無かったかを説明してたら、『赤枯れ材の多いところはですね、褐色腐朽菌とはですね、セルロースがですね樹種はですね・・・だから○○の近くで得やすいものなんですよ』とアドバイスしてくれた。

フムフムなるほど 何か次回で採れるような気がしてきた!。(単純!!)。

有り難きかな虫友!ありがたや、ありがたや ゾロゾロ(水木しげる風)。

マダラの画像をお見せしたかったのですが、オイラのデジカメじゃ黒い豆つぶにしか写らないのでやめました。

 

【マダラ採集と遅刻】H.22.10.16

本日午前中限定の予定で採集に行きました。

狙うは最小のクワガタ『マダラクワガタ』です。先日師匠がペアで採集してくれていたのですが、脱走されてしまい、生きたマダラを拝んだことがない当方我慢が出来なくなった・・・と言う訳であります。

欲しいもうひとつの理由が『青森県に棲息するクワガタ全頭標本セット』を作りたい!でして、マダラは産卵木さえ見つければ1匹や2匹じゃないでしょうが、それを見つけるのに結構手間取りそうな予感がしてたので、先に片付けておきたかった訳です。

(マダラが入る)『赤枯れ材や~い!』と山の中を彷徨いましたが中々無い。

やっと見つけた赤枯れ材を割ったら、かつてマダラだったとおぼしき成虫のバラバラ死体が数体分出てきたけれど、その材は終わっていた・・・。ルリで培った経験で、近くに別の材があるはずだ!と捜したら、ルリ材を見つけてしまい浮気をしてしまった。

いかん!いかん!と捜索を再開したら今度はいかにもヒメオオ材でござい!という材を見つけてしまいヒメの誘惑に陥落・・・で、出てきたのが『コクワ』。

俺は一体何をしにここに来たんだ!と自分を戒めたら『ムッシュ・メラメラメラ!』とやる気の塊と化してしまい気がついたら昼の12時だじゃ~!。

急いで車に戻り帰路を急ぐつもりが、石ヶ戸休憩所付近から行楽の観光客で渋滞!!!。

そこを抜けても皆さん景色を楽しみながらお走りになられているので時速40キロ!。前を走る車の後部座席窓から犬が頭を出しているのを見て頭に血が昇っている当方意味も無く『このバカ犬がァ~!』と叫ぶ。

と、いう訳で本日開店時間に全然間に合わず、遅刻してしまいました・・・。

もし遠方から来られていたお客様がいたならば、深くお詫び致します。

だうもすびばせん!(泣きながらお詫びした言語を表現)。

 

【癒しの採集】H.22.10.13

日々絶え間なく続くブリード作業にストレスが溜まり、発散の為に山へと向かいました。

今回目標。

①お客様注文のアカアシを5~6ペア採る。

②ヒメオオ採集と目を付けてた新規ポイントの開拓。

③マダラクワガタ、ルリクワガタの新規ポイントの開拓。

④ひょっとしてサモダシ(ナラタケ)の採集。

と、このような計画を立てて、いざ出発・・・と思いきやゴミを出すのを忘れて店へ(第一のつまずき)、続いて昨日作成した産卵セットへ虫を投入するのを忘れて再度自宅へ(第二のつまずき)結局午前10時を過ぎて出発!まず、コンビニでパンを買う。

ヒメオオは前夜雨が降ったので生体は付いてないだろう・・・との予測は的中。

ご神木にも姿は見えなかったが、何とその下はサモダシで大盛り!いつの間にかキノコ採りに夢中になってる自分に気付き、方向修正するも④達成!。

次いでかねてヒメオオポイントじゃないかと睨んでいたが前回まで入れなかった新規の場所2箇所を廻ったところビンゴ!生体の姿は無かったが齧り跡がてんこ盛り!②半達成!。

調子に乗って、オオクワからヒメからルリ、マダラと何でも居そうなとある谷に降りる。

そこは・・・(詳細な描写は避けるが)『スッゲッ~!場所!』だった。

夢中になって変な方向ばかり見回しながら歩いてたら斜面から3メートル程転げ落ちた!。

ふと見るとルリの産卵痕の付いた倒木が目の前に・・・。

手を付けようとした所で午後3時半を廻っていながら①をクリアしてないことに気付いた!。

早くアカアシポイントに行かないと日が暮れてしまう。脱兎の如く現場を離脱し、アカシポイントへ急行!。

ここで携帯が通じる場所に出て師から不在着信があったと気付きTELしたら『マダラのペア採っておいてやったぞ』とのこと、ウ~ン実力が違う!。

結局アカアシはタイムオーバーで4♂2♀採集したところで真っ暗!。車に戻ろうとしたら、足元に又サモダシが・・・。

目標達成率は60%程度だがストレス発散にはなった採集でありました。

 

【ラエトゥスミヤマ幼虫採れました】

普通にミヤマのセットを組み、普通に放ったらかしてたら普通に産んでました。

初めてブリードしてみたんですが意外に幼虫の成長早いですね。

形がミヤマで上翅の色がツヤクワみたいで気に入った虫です。

割り出してみて、ある程度数が採れてたら、販売に回したいと思います。

お楽しみに・・・。

 

【お詫びと訂正】H.22.10.3

以前の記事『幻のオオクワ』において誤りがありました。

前記事において、『師匠の採集グループDHAのメンバーの方々が発見した』との記載をしましたが、『DHA』メンバーとは師匠ひとりであり、幻のオオクワを発見したのは師匠とそのクワガタ好きな虫友との指摘を師より賜りました。

お詫びして記事を訂正させていただきます。

 

【ヒメオオクワガタ本年度採集のまとめ】H.22.9.30

どこかに在る『ヒメオオの楽園』を求めて、その他の採集を含めて走りに走った結果2台の車のタイヤは坊主になり、ブレーキパットは焼き付き『福沢諭吉』はまた家出をして行った。

な~んか稼いだ分は全て採集費用に消えて昨年に続き大赤字!。

そんな本年度のヒメオオ採集を振り返ってみた。

ヒメオオに惚れ、自己採集に動きだしたのは恥ずかしながら実は今年からだったのだが、大分『見えてきた』。

他県では居る所には『死ぬほど居る』場所があるようだが、本県では自分が今年調べまくってもピンポイントにしか棲息していない。

しかし、『ヒメの楽園』は県内に必ず在る!。

それは、大分前になってしまうが、かの有名な○良○オさんで扱っていたヒメオオのほぼ全てが青森県産だったということだけで分かる。あそこで扱っている量はハンパじゃない!。

多分ここしかないだろうと予測して行ったところがあるのだが、今年一杯『道路工事中』で入れなかった。

ヒメオオを今年採集したデータを纏めるとこんな感じだった。

①他にも付く樹種はあるようだが、本県の場合は殆ど『柳』である。

②背の高い柳にも付くとのことだが、実際に採集したところせいぜい4~5メートル以内の若い木が殆どだった。よって網の長さは5メートルあれば殆ど採れる。

③暑い気温が苦手のはずだが、日当たりの良い木に多い。

④地面をトコトコ歩いて移動するせいか下草が茫々に生えた所には居ない。

⑤付いている木には丸いリング状の齧り跡が付くのですぐ分かる。又付かない木には隣り合っていても全く付かないが、付く木には複数付く。

⑥付く木には風がかなり強い日でも数は減ってもかなりの確率で付いていた。又雨は小雨程度なら居ないことはなかった。

⑦気温は定かではないが、感覚的には27度位になると木から降りてしまうようだ。下限の温度は何度なのかまだ掴んでないが今朝♂3頭採集した際は時間午前10時で14℃だった。これから気温が上がる時間帯であればもう少し低めでも木に登ると思われる。

⑧ネットイン出来ずに見失っても、2~3日中にはまた同じ個体が同じ木に登るので己を責める必要はない!。

⑨他のクワガタとは余り混棲せず、アカアシならアカアシのみ、ヒメオオならヒメオオのみが付いている場合が殆どだった。

⑩目があまり良くない自分にとって蜂や樹液吸水性の蝶の類はよきナビゲーターだった。蜂が複数飛び回っている時は近くにクワの付いている木があるし、蜂が付いている木には何かしらクワも付いていた。

 

前に書いた『崖柳』で採った55㎜の♂はお世話になった大師匠の元へ『婿入り』して行きました。その後でその個体の話を師匠から聞いたある著名なコレクターの方も欲しがっていたらしい。ヒメオオの公認現野外ギネスは58㎜(申請してないだけで、私が知る限り59㎜の標本が存在する)であり、3㎜も開きがあるので、師匠に『55㎜の個体でそんなに欲しいもんなんですかね?』と聞きましたら、『当たりまえだろ!50~53㎜位はそれなりに採れても55はなかなか採れん!○○屋(前述コレクター)も今まで数千匹も採集していて自己記録が確か54㎜だもの』とのこと。

オオクワに次いで、コクワとヒメオオは青森から野外ギネスを出せる可能性は大いにあるかと思われます。それは、私が採集している場所の内あるポイントで採集した♂9個体の内最大が先の55㎜で次が54.9㎜、50㎜以上が4頭いて平均サイズが48㎜を超えていたからです。

この場所は凄いとは思いますが県内でこの場所が最高のポイントとは思えません(捜せばまだあるだろうと思う)。

現に虫友である八戸市在住のY氏からプレゼントされたヒメオオの標本を今年挨拶に来て下さったKBファームの黒澤社長さんに見せたら『青森のヒメオオは大きいですね!』と言われたのでY氏に今まで最大何ミリ採ったの?と聞いたら54㎜台はやはり何匹か採集していることからも伺い知れると思うのです(Y氏はカミキリ専門であってクワガタはついでに採る程度に近いので本気でこれに絞って採集したらオバケを採集する可能性があるということ)。

青森は田舎ではあるけれどオイラのような野生児にとっては大変魅力的な所です。

余談ですが、当店顧客Cさんの採集したオオクワ『元祖困った子ちゃん』は確認された中で『本州最北端のオオクワです』(師匠に言われるまで気付かなかった)。

ヒメオオは今朝先とは別ポイントで3♂採集してきました。

ヒメオオはまだもう少し楽しめます。(♀は採り過ぎないように注意しましょう♪)。

 

【難易度中級種産卵セット例】

実にお久しぶりの飼育ネタです。

採集時期は自分の血の中にある野性の『狩猟本能』が疼いてしまうのでありますね(母方は代々農民家系ではあるけれど・・・)。

によって肝心のブリード技術があんまり進歩してないんですが、それでもいくつか難易度中級レベルの虫の採卵に成功しましたので事例を紹介いたします。

但しこれが正解だ!・・・と言うわけではありませんのでご注意下さい。

 

◆ミラビリスノコギリクワガタ◆

事前に仕入れた情報では

『19℃~22℃の低温セット』、

『セットは暗所に置く方が良い』、

『産卵木もマットもほぼ無加湿』、

『完全材産み』というものだった。

自分のセットは次の通りにセットを組んでみた。

・ケースは産卵木を数種類入れてみたかったので大ケースを使用。

・管理温度は当初18℃~21℃、後に22℃~24℃に変更。

・使用マットはフジコン『プロバイオ無添加1次発酵マット』とグローバル大阪『DVマット』とKBファーム『フェロールマット』を各1:1:1の混合比率で混ぜ、底面は少量加湿中層から上層にかけて段々無加湿に近い状態にした。詰め方は底5センチ思いっきり堅く詰め、残り15センチは手でやんわりと押さえる程度だった。

・産卵木はVN材L1本、砂埋めレイシ材ハーフカットで木口の堅い所は切断(以上ドルクス・グッズ製)、植菌レイシ材1本(KBファーム製)を半埋めでセットした。

 

以上だが、経過を説明すると、当初管理温度を低くしたところ、材をかじってはいるものの♀の動きも齧る頻度も遅い気がしたので管理温度を上げたところがぜん齧りだしたところを見ると管理温度は22℃~24℃位が適温かと思われた。                                最初はセットを真っ暗な暗所に置いたが齧りだしてから明るい所で管理しても産卵行動が鈍る訳ではなかったので、その後は明るい所でほったらかした。                            加湿の程度は徐々にケース内に入れたゼリーから出る水分で多くなっていったが問題はなかった。VN材と砂埋めレイシ材は表面に水分を塗りつける程度の加湿でセットしていたが後にはある程度水分を含んでしまったが問題はなかった。(多分多湿でなければ大丈夫)。

結果はほぼ40頭程度の初令幼虫を得た。                                     全ての材に産んだが一番産まれていたのは植菌レイシ材で8割方はこの材に産んでいた。       完全材産みと思い込んでいたらマットにも産んでいたのは少し意外でした。

その他の注意点として次のようなことに留意すべきかと思われました。                      ・寿命は短い種類ではないのでじっくり成熟させてから使用すべきだと思いました。              ・ペアリングは♀殺しがあるので私は♂の顎を縛りました(じっくり観察する時間がないもので)。                                                            ・卵は弱い印象。孵化までの期間が割りに長く初期成長も遅いと感じたので割り出しまでにはたっぷり2ヶ月以上かけました。余り卵割り出しはしない方がいい種だと思います。

以上ですが情報量が余り多くなかっただけでそんなに難しい種類ではない印象です。              生き虫屋の私がこういうことを言うのもなんですが『これは暴落する虫だな』・・・と。              上記の私のセットは上級者の方には『どっちに転んでもいいセット』だとすぐばれることでしょうね。『よく判らない虫にはいろんな状況をひとつのセットの中に再現する』のが小心者の私のやり方です。

 

◆エラフスホソアカ(黄紋タイプ)◆                                           これ書くとどっかから文句来たりしないかな?と考えてしまうところが小心者の小心者たる所以です。でも父親が口が軽いので有名で、母親が隠し事が大嫌いな家系の息子はバカだったのでしょうがないんだ~!。                                                  まあふたつくらいだけオブラートにくるんでおいてあとは公開します。                          ケースは大ケースを使用しました。                                         3月~セットして常温管理しましたが、管理温度は当初15度~20度、後に暖かくなるにつれ18度~23度の間で管理しました。                                           底3cm位はほぼ無加水のマットを堅く詰め、その上に湿度を上げたマットを更に3cmほど堅詰めしたら、ここにタラ、レギに使用した植菌レイシ材を再加湿した状態で何本か埋めます。           その上にまた2~3cmほどマットを手で軽く圧をかける程度に詰めたら、砂埋めレイシ材をハーフカットしじょぼじょぼになるくらい加水した後表面の水分だけを吸い取って並べます。              更にこの上にマットを軽くならす程度に詰めたら、マットの劣化防止対策と♀の負担軽減目的で何箇所かに上の段の材近くまでボールペンなどで誘導抗を掘ります。                 あとは転倒防止の樹皮と必殺の『プロゼリー』を入れたら完成です!。                      こんなセットなので使用ケースは高さと幅のあるKBファーム製『Beケース大』が重宝します。その他のポイントです。                                                  ・WDの場合入手時期はシーズン初めの1~2月のほうが良いに決まってますが、青森の場合はその時期寒すぎてリスクが高すぎるので到着まで2日掛かる場合は避けた方が無難だと思います。2月後半からは狙えますが週間天気予報とのにらめっこになります。                 こんな理由で3月初旬から中旬がコンディションも上々なので狙い目になります。                 ・WDの購入は♀単品のみの入手は避けた方が無難だと思います。産んだとしても数は望めない場合が多いです。ペアで購入して再交尾させてからセットに投入した方が成績は格段に上がります。♀単品を検討する場合はこの際の♂が元気だったら入手してもよいかと思います。       ・飼育品の場合は羽化日と餌喰いと動きの3点から判断して充分に成熟し、活性期に入ってからペアリング→セットとなります。低温管理に注意すれば意外に長生きで、現に3月~にいくつかセットした中で充分産卵済みの♀が9月末現在1♀が存命中です。                        ・黄紋タイプの♀はいまや常識ですが腹も真っ黒な♀です。よく『黒♀』として表記されてますが注意して買わないと(ノーマルタイプ?)の♀を引いたら、全く産まないか違うタイプのエラフスが出てしまいます。                                                      ・この♀はメタリフェルなどとは違い、いったん潜ったら産みきって死ぬまで出てこないタイプではなく、何度もマット表面に出てきて餌をたらふく食べてはまた潜っていきますので餌切れには注意して下さい。おそらく一度に産める数が少なく栄養補給しながら長期にだらだらと産んでいくタイプなんでしょう。                                                  ・低温管理しているせいで卵の孵化には時間が掛かります。うちの環境ではケース底面に幼虫が見えてくるまで2ヶ月近くかかりました。                                     ・産卵形態は材産みというか、材の中に坑道を掘って齧りかすを固めてその中に産むか、材の廻りを齧って固まりを作りその中に産むのが一般的です。                          しかし、今回ある仮説を基に数種類のマットをブレンドして使用したところマットにも産卵を確認しました。(ここが今回のオブラートのひとつですね)。                               次回は今回使用マットに更に一工夫してマットのみでどれだけ産めるか実験してみたいと思います。

今回の産卵実績です。                                                    数セット組みましたが、1♀当たり最低が16幼虫、最高が幼虫70頭以上でした。(これも暴落の虫だな・・・)。                                                  トップブリーダーの方は既に上記のような内容は通り越していて、完璧なセットにたどり着いておられるでしょうが、まあ毎度苦労している方の参考になれば幸いです。

 

◆ストリアータツヤクワガタ◆                                              店に在庫してたら売れない内に『スイカ模様』の微毛が薄れてよれ始めたので観念して産卵セットへ・・・。時々セットを覗くといつも一緒に入れてる♂とマット上で餌ばかり食べてて潜った穴はあるものの『駄目かも?』と思ってました。                                    その内夫婦揃って他界し、放置している内にコバエがわんさかと沸き始めたので先日まだ割り出す時期じゃないんだけど・・・と思いつつ半ば失敗と決め付けて空けてみたら・・・。           33頭(内1頭潰しちゃった)初令~2令で出てきました。既にB品になってた♀でしたが『あいつちゃんと仕事してたんだ・・・』。                                            うちの自店ブリードに関しては『B品♀は頑張る』という神話は生きていた!。

さて、セットです。                                                       ケースはコバシャ中を使用。                                                マットは月夜野さんの完熟マットと同社の黒土マットにジップロックに入れて保存しておいた1年物の他幼虫使用済みマットを各2:1:1位で混合して使用。                          加水したマットを底8~10cmほど堅く詰め、その後はケースの8分目まで少し入れては『トントントンを繰り返して』詰めた。                                               管理温度は24℃~27℃の間だったと思う。

ポイント。                                                           ・WDの場合当然ながら第一関門は良い個体の入手でしょう。うちではB品頑張るですが、とりあえず微毛が抜けてない完品というところが目安のひとつですね。                              ・ツヤをやる上で大事だと思っているのが『マット造り』だと思います。使用済みマットの確保は勿論ですが、セット後にコバエ、線虫、トビムシ等の雑虫が湧かないようにしっかりと下処理したマットを用意することだと思います。今回もここの手を抜いたせいで初令が8割ほどだったので今後幼虫管理が大変そうです。                                                ・この手の種は卵~初令幼虫が弱いので、このステージでの割り出しは避けた方が無難です。沢山採ったはずなのにいつの間にか全滅寸前!・・・てのは何回も経験してます。              ところがこの幼虫はケースの底や横面からは殆ど幼虫の姿が見えないのでやっかいです。       卵を産んだのか?孵化したのか?幼虫は加令したのかが目で確認しずらいのです。                 大抵の場合この種は堅詰めしたところと柔らかく詰めたところの境に産卵することが多いので(加令するに従い底近くに潜っていく)セットの一部を掘ってみて確認すること以外は期間で判断することになるでしょう。                                                 うちの環境ではセット後3~4ヶ月経ってから割り出すと丁度2令幼虫が多く揃う感じです。            ・割り出し時に真新しいマットに入れるとかなりの確率で死亡しますので、産卵セットのマットを移しかえるか使用済みマットを充分な量混合することが大事です。2令になればだいぶ体力もついてくるのですが、やはりその後も餌交換に気を使う種ではあります。

 

◆ゴホンツノ・ビルマニクス◆

両者共に多少の違いはあれ、基本的には一緒ということで纏めて書きます。                   大分前の書籍で『竹マット混入』じゃないと産まない!・・・という記載がありましたが、現在は一般のカブトマットで充分に採卵できるというのが常識ではあります。                    しかし、『竹』という部分にこの虫の累代飼育をしていく上で重要なポイントが隠されているように個人的に感じます。(それは後述するとして)。                                

セット例です。                                                         使用ケースはコバシャの大。                                               マットは月夜野さんの完熟マットと同社の黒土マットに他カブト幼虫の使用済みマットを2:1:1程度で混合して使用した。                                                詰め方は底10cm程度堅く詰め、後は7分目まで手でやんわりと押さえる程度。                  ペアリング後どちらも♂がいたずらしなさそうだったので♂♀産卵セットに同居でセットした。(双方カブトとしてはあまり交尾意欲が強くないように思えたのもその理由のひとつだったが、これが後の失敗の理由のひとつの原因になった)。                                  セットしたのが9月後半からだったと思うがまず♂を同居させた為おしっこでいつの間にか水分過多になっていた。加えて先の他カブト幼虫の使用済みマットが見た目綺麗そうだったので雑虫駆除処理せずに使用してしまった。                                         管理温度が他の虫の都合もあり22℃内外で推移している所で管理していたのだが、先の水分過多のせいでまず底面のマットが劣化してきた。更にコバエと線虫が徐々に繁殖!。             掃除機で懸命に駆除するも増殖は止まらず、産んでいるんだかいないんだか幼虫の姿が見え難いというこの種の特徴もあり、『限界!』と覚悟を決めて割り出してみた。               セット期間が正味2ヶ月半くらいだったが、低温気味に管理していたせいで卵が多かった。           結果はゴホンツノが20幼虫20卵くらい、ビルマニクスが30幼虫18卵ほど得た。                ここで第二の失敗をした。                                                    割り出した初令幼虫と卵を全て各々プリンカップに入れて、産卵セットのマットが先の理由で使えなかったので真新しい『きのこマット』に入れてしまったのである。                         結果、卵割り出ししたものは全て孵化せず、ゴホンツノ幼虫の生き残り5~6匹ビルマニクス幼虫の生き残り20匹弱に減ってしまったのである。                                    他の要因も有ったかもしれないが、ほぼ同時期にブリードしていた虫友の所でも採卵した卵の孵化率は極端に悪かったことから次の仮説を立てた。                              両種共に卵と初令幼虫は弱く環境変化等にも弱いと・・・。                           よって①卵割り出し等はせず、じっくり2令になるまで割り出さない方が安全。②初令時は餌替えは控えて止むを得ない場合は穏やかな餌を選択する。                            つまり、竹林に棲息する彼らにとっていきなり初令時に『きのこマット』は刺激が強すぎたと思うのです(竹の腐葉土が栄養満点!・・・とは思えないのでこう書きますが違ってたらごめんなさい!)。

これらの種を累代飼育する上で大事なポイントになると思えるのは次のことです。               上記の採卵→孵化→2令幼虫までクリアしたら餌替えは全交換ではなくクワガタのように少し前回の餌カスを混ぜること、成長に従いマットの上に出て来て『大脱走』を試みるようになるのでマットと蓋の間隔及び空気穴の大きさに注意のこと。                              次なる点がこれらの種の最難関でしょうが、羽化ずれもありますがやっかいなのが『休眠ずれ』であります。先の虫友のところでは♀が最長11ヶ月休眠していた事実があります。暖めても温度を下げてもビクともしなかったそうですからこの対策としては①十数頭規模である程度数多く飼育する。②まず羽化ずれを回避することから何頭かは多頭飼育する。③時期をずらして2ペアから採卵する。 と・・・こんなところかな~?。                                     

他のポイントとしては入手時期と方法(時間)が考えられます。入手できる期間が短いのでよく情報収集することや初期の状態のよいものを手に入れること、そして輸送による環境変化にあまり強くない印象がありますので出来れば死着保障がないのであれば翌日到着可能なところから入手した方が状態のよい個体を得やすいと思います。

 

【2010年オオクワ灯火採集終了】2010.9.20

オオクワを始めとする灯火採集はほぼ終了しました。

まだ続くヒメオオの採集と今後迎えるツヤハダ、ルリ、マダラクワガタの倒木からの材割り採集がありますがマニア以外の方は今年度は終了ですね。                              皆さんお疲れさまでした。

集まった情報を整理すると本年度のオオクワ灯火採集数は約50頭ほどと思われます。

今年成果をだせなかった方は来年度頑張って下さい。

苦労して採った時ほどその感動は格別ですよ!

コンスタントに何頭も得られるようになると感動は逆に薄れます。

人は何かを得る都度に何かを失う・・・と言う格言は真理だと思いますね。

このページも『採集』に片寄り過ぎてたので『飼育』にも注力致します。

 

【幻のオオクワ画像・未だ破られぬ野外ギネスオオクワ画像】

◆幻のオオクワ◆

下の画像の個体が○○産の幻のオオクワ標本です。

皆さんに見せたかったんですが今期自分で採集できなかったので師匠におねだりして借りてきました。

この産地のオオクワは師匠ことDHA(*健康食品ではありませんドルクス・ハンター・青森です)及びその虫友の方々が発見採集した個体群です。

元々個体数が非常に少なく、生体での累代は途絶えてしまい、標本ですら所有する人は全国でごく僅かという貴重なものです。

画像と現物を見た時の受ける印象はえてして違うものですが、この個体もそうでしょう。

今現在人気が有り、主流化しているのは『極太』の個体ですが、この個体はその真逆を行っています。

華奢、スマート、エレガントが青森産を代表する十和田湖系の特徴のひとつでありますが、それらと比べても更にそこを強調したような・・・と言うか、十和田湖系とも明らかに『顔が違う!』。 全体に受ける印象が華奢でありながら『俺だ!』と言う主張があるように私には思えます。          この不思議な魅力に取り憑かれた私は是非自分の手で採集して復活させたい!と思ったのですが、初年度は見事に敗北致しました・・・。                                         その貴重な姿をまずはとくとご覧下さい。

↑幻のオオクワ

 

次なる個体が未だ破られぬ野外ギネス(非認定ですが、そのいきさつは割愛ながら紛れも無い正真正銘)77㎜UPのオオクワガタ 十和田市産です。                             青森の原生林が育んだ『至宝』であり『王者』です。羽化したてであれば78㎜UPか?という代物であります。

この虫と採集した師匠に敬意を払うのは勿論ですが、我々後進はむしろこの『化け物』を産んだ自然が青森県に残されていることに対して喜びと誇りを持って良いのではないでしょうか?。

だが、この化け物を育んだ産卵木が今尚、観光客の安全確保の為に毎年大量に伐採されている事実を見るにつけ何か良い手立ては無いものか?・・・と考えさせられます。

さて、このオオクワですが、ペットネームは『鬼神』です。

名の由来は師が採集後懇意にしている○○商店のオバチャンに見せたところその迫力に『鬼のようだ』と言ったことからの命名だったそうです。

70㎜UPの大型個体を数多く採集してきた師匠でさえ、この鬼神を採集した際はその後暫く動悸や眩暈で具合が悪くなったというほどの代物です。

今は師匠の『男の玉手箱』の中で静かに眠るこの化け物を上回るモンスターは果たして今後現れるのか?それは先の問題を解決した上で100~200年後のことなのかも知れない・・・。

幻のオオクワと鬼神が静かに眠る師匠の『男の玉手箱』全景。

ヨダレと溜息が出るほどの青森県レア産地と化け物個体がぎっしりと・・・

ハァ~。これだけのコレクションは20年くらいかけて追い求めても無理かもしれない。

その中にあって『鬼神』(下段右から3頭目)は強烈な『キング』の存在感を示している。

 

標本画像提供『H師匠』

 

【ナラ枯れの恐怖】

師匠から『ナラ枯れ』なる言葉を聞いた。                                         ある甲虫が媒介するウイルスによりナラ類の樹木が枯死してしまうらしい。

(興味のある方は“ナラ枯れ”で検索してみて下さい)。

大師匠からの情報によると今期福島?のポイントで大型オオクワの♂がかつて無いほど採れたそうな。本来餌場を守っていて、飛ぶ必要のない奴らが、『ナラ枯れ』により餌が出なくなった為に新たな餌場を求めて飛ばざる得なくなった所でライトに捕まってしまったんでしょうね。

大師匠は『こんなオオクワは価値が無い』とおっしゃってたらしい。

ナラ枯れによりオオクワが絶滅するということは無いんでしょうが大師匠曰くその後♂が小型化する可能性があるとのこと。

この『ナラ枯れ』ですが実は既に山形、福島県までは大被害に遭っていて、秋田まで侵入しているらしい・・・。

となると来年辺りから青森も要注意ということになるでしょう。

見つけた方は然るべき連絡機関があるはずなので是非ご一報を・・・。

 

【熊さんに出会った♪】

ヒメオオの生態観察及びヒメの集まる樹液を出す木が現場にどれだけあるのかの調査等で、ある場所に2~3日置きに通っている、そんなある日の出来事でした。

いつものように調査を終え、山道を下っていると、いつが捕り時だろうかと見ていた栃の実が前日の強風で落ちており、その側にはよくみるとマタタビの実もなっていた。

師が腰痛持ちで、最近マタタビとコクワの実に興味を示されていたのでお土産にしようとせっせと収穫していたら・・・斜面の上の方で『ガサッ!』という大きな音がする。

見上げるとそこには『黒いプーさん』がいて、こちらを見ている。

暫く見つめ合うこと数秒・・・。

『あ~らプーさんお元気?』なんて余裕も親しみもない!。

すると向こうの方から斜面の上に小走りに歩きだしたので、こちらもトドメの威嚇を無意識に一発と・・・何故か出た叫びは『アチョ~ッ!!』(ブルース・リーのアレ)でした。

向かってきたら俺の『ギャラクティカマグナムが火を吹くぜ!』(リングに賭けろ!参照)なんてのは無理な話で、蚊に刺された程度にしか感じないでしょう。

『奴は鼻が弱点だから鼻にパンチを叩き込めばいい』なんてことを言ったバカな友人がいましたが、当てれないし効かないし怒らせるだけでしょ。

俺がお前を動物園に連れてって『餌を連れて来ました』って言ってやるからやってみろって~の。

最善の防御法は奴を刺激せず見つめ合ったまま後方にゆっくりと逃げる、が正解のようです。出会いがしらが一番危ないので、やはり熊除けの鈴をホームセンターで買っておくべきか。

皆さんも山に入る時はご注意を・・・。

 

【オオクワガタ青森市ラベル採集成功!】

某日、かねてより棲息可能性有りと睨んでいた青森市内某所にて、ライトトラップにより1♀の採集に成功しました

先に掲載した『元祖困った子ちゃん』の採集場所にほど近く、『青森県第4の型』としてこれまでの県内産の常識を覆す『極太』タイプの出現に現実味が出てきました。

師匠に鑑定してもらった所、新しい虫ではあるが樹洞に入った形跡があるし、体に対して僅かに体重が軽いので産卵行動中にライトに引っかかった可能性があるとのことで、栄養補給の上一旦産卵セットを組んでみることにします。

これで青森市内の山手側はこれまで発見採集されている西部と東部の間の中間地点にも生息が確認されたことになり、棲息帯は『線』で繋がれたことになります。

私のライフワークとしてのオオクワ分布図と型の境界線の解明にも一歩前進出来ました。

境界線には、ここで分断されているのではないかと考えている箇所があるのですが、今回の子が取れればその資料になると思っています。

商売抜きで今期私が追い求めている『幻のオオクワ』にはたどり着いてませんが、まだ今期あと1~2回はそちらを攻めるチャンスもあると思いますので、疲労は溜まってますけどもう少し頑張ってみます。

今回の採集場所の詳細は明かせませんが、その理由のひとつに県内で一番『熊』の棲息密度が高いと言われているポイントへ夜ひとり平気で分け入っていく私でさえ毎回『行きたくないな~』と思っているほどの路面が荒れ、落石と滑落の危険性が高い場所だからです。

私の記事に触発されて危険な場所に踏み込み事故に遭遇されることを私は望まない。

今は正直なところまたその場所に行って次の1匹を・・・とは考えてません。

むしろ1匹採ったので『これで暫くはあそこに行かなくて済むな・・・』と安堵感に浸っているくらいです。

携帯も繋がらないので毎回充分な危険回避の装備をし、慎重にそろそろと行く・・・と言う感じであります。そして、そこに行くときは必ずひとりで行く!と決めてました。それは事故に他人を巻き込みたくないという考えからです。

そこに誰か連れて行く可能性があるのは師匠だけです。

師匠から『そこを案内せよ』との命を受けた時のみです。それは、今回採集のヒント、アドバイスを多大に受けた恩からであり、私よりも師匠が少し長く人生を楽しんだ人だからです。

師匠を乗せて谷から滑落する時は『地獄までお供いたしまっす!』と詫びながら、ふたり谷底へ消えていくのでしょう・・・。

            

【カブトムシの異変を解く】H22.9.9

師から『飛ぶ日』と『飛ばない日』のレクチャーを受けていた。

昨夜店を閉める時点で師の言う『飛ばない』条件を充分に満たしていた。

わざわざ何も居ないのを確認する為に油を炊いて遠路を出かける変な奴・・・と思わば思え。

出発時に気温が何度有り、風向きを見ることで現地の気温を予測することと、更にそれをデータではなく『肌で感じる』まで身に叩き込むことで、今後の無駄な出費と時間を省く為に行くのだ。

出発時気温車載温度計22度、道路のデジタル気温計は19.5度を示して開きがある。

地表近くの気温はアスファルトが日中の日差しで暖められている為高く、この場合は道路の気温計が正しいとみる。

出発時間が午後7時15分。山頂に差し掛かると気温は14度、ほぼ絶望の気温である。

14度でも短距離限定ながら飛ぶことがあるのはオオクワだけだが、ある理由で今晩はオオクワすら飛ばないはずだ。もしも居たとしたらそれは前日に飛んでジグッていた(隠れていた)奴であり今夜飛んだものではないはずだ。

午後7時50分第一ポイントに着く。この時点で現場は14度。半袖の薄手Tシャツ1枚でポイントを師匠の物真似をしながら(*少し体を左右に揺らしながら目をギョロギョロさせてゆっくりと歩く)進む。私は暑さにも寒さにも強いという変な体をしているがそれは決して○ブだからではない!。

やはり・・・な~んにも居ない!と車に戻り始めたその時だ、電灯のそばを大型甲虫が飛んでいた。

『エッ?まさか?』・・・それは電柱に絡み付いている蔦の上にとまった。

ライトを向けてみると、そいつは蔦を離れてライトに向かってきたので手掴みで捕獲する。

なんと『カブトムシ』である。

それもまあ大型の♂で、更にまたまたピカピカの羽化したて新成虫である。

オオクワですら飛べないときに何でお前が飛ぶの?。

ここで、前回記事に今カブトムシの新成虫大型♂が羽化してきたのかが判らないと書いたが、おぼろげながら浮かんできた仮説があるので記してみる。

私が思うにこいつらは例年なら羽化のタイミングを逃し人知れず死んでいたはずの個体達なのではないか?(カブトムシも条件次第で2年1化するなら話は別だが・・・)。

何らかの理由で8月中旬に蛹化し、9月に入って羽化した、つまり食べ物を奪い合うライバル達は既に1ヶ月以上前に羽化してしまっているので、充分に食欲を満たし高温の連続で積算温度も達成し羽化したので大型なのである・・・と。

こいつらは可哀想なやつらだ。 せっかく死を逃れて羽化したのに樹液はこれからは出にくくなるだろうし連れ合いになる♀は既にほとんど居ない!。

昨晩こいつはこう言いながら飛んでたに違いない『寒いよ~!お腹空いたよ~!僕のハニーちゃんはどこ~?』。

 

クワガタについては師匠と大師匠の間でこういう言葉が交わされたらしい。

『今年は前代未聞の第3次発生に遭遇しているのかも』と・・・。

青森で80年振り、全国的には100年振りという猛暑が一生に一度の珍現象をもたらしているのかも知れない。

                                                                                         

【猛暑の異変と来年度予測】H22.9.7

記録的な猛暑に見舞われ、温度管理できない愛好者のお宅ではさぞや悲惨な目に・・・と思っていたら案の定『飼育していたヘラクレスが全滅した!』等の声があちこちから・・・。

心中お察しいたします・・・。

しか~し男たるもの(女もね)そこから再度這い上がるのであります!。

長期予報では9月も高めで推移するようだしまだまだ予断は禁物ですね。

クワガタにも配慮は必要ですが、雨の降り方も異常ですのでまずは防災準備をしっかりしましょう。(クワガタは家と一緒に流されていきましたなどどいうことがないように)。

例年当地の山では夜の気温が18度前後で、霧の出た東風(ヤマセ)の日は14度も珍しくないはずが、昨夜は某ポイントで24~25度ありました。

ここ最近はそのせいだと思われますが、異変が起きています。

ノコギリ、アカアシ、ミヤマのピカピカ新成虫が再び採れ始めたのです。

オオクワ、コクワは例年まだ活動しているものだし、何の不思議もないのですが、これらは明らかに高温が続いているために『来年まで休眠する予定の個体』が起きてしまったと考えられます。

とすると、次に考えられるのは来年度の1次発生の個体数が減るのではないか?ということです。 これは充分に考えられると思います。

昨夜は何とライトに今期まず見掛けなかった大型カブトの♂の新成虫が飛来しました。

青森で?この時期に???

『お前は今までどこで何してたんじゃ?』と声を掛けてしまいました。

これは・・・説明つきません。

秋野菜も高騰するだろうな~。クワガタ貧乏を地でいく貧困活き虫屋の家庭では『家庭菜園』の存在は実に大きいものであります。

                                       

【クワガタが採れる日】

師匠から『○月×日は山に行け!』との天の声が・・・。

訳を聞くとその日はこれまでの採集データから必ずと言っていいほどオオクワの♂が、それもかなりの確率で大型♂が採れる特異日であるとの由。

『幻のオオクワ採集』に躍起となっている最中であるがその場所は前日に行き(撃沈!)、当日は師匠指定の場所に照準を合わせた。

荒天にならない気象上の『特異日』があるのは知っていたが(体育の日なんか多分そうだろうと推測)それが『クワガタの日』があるのは知らなかった。

さて、かねて入りたかったがお盆中はクワガタ銀座と化して入れなかったポイントに着。

ライトトラップの準備を開始・・・と・・・思いきや風が強い!。

大型は飛べそうにないが小型なら・・・というギリギリの線だった。

とりあえずライトを炊いてみて駄目なら街灯廻りに変更と作戦を立て、ライトオン!。

な~んにも来ません!。

時折アカアシの♀と小型♂が飛来するくらい。

やはり、これ以上大きい物は飛べないんだな、と判断して午後8時40分頃に後片付けして街灯廻りに切り替えた。

廻るコースと順番を推理して走り出す・・・と、風裏になっているのか無風状態になっている。

が、これは陰になっているだけで上空はやはり強い風が吹いているはず、と若干の修正を加えながらポインントを廻るとぽつぽつクワガタが落ちている!。

しかも、ここ暫く姿をあまり見掛けなかったコクワの姿も・・・。

コクワとオオクワの習性はほぼ同じ、いける!と感じたその時建物の壁にヒメオオかオオクワの♂と思しき姿を発見!。

ライトの明かりを感じたクワが上に移動し始めた!やばい!飛ぶかも知れない!。

離れた所に停めた車に積んである8メートル竿を取りに、高校生以来という猛ダッシュで走る(その後遺症で翌日右膝が腫れた)。

窪んでいた所に掴まっていたので、網を付けたままでは採れないと瞬時に判断、走りながら網を外し、先端をむきだしにした竿でクワを追い出し、落とす。

手に取ってみたら原歯型の小型オオクワ♂だった。

期待の大型ではなかったが、これはこれで師匠から生半可な中型よりも採集が難しいと言われているWDの型なので、喜びがこみ上げて来る。

続いて近くのポイントに行くと明かりの前にあっさりと小型♀が落ちていた。

ここも、風は弱いものの、上空ではまだそれなりに吹いており大型は飛べないのだろうと想像できた。もう少し早く街灯廻りに切り替えていたら、もう1匹くらい追加できたかも知れないが、満足である。

やはり、師の言葉は正しかった。

報告するのが楽しみである。

『んだべ~、居だべや~!』と言う師匠の声が聞こえてきそうだ。

ただ、この日は他の地域でも当てはまるのか?それはまだ自分には判らない。

今後の研究課題でしょうね。

 

【名ポイントが荒らされた】

先日のことだ、師匠からルッキング指導を受けた名ポイントに午後4時~ルッキング採集、6時半くらいからライトトラップの予定で入ってみた。

前にも書いたがここは師匠方が大事にしていたところで非常に貴重な場所なのだ。

それが師匠が6年振りに訪れたところ残していた産卵木が全て割られてなくなっていたことは前に書いた。

今回自分が入ったところ、クワガタが付いている木の下の下草や雑木がなぎ倒され、切られていたのだ。

この場所に来る人は渓流釣りと山菜採りと林業関係者の他に養蜂家の人が訪れる他はクワガタ採りしか来ない場所だ。

ところが前述の行為は明らかにクワガタ採りの仕業だ。

それも捕虫網を持たず『ビーティング』と言う木に振動を与えてクワガタを落として捕獲する手法の為の行為である。

その現場は犯人の性格がありありと出ていた。

クワガタを落とす為の場所はきれいに草まで片付け、あるいは踏みつけていながら切り倒した雑木は無造作にその辺に転がしている。

自分の目的の為には充分な準備もするがその他は一切知らん顔の非常に自分勝手な性格の人物像が透けて見える。

クワガタは自然破壊してでも欲しいが、網を買う気はないというわけだ。

以上を師匠に報告したら、『下草を踏むくらいならすぐ再生もするし、まあいいだろうが、雑木と言えど木を切る行為は許せない、それは雑木も含めた環境がそこに棲む生物を育んでいるからだ』とのこと。雑木を切ることにより、沢山クワガタが付いていた木に寄り付かなくなったということもある訳だ。

このような人間は一度痛い目に遭わせないと反省するまい、天罰を与える方法を考えているところだ。

しかし、ここで自分も少し考えた。

自分は良い場所は人にすぐ教えたくなる性格なのだが、店にはいろんな性格や考えの人が来る訳で、やはり自分もポイントはみだりに教えるべきではないと改めて気付いた次第。

全くの採集初心者の方に初心者向けの安全かつある程度楽しめる場所の情報提供をしても、上記のような場所は素性の悪い人には教えられないし、人物像が判らない場合も同様だなと思った。まず、自分自身の気を引き締めねばならん。

犯人に告ぐ!クワガタ採り全般に悪影響を与える行為は謹め!それはいずれ何らかの形で自分自身にも天罰の形で帰ってくるはずだ。

これは考えたくないが、やった人がもしも・・・もしも私の周りにいる人間であったならば勇気を持って告白して欲しい。真摯に反省しているのなら叱りはするだろうが、1度は許すし、関係は崩れない。(但し2度目はない!!がね)。

そういう人なら困った時は助けてあげられるし、そうしてあげたいと思うのです。

 

【夏の終わりにヒメオオ現る】H.22.8.27

やっとしのぎ易い気温になってきました。今期異常に盛り上がった十和田湖採集もひとくぎり、あの喧騒も楽しい採集も、もう終わりかとお思いでしょう。

しか~し楽しい採集はまだまだ続きます。

気温が下がり、やっと秋の虫の登場です。

秋の虫と言えば皆さん鈴虫などを思い浮かべることでしょうがクワガタ屋の秋の虫と言えばそれは『ヒメオオ』です。足の長い可憐な姿がなんともいえないかわいいクワですね。

今朝早起きして2ペア採集できました。

だんだん上向いてきているようです。

それも終わったら又ルリ、ツヤハダ、マダラの採集です♪。(マダラ採れるかな?)。オオクワもまだいけますね。

因みに私の店に集まった今期のオオクワ採集数を集計してみると8名、11匹です(1匹を除いて全て十和田市)。

そのうちの2名は今期採集に初挑戦の方です(おめでとうございます)。

最大は大師匠が採集した♂73㎜(さすが大師匠!)

次点が『元祖困った子ちゃん』の72.4㎜です(これまたでかい!)。

オラは恥ずかしながら『0』だす。

今期オラは『ボウズ』でも構わん!仕事としてのヒメオオ採りにうつつを抜かしながら、残る全ての余力を師匠方が発見した『幻のオオクワ』復活に賭けます!。

 

【今期の異常性の推理】

今期の採集は山場を越え、終盤戦に突入しました。

ここらで今年異常が見られる採集状況を私見ながら一旦整理し、推理してみようと考えました。

 

『カブトムシの異常』

①数が少ない(特に♂の数が少なく、10匹採って♂は1~2匹)。

②♂、♀共に個体が小さい。

・以上の状況は昨年に起因すると思われる。

昨年春は雨が降らない時はずっと降らず、青森の天然カブトムシが蛹化する7月下初旬から中旬にかけて毎日のように降り続けた。その結果カブトムシは蛹室の中で溺死、又は羽化不全で多数の個体、殊に頭角がある♂の死亡率が高かったと見る。

昨年度は故に♂の採集が殆どできず、天然♂は5匹も採集できず、少ないながら採集できたのは殆ど♀だった。

♂の数が極端に少ないのだから、交尾する機会も少なかったので♀が産卵行動に移ったのも大分遅れたと思われる。事実昨年はいつもなら姿を見掛けなくなっている9月下旬~10月上旬まで♀がよれよれになりながらも産卵しているのを目撃している。

更に昨年は気温が低めで推移したと記憶している。

よって昨年孵化した幼虫は成長期間が短かった為充分成長出来ず小型化したと思われる。

今年♂の数が昨年ほどではないが少ないのはこれだという理由が見当たらないが、以前耳にしたことがある、種が存亡の危機に面した時は♀の比率が高まるという説が当てはまっているのかも知れない。

 

『ミヤマの異常』。

①大型の飛来は発生初期だけでその後数も少なく推移した。

②中盤からは殆ど飛来するのが♀だった。

・昨年の発生数はカブトと同じく土中にいるためカブトほどではないがやはり溺死、羽化不全により特に大型個体の死亡率は平年よりは高かったと見る。

・今年は春から高温で推移し、雨も適度に降ったので植物の生育が順調だった。よって樹液の量が潤沢であった為、餌場が豊富で♂は飛ぶ必要がなかった。

・つまり大型♂等が飛んだのは1次発生と2次発生の餌場が決まってない時期のみだったと考える。(時々より良い餌場を若く大きく強い♂に奪われて仕方なく飛んだというのもあろうが)。

・以上は前記ルッツキング採集実技指導に書いたがアカアシの大型♂が餌場にわんさか居たということで証明されたと思う。

・同じ土中に棲むノコギリは何故か飛び方も飛来数も例年とさほど変わらなかったような気がする(これは全く判らない)。

 

『時間帯の異常』。

①通常の飛来の仕方である日没から9時前後までに1次飛来があり、青森独特と言われている11時前後からまた虫が騒いで飛び始める2次飛来があるパターンはシーズン最初だけだった。月齢その他の気象条件がよくても全く飛ばなかったり、夜遅くに飛び始めるパターンが多かった。更に飛びがいい日は2日続く時が殆どなく、良い日の翌日は全く駄目ということが多かった。

・状況が複雑で説明と言うより推理も難しいのだが気温と湿度が関係したような気がする。

日中30度を越えても夜は20℃~22℃まで下がるということがよく有ったが活性が上がらない原因にはなると思う。逆に8月に入り日中気温36℃、夜10時で28℃なんて日も2~3日続いたりしたが、こんな日は夜中からある程度飛んだように思う。

ここまで書いた要素が複雑に重なり妙な飛び方になったのだろうか?と思案しているところだがここでH師匠の『クワが飛ぶかどうかは月齢がどうのこうのとかではなく肌で感じろ!!』という言葉が脳裏に蘇るのである。

事実師匠が『今日の空気は肌触りが良い』と言った日はほぼ間違いなく飛んでいるから恐れ入る。

師匠に提案!会員制『クワガタ飛来予報』有料1回300円!なんて新しい商売師匠ならできるんじゃないスかね?(笑)、『え~本日は十和田湖方面オオクワガタが怪しいでしょう・・・』とかって。ちゃんちゃん!。

 

【H師匠のルッキング採集実技指導】

前日に続き師匠から実技指導を受けた。

今回は午前7時半出発なのだが、急遽日昆会長も参戦、受講することになった。

師匠は『教えを請う人が遅れてくるなど言語道断』の人なので可哀想だが会長は置き去りだなと思っていたらちゃんと来たのには少し驚いた『やればできるじゃん』。

さて、木の見立てや『透かして見る』、クワガタの姿を捜すのではなく変な形状の枝?を捜す、等を習っていく。

この場所はアカアシが多い、それも大型ばかりだ。

採ったアカアシ♂の6割が40mmを超えている!。

ここで、『店主のひとりごと』に書いた今年の異常性の仮説のひとつが崩れた。

アカアシに関しては大型♂は確かに居た!飛ぶ必要がなかったのだ。

ミヤマもそうだったのかもしれない。

今期あちこちでライトを炊いて40mmオーバーのアカアシ♂は15匹程度しか採れなかったが、今日1日のルッキングで同程度の数を採集できた。

しかし、不思議なものでクワガタに人気のある『優良物件』の柳の木はマンション状態で鈴なりに付いているが、不人気な柳の木は空き家状態で良さそうに見えても1匹も付いてない。日当たりは余り関係ないみたいだ。

だがそれでも数をこなしていく内に、『あの木はクワの臭いがする』と感じたら勘が当たるようになってきた。

最終的に網を入れられなくなると、会長得意のビーティングで叩き落していく。(これまた楽し)。

師匠からはこの山が以前どんな状況で、今どう変わったか等の説明を受ける。歴史を知り、変化を知るのも重要なことなのだ。

残念だったのは師匠達のグループの方々が『この立ち枯れは向こう10年以上(オオクワを育む為に)使える木だから残しておこう』と申し合わせて一切斧を入れなかった立ち枯れが殆ど割られて跡形も無くなっていたことだ。材割をして良いのはほぼその役割を終えたものに限るということだった。(逆に言うと材割はその見立てが出来なければやるべきじゃないし、最初は良い師に付いて学ぶ必要があるというのもひとつの論理であろう)。

ここは実は『幻のオオクワ』の基産地なのだ。

師匠の仲間の方が累代飼育していたその『幻のオオクワ』も血が絶えて現在は標本しか残っていない、それがこのままではさらに『幻』と化していく。

是非このオオクワは守っていきたいものだ。

午前10時を回ると気温が一層上がって暑くなってきた。

この温度ではもうヒメオオは木から降りてしまっただろう。ヒメを採るためには日の出から始めたほうが良いかもしれない。

今年の気温は平年とは違う。これも今年の採集に与えた影響はあると思う。

7月に早くから30度近くになったが『熱帯夜』が殆ど無かった。日中に30度を超えても夜には21~23度に下がってしまうことが多かったし、お盆を過ぎるととたんに涼しくなるのが当地では当たり前なのに今も日中は30度を越えている。

これが自然界に影響を与えない訳がないのだが、どう影響しているのかが判らない。これからの研究課題であります。

 

帰路師匠と一緒に会長を弄り倒す。(これまた楽し)。

師匠の作った『会長の歌』は最高だった!(本人は最低!と思ってたろうが・・・)。

クワガタ採集でも、口喧嘩でも師匠に勝てる人は殆どいないのだから逆らっても無駄だ。なにしろ時速60kmで走っていても道路に落ちてるクワ♀や木に付いてるアカアシを見つけてしまう人なんだから・・・。

今日1日で私もそうだが会長もルッキング採集にある程度の自信を得たに違いない。日昆も早々に採集に走ることでしょう。

本日の名言『ルッキングは燃える!!』は会長ブログにも登場することだろう。

今日の採集講座で改めて感服したのは師匠の『目の良さ』であった。

師はクワが異常に見えるという伝説の眼鏡『虫眼鏡』を掛けておいでであり、その眼鏡をかけた矯正視力は2.0とのことだが、視力2.0がなしている技だけではなくそれは『訓練の賜物』と拝察した。

何しろ1本の柳の木を見切るのに短くて2~3秒、長くて4~5秒程度という凄まじさである。

師匠が『居ない、付いてない、ハイ次!』と言ったら金輪際1匹も付いてないのである。

『師匠、あの次の木はどうスかね?』

『あれはドロンジョだパス!(*あれはドロヤナギだからクワ付かないパス)』

木もクワも瞬時に見切りながら合間に会長をからかう為の川柳を捻り、会長の歌を作詞したり吉本芸人さながら常にしゃべり続けながら、しかし気は抜いてない。

更に驚くのはその記憶力の確かさだ。

6年振りの現地入りとのことだが、どこにどんな木があったか等殆ど正確に記憶している。

ここは師のホームグラウンドではない。要は師匠方のグループの方がどれだけ真剣に取り組んでいたかだと思うのです。

この良き師の『技』と『記憶』は貴重な財産です。

私が師匠の財産を受け継ぐにはすでにもう歳を取り過ぎている、私はこれを絶やさず次世代にバトンタッチする為の『中継地点』になりたいと思うのです。

 

【ヒメオオ♂今期初ゲット】

明日H師匠からヒメオオルッキング採集の実技指導を受けることになっていたので、ブリード部屋の成虫軍団の餌替えを済ませておこうと午前6時半起床8時前から作業開始し、2部屋目に進もうとした10時11分携帯が鳴った。

電話の主はH師匠で、『明日の下見をしてたらデカイ♂を見つけたがど~する?』とのこと。

そこは断崖の下に生えてる柳で、ロープか梯子を使わなければ降りれない(捕獲できない)場所らしい。

『あの大きさはアカアシとかじゃない、ヒメの大物だろうが俺は下に降りてく気はないぞ!』。

さあど~する?とのことなのだが返事は決まっている。

『いっ行きまシュ~!!』。

 

自分の店で師匠と待ち合わせ、現場に直行する、が・・・そこは・・・。

コンクリートで護岸されたほぼ垂直の崖の下だった・・・。

問題の大物は・・・い・な・い。

師匠『だいぶ気温が上がってきたので下に降りたに違いない、あの枝に付いていたんだ』とのこと。

その枝を見るとヒメが居た証のリング状の噛み跡がくっきりと付いている!。

さて、こっからどうするか?。

ロープは持ってきたものの体が重くて、自信がない。無理して降りていけば下手したら天国が見えてきそうだ・・・。

左右十数メートルを見渡し、何とか木の枝に掴まって降りれそうな場所を見つけ出した。

ブタ皮の手袋をはめ、身支度を整える。

師匠『ホントに降りんの?』(ビビルようなこと言わんでください)。

枝に掴まりながら慎重に降りる→コンクリートの護岸に沿ってカニのように横這いで進む。

やがて問題の柳の下に到着したものの、生体は何も付いてない。

が、上からは見えなかった噛み跡が複数付いている。

崖の上の師匠から『木の根元や枯葉の下を捜せ』と指示が飛ぶ。

捜し始めて数分後、それは師匠が♂が掴まっていたと言ったその枝の根元だった。

♂のお尻が少しだけ根元の窪みから出ている!!。

『いっ居ましゅた~!!』。

♂を掴んでつまみ上げたら、なんと♂が♀を抱っこしてて、♀までくっついてきた!。

『師匠っでかいっス!!』。

師匠に上から獲物を入れるQ-BOXを投げ入れてもらい、納める。

師匠『その箱持ったまま上がるのか?』。

私、いいえ、もし途中で崖下に落ちたら後で『あいつは崖から落ちる時ヒメオオの入った箱を離さずに抱きながら消えて行った』と言われたくないんで師匠キャッチお願いします!と2回目でやっと師匠が待つ崖上に投げ上げた。

崖から這い上がり、漸く獲物をちゃんと見て見る。

師匠『う~んこいつは間違いなくここの主だな、見ろ!大顎先端は磨耗してるし激しい戦闘で内歯先端が欠けている』。

♀も大型だったが、両前足ふ節が飛んでいた。(残念)。

帰りの車中で師匠『大物♂が居ると嘘をつかれたと言われなくて良かった』と笑っていたが、約束の前の日から下見に行ってくれるような人が嘘をつくはずがないのである。

師匠と店に戻り計測してみると、♂最大計測55ミリ、♀同36.5㎜であった。

この2匹は師匠との思い出に売らないでおこう(売れるはずがない)。

当店最高のごちそう『プロゼリー』を与えたら今朝まで樹液を舐めてたはずなのにかぶりつきました。

 

♂なのに『ヒメちゃん』歴戦の勇士である。戦いの傷跡内歯の欠けは日昆会長の虫歯とは訳が違う。 

♀ヒメちゃん、ドルクス瘤までがかわいく見えるぜ!。

 

【黒足ミヤマ出現率】

黒足ミヤマについてお客様にも情報提供を呼びかけたところ複数の地域から報告がありました、有難うございます。

これまで棲息が確認された地域を発表しますと次のようになりました。

⑦岩手県(消えかけ1♀)

 

上記①~⑥は実際に自分で採集に行って確認した地域です。

情報提供してくれたお客様の総捕獲数と黒足ミヤマの捕獲数が不明の為自分で採集したデータを基に黒足ミヤマの地域別出現率を割り出してみました、以下がその結果です。

① 総捕獲数約50匹 黒足♀4匹 出現率8%(♂0)

② 総捕獲数約70匹 黒足♀4匹 出現率5.7%(♂0)

③ 総捕獲数約30匹 黒足♀1匹 出現率3.3%(♂0)

④ 総捕獲数約50匹 黒足♀2匹 出現率4%(♂0)

⑤ 総捕獲数約40匹 黒足♀2匹 出現率5%(♂0)

⑥ 総捕獲数約90匹 黒足♀3匹 出現率3.3%(♂0)

 

上記データからは、♀はさして珍しくないとは言え欲しいとなれば20匹以上は採集しなければなりません。

やはり、十和田及びその近郊に個体数が多い印象を受けます。

特筆すべきはこれだけの数を採っても♂が0だということです。

仮に今♂が採集できたとしてその出現率を計算すると330分の1で0.3%となります。実際には1000分の1かも知れません。

かつてこの♂の採集に成功したことのあるH師匠によればそれは皆小型だったとのこと。

大型黒足♂が居たとして、採集できたらそれは万分の1かも知れませんね。

希少性だけから言えばこの数字が当てはまればそれは75㎜以上の大型♂の出現率に匹敵するのかな?。

小型であっても採集できれば標本価値があることは間違いないかと思います。

 

【幻の赤ノコその後】H.22.8.17

昨日下北むつ市へアカノコを採りに行ってきました。

師匠からシーズンに5回行けば採れるよ、とは言われてましたが何しろ師匠の頃とは虫そのものの生息数が違うので今だと10回は行かなければ採れないかな?などど思いつつ3度目の出撃です。

ノコそのものは♂♀合わせて40匹近く採れたのですが・・・。

一番惜しかったのが下の画像の♂です。

『何だ普通のノコじゃん!』と言うなかれ、現物は翅の赤味に透明感があります。

師匠によると『惜しいな~あとちょっと』だそうで、それでも羽を広げればこれも少しは透けてみえるかもよ?とのことでした。

幻のアカノコの遺伝子を少しは引いているかも?・・・というところでしょうか。

師匠がかつて採集した物は上翅の縁の黒い部分がほんの僅かに残るのみで中央の会合部の黒味は殆ど消失して『線』のみだったそうで、雄も雌も大きさに関係なく採集したとのこと。

但し師匠ですらこのノコの採集数は5~6匹だったそうなのでやはりそう簡単には採集はできませんって。

逆に簡単に採れるようならロマンもへったくれもありゃしませんがね・・・。

採れるまで英知を駆使して執念で通いますぜ。

 

【師匠と行く西海岸採集】

8月10日の新月に向け徐々に採集もピークに上向くか?と思いきや5日市内@@@では撃沈!6日**@@@まずまずながら殆ど♀、7日※※ダム轟沈!、8日===ダムまずまずまであと1歩ながら♀ばかり、9日むつ市即死!一日おきに瀕死と蘇生を繰り返しながら地獄のロードを走り続けました。

それにしても採集者の数が増えたこと!街灯採集ポイントなんかどこも、相撲協会が悔しがるほどの『満員御礼』状態!

夜中の午前2時に小学生が街灯下で『張り付き採集』してる!。

県外組の数もハンパなく、ライトトラップを従えて1000ワット4基で5日間!とか凄まじい限りでした。

まあ1昨年の最低2倍、昨年から比べても1.5倍は少なく見積もっても来てましたね。そんな虫採り銀座を避けるかのように、10日に師匠と共にかつて師匠が通ったZZ湖方面へ採集に行きました。

出発前に師匠には最近成果が上がってないこと、飛び始める時間帯が比較的遅いこと、♀ばかりで♂の比率が10分の1にも満たないこと、来た!と喜んでいてもすぐに途切れること等の最近の傾向を報告しました。

数はともかく何か『いい物』がひとつふたつ欲しいっスといいながら楽しくクワ談義をしつつ現場に到着したのでした。

師匠がここに通っていたのはもう10年近く前、山は3年で変わると言いますが師匠もだいぶ様子が変わったと言ってました。

かつて実績を挙げたポイントの説明を受けながら、とあるポイントでライトオン!。

師匠の指示でまずこっちにライトを当てろ!と言われ素直に向けるが、立ち木が邪魔して向こうに届かないんじゃないっすか?とか内心思ってましたが、来る来る即飛んで来る!やはり師匠は正しかった!。

傾向通りやがて途切れるのだが、ライトの照射方向を変えるとまた飛んでくる。

あっという間に捕獲数は100匹を超えた。

ここはオオクワポイントなのだが残念ながらオオクワの飛翔は無しだった。

次にミヤマが雨のように降ってくる(憧れのミヤマシャワー!!)と言われた名ポイントに着。時間が遅かったか反応が鈍い!。

ミヤマは飛んでくるもののやはり♀ばかり、師匠も首を捻っている。

『何かがおかしいよ、ここでこんなことはかつて無かった』と。

かつての光景が遠い昔になったかのように師匠も少し淋しげに見えた。

それでも数えたら136匹採集したのだが、師匠の時代は最低でもこの3倍だったそうな・・・。

終了して帰る途中飲み物を買うために鯵ヶ沢町の某○ーソンに寄ると・・・いるいる!。ノコやミヤマの他にコフキコガネや子供の頃生まれ故郷でよく拾ったシロスジコガネも採集できて大満足!○ーソンは照明が明るいのと照明の色が良い店舗が多いので所在地がよければ実にあなどれんのです。

最後の最後で良い物も拾えたし良い採集となりましたが、やはり師匠との会話が一番楽しかったことを記させていただきます。

 

【困った子ちゃんPart2】

またもや困った子ちゃんの登場です。

この虫は十和田市在住の当店のお客様であるA氏が採集した虫です。

採集場所は十和田湖近郊で、伐採された立ち枯れを機械で粉砕していたところ材の中から出てきた新成虫の1♂と1♀の内の♂です。

『変わったオオクワを採集した』とのことで、持ち込まれましたが一瞬ぱっと見た目にはヒラタも連想させるが、オオコクワではないし、パリーオオクワか?・・・と思ってました。

困った時の師匠頼みで、師匠にも見てもらったのだが外産は苦手なパーツらしく師匠でさえも『ウ~ム?ヒペリオンじゃないの?』師匠それは内歯の形が違います!。

師匠でさえも手に余り、最後の手段を投じることになった。

師匠の『師匠』 のご登場である。

敢えてお名前は控えさせていただくが、この世界では名の知られたトップクラスの重鎮である。師匠のお供をしてこの虫と前回の『元祖困った子ちゃん』の2匹を携えて師匠の師匠をお尋ねして見てもらいましたところ・・・。

元祖困った子ちゃんは、大師匠曰く『これは仮に他県産の放虫物だったにせよ累代が重なる度に溶け込んでいくものだし現地のWDとして扱うしかない』とのこと。

H師匠からは早く現地♀を捕獲採集せよ!との厳命が下った。

 

次にPart2の方を見てもらいましたら次のような評価でした。

1.触角の動きが外産特有の動き方をしている。

2.現地種か何かと交雑していると思われるが、単独種の可能性もある。

3.ヒラタの交雑種で、小内歯消失型の可能性も僅かに残る。

大師匠の結論はこの虫が何の虫という判定は出来ないが、一緒に得られた♀との子である次世代が得られなかったら、交雑した雑虫ということになるが(オオコクワの例)仮に次世代が得られたら面白い。

新種、新亜種という可能性が出てくる。

そうなればこいつはドルクスssp. ・・・というとこですか?ハハハ・・・と。

大師匠 これは非常に興味深いです、もし次世代幼虫が得られたら是非何頭か譲ってもらいたい。 DNA鑑定してみますとのことでした。

 

困った子ちゃんの顛末記は以上ですが、ここで私は改めて申し上げたいことがあります。

昨年当店に立ち寄って下さったお客様からの情報で、その方が十和田湖〇〇でミヤマ♀を採集して持ち腹産卵させたところ異常に幼虫が大きくなり、『変だ?』と思ったら、『ヘルマンミヤマ』が羽化してきたというのです。

それはもう5年以上は前の出来事らしいのですが、5年以上前の青森でヘルマンを飼育してる人なんているか?敢えて飼育していた人がいたとしたらそんな人がわざわざ十和田に行って放虫したりするか?・・・という疑問を持っていました。

この件を大師匠にお話したら、『以前に十和田湖で昆虫展示販売会があったじゃない?その際に逃げ出したか放された物かも知れないよ』とのこと。

事実は不明としてなるほどそれなら納得できる・・・。

私が言いたいこととは、青森県はオオクワガタに関しては採集はし難いものの、その個体生息数は全国トップクラスの貴重な地域である。よってこの貴重な環境を維持するために放虫は絶対やめましょう!と言いたいのです。

この虫は青森の環境では生き残れないから放虫しても大丈夫なんてことは考えないでいただきたい。

地球温暖化?の影響でかつて青森にいた魚が姿を消し、代わりにいなかった暖かい地方の魚を見るようになったなんて例が既に沢山あるのですから。

大顎先端の返しは僅かに残っているだけで、かなりツルンとしている。                       内歯はかなり下がっており、大顎を閉じると若干下を向くほどである。                         私見ではパリーの内歯下がりか?と思ったがスマトラ産パリーWDと比べてみたら頭楯の形も裏面の腹部形状も違った(前胸の縁は似ている)。

 

大顎~前胸背板はつや消し、上翅は強い光沢がありうっすらと縦に長くて浅い筋が2本走っている他、画像では分かり難いが上翅の縁中足と後足の中間当たりに短くて浅い縦の筋が両端に1本ずつ刻印のように入っている。

 

 

【オニクワガタ発生確認】H22.8.2

昨夜ΠΠ町山間部でライトトラップをしていたところオニクワガタ1♂5♀飛来し、発生を確認致しました。

雨の中ずぶ濡れになりながらの採集でしたが、クワ達も根性を見せてくれ、50匹程の成果でした。

このところ月齢も条件も悪くて成果があがらなかったのですが、羽蟻の飛来数も増え徐々に上向いてきてます。

数をとるなら8月6日~同14日までがピークになりそうです。

皆さん事故に気をつけて採集を楽しんで下さいませ。

 

【オオクワガタ採集状況】

当店のお客様で、今年から採集を始めた方が報告頂いただけで、3名4匹採集に成功されています。

オオクワガタは誰にでも採集できます。

基本ポイントさえ押さえれば、後は『何としてもこの手で採集してみたい』という執念だけです。

1シーズンに15回ポイントに通う執念さえあれば誰でも採れます。(先のお客様の内のお一人は1回目で達成、別の方は8回目で達成)。

 

オオクワは不思議な魅力があります。

自分の手で採集に成功した時、大の大人を子供に帰してしまいます。

『しょせんドルクスなんて・・・』と言っていたM君ですら興奮してしまったエピソードがあるくらいですから。

 

【黒足ミヤマ♀新郷村で発見!】

黒足ミヤマに関する情報提供を呼びかけたところ、早速十和田市在住のAさんから情報が寄せられました。

これは自己採集個体の♀で、完全真っ黒であることを現物を見せていただき私も確認しました。

その他福島県からのオークション出品で黒足♀が出ていたそうです。

これで、東北各所に棲息の可能性が広がった訳ですが私が集めたのは消えかけ♀2匹、完黒♀1匹で、ここまでは全て♀です。

このクワ、♂が貴重かも知れません。

他に、A氏からは『オオコクワ』かと思われる個体も持ちこまれており、採ったクワは細部に至るまでよ~く見るのが非常に大事と改めて痛感致しました。                               十和田市からわざわざ当店に現物を持ってきてくれたA氏に感謝申し上げます。

 

【ライトトラップの心得・その1】

採集好きが高じて来ると多分どうしようもなく欲しくなるのがライトトラップでしょうな。

私めも今年ついに手に入れてあちこちで掛けまくっております。

H師匠はライトトラップのことを『爆弾』と呼びますが、然るべき時に、然るべき所で、然るべき様に使用するとまさに爆弾と化すのでしょうね。

だが、この爆弾は使い方や注意すべきことなど色々あるので、覚えたての私が語るのもなんですが、おさらいのつもりで書いてみます。

 

《購入》

1.どこで買うか?

通販で買うのが安いです。

電気に詳しいか、詳しい知人がいれば安く済むと思います。

私は電気はパッパラパーなので取引先のKBファーム様で購入しました。(配線までやってくれます)。

2.何を買うか?

昆虫採集に使うライトの光源は大きく分けて『水銀灯』と『HIDランプ(メタルハライド)』があり(どうもメタルハライドは虫が寄らない種類もあるようなので購入時は注意が必要)、好みで選択。

次に明るさのグレードですが師のたまわく、『真っ暗なところなら200ワットあれば充分だでば』(*津軽弁:充分だよの意)。

KBファーム様によれば入門者への推奨は300~400ワットと言ってます。

私は400ワット2基でやってますが、大場所ではやはりすこ~し物足りない気もします。

他に最低限必要とされるのは、安定器、ホルダー、バイス、(お好みでスポラート)、そして発電機です。

(師匠はワット数が小さければ、発電機じゃなく、車のバッテリーに繋いで使えるのもあると言っていた、確かバラストレスとか言ってたな、安定器と発電機が省略されるらしい)。

3.他に必要になる物は?

・軍手(ライトはかなりの高熱になっており、夏季は少し時間が経った程度では冷めないので火傷防止に必要な他、蛾やその他の虫を払うのにも必要)

・ハタキ、又は箒(ライトやスタンドに多数の蛾が付くので終了時にこれらを払い落とすのに絶対必要になります。忘れると車の中が蛾だらけになります)

・懐中電灯(薄暗い場所に落ちた虫を探したり、撤退時に蛾を寄せ付けておくのにふたつくらいは持っていくと何かと便利です)

・防虫スプレー(蚊、虻、等の虫も集まってくるので持って行った方がいいです。汗で結構落ちてしまうので持ちの良い物を選ぶと良いでしょう。首筋の当たりが一番刺されやすいのでここは入念に・・・)

 

《服装》

暑くても長袖長ズボンが基本でしょう(害虫対策の為)長靴を履いてない場合は靴下も長めの物を履いて、ズボンの裾を靴下の中におり込めば害虫の侵入を防げます。

首筋にはタオルを巻いて、帽子も被ったほうが万全です。

 

《場所の選定》

どこでやったらいいか分からない時は経験者に聞くか、やってる人の場所を覚えるか、自分でここは?と言う場所を探すかです。

自分で探す場合は慣れない内は、日中に予め下見しておいた方が無難です。(危険回避も含めて)。

虫が飛んでくる場所であり、虫を拾える場所である為に、次のことに合致する場所を探します。

・虫が居るためには、その虫が発生する為の発生木や土壌が有り、かつ餌になる樹液を出す木が付近にあるかを見ます。

ブナの大木があるからと言ってブナだらけの所には数は望めないと思った方が良い。ブナの他にミズナラ、コナラ、柳などがある混生林が良い。

木が良く分からない場合は他の樹液を吸う虫(スズメバチ、カナブン、オオムラサキなどの蝶等)がいるかを見ます。

他にポイントになるのは、獣の姿やその糞をよく見掛けるポイントか?ということです。

獣はよく昆虫を捕食しますし、草食の獣でもその数が多ければ豊かな森と言えるでしょう。

つまり獣の多い森には昆虫も多いのです。

・下草や近くに立ち木がないある程度開けた場所を選びます。

下草が多ければ落ちた虫を探して拾うのに一苦労です(落ちてるのに気付かないかも知れません)。立ち木があればせっかく近くまで虫が飛んできても地面に落ちずに木につかまってしまうかも知れません。

 

《注意事項》

ここからが大事です(ここ、テストに出ますよ!)。

・ライトは民家の近く、キャンプ客の近く、危険箇所、立ち入り禁止場所では行わない(その他他人の迷惑にならない場所というのは当たり前)。

・やたらに素手で、蛾やカミキリムシ(特に小さい奴は注意)その他訳の分からない虫を触らないこと!(これらの虫は何らかの毒を持つ種類があり、体液が目に入れば失明の可能性があるものもある)。

・牧場や畜舎の側も敬遠した方が無難。(所有者の了解を得ている場合を除く)。これらの場所は病原菌の侵入に非常にナーバスになっており、トラブルになりやすいと思います。

・意外に知られてないのが、養蜂を営む方の巣箱の近くは絶対に避けるということです。

これらの巣箱の近くでライトをたいたが為に巣箱の中に害虫が侵入して被害を与えた場合、聞くところによると、1箱約30万円請求されると聞きました。(実際に師匠の知人が100万円請求された事例があります)。

国産ミツバチの現在の貴重性は言うまでもなく、とにかく近寄らないことが大事です。

とろが、この巣箱は花の開花にあわせて都度都度移動していきます。この前なかったからと言って今も無いとは限りません!。

初めての場所に行く場合、暗くなってからでは近くに巣箱がないか確認などできるものではありません。

よって昼間に下見が重要になるわけです。

・ポイントに着いてライト組の先客が居たら、自分も同じ場所でやっていいか尋ねましょう。断られたらあきらめて、別のポイントに入るべきです。(先に入ってた者の権利と考えます)。

1箇所だけでなく、いくつかのポイントを把握しているとこのような時に空戻りしなくて済みます。

もしも、了解を得られたとしても、中間に落ちた虫はどうするか?話し合っておくか、後から入った者が遠慮すべきでしょう。

 

《ライトトラップの条件》

・雨が降っていたら、諦める。(小雨、霧雨程度なら一応可能)

午後~夕刻まで強い雨が降っていたら、できることは出来るが、成果が上がらないことが多い。

・風が強かったら、諦めるか、風裏になっている場所を選ぶ。多少の風なら大型は飛べなくても、小型や♀は飛べる。

・月が隠れている新月廻りや、雲に隠れているときが狙い目だが月の位置が低くて山の陰に隠れているポイントは飛ぶ。

満月廻りでも飛ぶ時は飛ぶので(特にオオクワ)その他の条件と照らし合わせてみるとよい。

・1~2日前に雨が降って湿度が高くなって、更に夜10時近くまで気温22度以上を保っている蒸し暑い夜は飛びやすい。

 

以上その1でした。

【アカアシ大発生開始!】H.22.7.21

昨夜ミヤマ欲しさに遠征採集に行きました。

初めての場所だったのでグーグルマップをプリントして行ったのですが、分かり難い。

頼りのカーナビが途中で持病の発作を起こしたからさあ大変!。

5時には家をでたのに迷いに迷った挙句ライトオンしたのが夜の9時50分(ナハ~)。

それでも、40匹前後かき集めて帰りにホームグランドの十和田〇〇だけはだけは舐めて帰ろうと走りだしたのが午前1時40分。

有名な食堂○×の自動販売機前にきたら、何とこれが落ちてる落ちてる!。

車に数匹が潰されていたが、道路の真ん中まであちこちに・・・。

あっという間にここだけで十数匹かき集めた。

昨夜も採集者がいただろうに、2次飛翔だけでこれなら、オオクワも飛んでただろうなあ・・・。

さて、これからどうするか?。

時間は既に午前2時をまわっている。

採集続きで、睡眠不足だし・・・とか考えながら次の自販機前まで行ったらまた落ちてる。

ここで頭の単純回路がショートした!。

▼▼、◆◆◆と回っていたら、一番鳥が『コケッ~!!』と鳴いたところで我に返った。

朝もやの中を帰宅したのでした。

アカアシが大発生し始めました。条件が整えば楽しめること請け合いです。

 

【困った子ちゃんの全貌・新産地発見?オオクワガタの謎】

先日最近になって当店に来てくれるようになったお客様が少しだけ興奮気味に来店された。

ふとみると、左手に何かクワガタを握りしめている。

『まさか?』のまさかだった。

『今、山でこれ採っちゃったんですけどオオクワガタじゃないんですか?』と・・・。

それを見せてもらった瞬間に『ウヘ~!』っと呻きましたね。

そいつは今までの県内産の常識を頭から覆すような『極太』でした。

しかもでかいっ! サイズを計測したら何と72.4㎜!。

採集方法は木の又に覆いかぶさっていた枯葉からがさがさと言う音がしたのでのけてみたら出てきたというもの。はっきり言って奇跡です。

さて、この個体は野外品なのかそれとも飼育放虫ものなのか?。

形からすると地元野外品とはとても思えないのだが、野外品とも飼育品とも言えるどちらの要素も合わせ持っていたから混乱した。

これはちょっと自分の手に負えないと判断、前回記事に書いたようにH師匠の出番となった次第であります。

 

その形状をまずはご覧あれ。

この個体はWDか飼育品かという疑問を考えずに評価すれば素晴らしい個体であると思います。内歯の位置と乗り、顎基部の太さ、体全体のがっちりしたプロポーション。

後に師匠が『美形コンテスト』に出してみたらどうか?と採集者のお客様に進言したのも頷けます。

私がこの個体を見た場合に気付いたことは以下の通りです。

 

①形が青森のこれまで採集された形と顎形状を含めて合致しない(しかし、ここまでではなくとも顎の太短い個体は自分も採集している、むしろボディー形状が疑問ながら、だからと言ってこれは飼育品と言えるのだろうか?)。

②動きが正にWD。自分の飼育品とは全く違う!(しかしながら、放虫されて1年近く野外にて生き延びた場合に野性の動きを取り戻すということがあるのではないか?)。

③採集された場所は気に入らない。普通そんな所には居ない。(放虫されたばかりの個体じゃないのか? だが、よく考えるとその場所はおいそれと入っていける場所じゃない、全く人が来ないし、これない場所である。 う~ん分からん!)。

④下の画像を見ていただきたい、横からみると腹部がかなり膨らんでいる。これは菌糸瓶飼育で更に累代が進んだアンテなどでよく見掛けるボッテリ腹じゃあないのか(だが、これを除くととてもきれいな個体である。そのような個体は複数個所に異常が出ていなかったか?)。

その他爪の先の立ち具合等色々調べたが80%の確率で飼育品か?と考えたが、まだ同定力が身に付いてないので、師匠の意見を聞いてみた。

深夜1時を過ぎてから師匠の鑑定が始まった。採集場所と状況を再度説明した後にまず自分が抱いた疑問点等をぶつけてみたら・・・。

 

①については形そのものはズバリ『九州だ!』。これが球磨川当たりの産地ものですと見せられたら信じてしまう。だが、これまで見つかったことのないエリアから採集されたという経験や情報は自分自身を含めて相当数あるし、ごく狭いエリアで独自進化してきた可能性は完全に否定できるものではないし、否定するのは危険だ。

②については動きと反応がWDそのもの。こいつは鳥などに襲われた時の経験を持ち、それらから逃れる術を知っている。爪の先は充分に立っており、お前がいうほど古い虫ではない、比較的新しい虫である。

③確かに居た場所は少し妙だが、そこには絶対いないとは言い切れない。若い個体との餌場争いに負けて一時避難してたとかですかね?と聞いたら、それは有り得ない!このサイズを見ろ!こいつに勝てる奴は居ない!こいつがその場所のキングだ!。

そんなことより、餌の木があるかということで言えばあそこには充分な餌の木がある。大きな疑問点はこのサイズのキングを育む発生木がそこにあるか?ということだ、このサイズを育てるには最低でも直径60センチ以上の立ち枯れがなければならない。これは現場に行って調べればすぐ分かる。

④は、お前の言うとおりであり、自分も頷ける。 しかし、この個体は飼育品とも野外品ともどちらとも言える特徴を余りに内包している。

例えば・・・

A.頭の照り、そして重要なのが微妙な頭のディンプルだ、これはツリガネタケやサルノコシカケ等の硬い菌に寄生された硬い発生木に育まれた奴の特徴なんであって、飼育じゃ、まして今の一般的飼育方法では出せないはずなんだ。

B.ところが尻から見て見ると微妙に上翅の形が左右で歪んでいる。野外品でこうなるか?と言う事。

C.でも胸と腹の接合部は飼育品なら離れがちだが、コイツは詰まっている。これWDの特徴。

 

結局、こいつの正体を調べるためには、現地で調査するしかない!ということになったのでした。師匠曰くまだこいつの兄弟等が居る可能性があるから、お前行って調べて来い!っと宿題になった訳です。

『お前はどこの何者じゃ?』とオオクワに問いかける師匠の目はしかし優しい眼差しでありました。

                

※この場所は問い合わせされても残念ながら絶対に明かせません。

何故ならば、個人の敷地の中を通って行かなければ行けない場所だからです。無用なトラブル回避の為とご理解下さい。採集された方がこの土地所有者の方と懇意にされており、採集者の方と一緒でなければ私も行けません。

 

【カブトムシ発生致しました】H22.7.17

昨晩青森市内高田方面でカブト虫1♀を採集しました。各方面少なからず発生していると思われます。

1週間以内に雲谷、続いて@@@方面でも採集できると思います。

 

【遠征採集記】H22.7.14

昨日ホームに記した遠征採集の結果をご報告します。

未だかつて生虫屋がライトを持って入ったことのない山頂から、種の誕生以来『文明の光』を浴びたことのないウブな連中に一発食らわせてやろうという計画でした。

誰もやったことがないので、何が飛び出るか分からないのが堪らん!。

途中までは車で行けるものの、最後数百メートルは岩だらけの急斜面な為、機材を荷揚げするために『山岳民族』である日昆メンバーをポーターとして雇い上げ、更に危険も伴う為オブザーバーとして引退していたH師匠を担ぎだしての万全体勢でした。

梅雨の間隙をついて決行したものの気温は下がり、更に風の向きが照らせる方向に対して向かい風になっており『条件はあまりよくないねェ』との師の言葉に一抹の不安を覚える。

満を持してライトオンとなるが、飛んでくるのは雑虫のみ。

暫くしてから『来たぞ~!』との師匠の声。ミヤマのようだがなかなか落ちないと思ったら山頂の柵の外の雑木の上に落ちちゃった!。

ここは視力に優れる日昆NO.2君の出番!

見事に草と雑木の中からミヤマ♂を見つけ出した。

だが、その後が続かない・・・。

時間は午後9時を回り辺りに響く轟音にふと見上げるとジェット戦闘機が三沢基地に向かって次々と帰還していく・・・。

この山は標高7百メートルを越えているので、日中なら青森市、十和田市、三沢市の他小川原湖やむつ湾等一望できる絶景ポイントでもあるのだ。

この後ミヤマ♂のみ3匹追加するものの数が稼げず、『この条件では大型はここまで飛び上がってこれないのでは』との師匠の診断で、下見時に選定していた中腹の第二ポイントに移動することになった。

下見時に植生を見たとき『ここはドルクスではなく、ミヤマポイントではないか?』と考えていたが、当たっていたかも知れない。

『駄目ですねェ~』と落胆していたら、師匠が『何言ってんの、ここのラベルのミヤマは殆ど誰も持ってないんだからいいじゃないか!』と慰めてくれ、師の言葉が心に染みる・・・。

さて、時間も押してきたので第二ポイントは1時間限定!と決めた。

ライトに照らし出された植生を師匠がチェックしたら、いいブナの木はあるが餌を出す木がない!とのこと。 なるほどその通りだ。

案の定五月蝿く集結するはずの蛾の数すらが少ない。

と、ここで日昆メンバーが藪の中に甲虫が落ちた音がした!と言うが早いか3名とも闇夜の藪の中に次々と突入していく・・・。さすが、山岳民族だな、山に入ると野生の血が騒ぐんでしょうね、と師と語り合う。

だが、コクワ1匹飛んでこないので師匠判断で終了となった。

第一ポイントでの師匠の勇姿(帽子からはみ出たライオン丸のような髪の毛がトレードマークです)

第二ポイントの様子。『な~んも来ましぇん!』

師匠の足元に注目!ライトトラップ時はズボンの裾を靴下の中に入れるのが鉄則!とのこと。(害虫等の侵入防止の為)。

 

帰路の車中でクワ談義をしながら師匠を自宅まで送っていこうとしたら、『おいっ、店に置いてあるアレを見せてみろ』とのこと。 アレとは当店のお客様が青森市内で採集してきたオオクワガタのことである。 鑑定を依頼されていたのだが、飼育品のような、WDのような???更に今までの県内産では見たこと無い形・・・の何とも『困った子ちゃん』だったので、師匠に今度店に来たとき是非見ていただきたい虫がいる、とお願いしていたのだ。                        時間は午前一時を回っており、師は7時には鮎釣りに行くとのことだったので『いいのだろうか?』と思いましたが師の言葉なので店に直行した。                                師匠なら一発看破か?と思いきやこれが師匠をも唸らせる逸品!。                           この詳細は後日書くとして、師匠から『お前これ採れたとこに行って調べて来い!』とのこと。

ヒョエ~!この歳になって宿題がまた増えてしまった・・・!

 

【幻の黒足ミヤマ画像】

行方不明になっていたデジカメ発見!

で、早速例のミヤマの画像を・・・と思いきやオイラのデジカメより遊びに来たM君の携帯電話の方が接写モードの性能がいいのでお願いしました。(結構悔しい・・・)。

今回採集個体はH師匠がかつて採集した『完全真っ黒個体』ではなく、僅かに紋が残っておりその色合いを写すのに微妙だった訳です。

では、その画像です。

同日同所で採集したノーマル♀。前足~後ろ足迄、腿節に黄土色の紋が見えます。

紋が消えかかった黒足型♀前足と中足の紋は消失し、薄っすらと後ろ足のみ紋が残っています。

 

別個体で上記の♀より更に紋が薄くなっています。完全真っ黒じゃなかったのが残念!。

このタイプは♂にも居り、今後♂も採集したいです。完全黒♂×完全黒♀でペアリングし採卵できれば・・・と考えてます。

皆さん今度ミヤマを採集したら、是非ひっくり返してよ~く見てみて下さい。

ただ、採集してサイズや歯型の変化を楽しむだけでなく、より面白さが広がると思いますよ。

又、別所での採集情報などお待ちしております。

 

【幻のミヤマゲット!】

今期の採集目標と研究対象にしているクワを優先順位をつけて並べると次のようになります。

①『幻のアカノコ』

②『幻のオオクワ』

③『幻のミヤマ』

④『幻のオニクワ』

とこのようになりますが、棲息数と採りにくさからいうと②が一番やっかいかも知れません。

さて、この中で前々回実は採れていたのが幻のミヤマ♀です。

何故前々回発表しなかったかと言うと、『多分これだな』とは思いましたが、このミヤマは十和田湖近辺でしか採集された記録がなく、教えて頂いたH師匠の鑑定を待ったからです。

師匠に鑑定頂いたところ『これだよ』とのこと。さらに十和田湖以外での棲息が確認されたことに少し興味を持たれたようでした。

別なページにこのミヤマについてその特徴を書きましたが、改めて特徴を記すと通常のミヤマは足の腿節に黄色~茶色の紋が入っているがこのミヤマはこれが全く、又は殆ど消失し黒くなっているのが特徴です。

『幻の』とは書きましたが、実はこのミヤマ十和田湖においては珍しい訳ではなく10匹採ると1~2匹は混ざる程度のレア度でしかなく、ただ誰もがその違いに気付かなかったというのが正当な評価かも知れません。

師匠はしかし、日本中のクワ愛好家とかつて交流を深めた中で、十和田湖以外での採集情報がなかったとおっしゃってらしたので、その希少性に疑問符はつかないもかもしれません。

師匠は十和田湖以外での採集記録がないことから、このミヤマは育った環境による個体変化ではなく、『血』によるものではないかとの推論をされてましたが、棲息範囲が広ければ広いほどこの説は崩れるのかも知れません。 

又、今回同所でミヤマ♀3匹採集した中で2匹がこの♀だったということはサンプル数が少ないので断定はできませんが、このタイプの『基産地』は十和田湖ではないという可能性もあるかと思います。

ともあれ、皆さんこれからは採れたミヤマはひっくり返して腹側の足をじ~っとよく見て下さい。そして、上記以外でこのミヤマを発見採集された方は是非画像と採集情報を当店の方にお寄せ下さい。一緒に解明していきましょう。

 

最後にではその採集したミヤマ♀の画像を何故載せないのかと皆さんお思いでしょうね。

答えは簡単唯一の所持する『デジカメ』が行方不明になっているからです・・・。

『デジカメや~い』! よく失くし物をする当方は『呼べば返事をする物』が欲しい・・・。

 

【上北郡の霧に散る】2010.7.8

関東の業者さんに青森の虫を送る約束をしたので、新調バリバリのライトトラップセットを持ってかねて目をつけていた上北郡のとあるポイントへ車を走らせた。

今回目標はミヤマである。この場所はいつ来ても冷やりとしてて、湿度も高く、ミヤマポイントに違いないと睨んでいた訳です。

日が落ちてライトON! 30分待つのことよ・・・。

するとひとつの物体が目の前をよぎって滑空していく

待望のミヤマ♂です。

ウシシ さあこれからミヤマシャワーが始まるか?・・・と思いきや谷の下の方から何やら白い物がふんわりと・・・。 霧です・・・・。

しかも段々濃くなっていく。

おまけに風も吹き始めちまった。

間もなくして10メートル離れた所に停めた自分の車がかすんで見えて、晴れる様子がない。

ライトの前に立つと自分の影が霧に投影されてまるで宇宙人のように見える。              あまりの暇さに『おサルさんのポーズをとる宇宙人』をする中年オヤジ 変態です・・・。

油と交通費をかけてここまで来てこれだお~ん!。

撤退~い。ひとりで来たのに号令をかける。

本日の成果ミヤマ♂3、アカアシ♀1、コクワ♀1

普通種が高級クワガタに早代わり! こんなこともあるさ・・・・。

 

【月夜に誘われて】2010.7.3

昨晩、さて今日も店仕舞いかなと思い空を見上げたら『山が呼んでいた』。

ためらうことなく十和田湖へ直行!。

車のライトに集まる雑虫の数がはんぱじゃない。 いけるかも・・・。

ここまで『スカ』を食らっていた場所を含めて、ほぼ全てのポイントにクワの姿を発見。

ミヤマ、アカアシ、コクワ、ヒメオオ、ノコギリなどが全部で二十数匹採れ、今シーズン一番の成果となりました。

いよいよシーズン突入という感じですね。

 

【月食の晩の採集】2010.6.29

6月26日は夜10時頃にかけて月食があると新聞に載っていたのを見たとき頭の中をよぎったのはその日クワは飛ぶのであろうかということだった。丁度満月を1~2日過ぎたあたりで月は丸いのだが、それが地球の陰に隠れた時にどうなるのか確かめたかったのだ。

店を早仕舞いして出発したとき25度、十和田湖に着いても19度有り風は無し。途中の運転時車のライトをハイビームにしたときの雑虫の飛び具合でその日の成果はある程度予測できるのだが、悪くない。う~むいけるかな? とその時は思ったのだが、現場に着いてみると・・・。

ライバルの数が半端じゃない!。昨年同時期には人影などなかったのだが・・・。

7~8組十数名の採集者が来てました。そのせいもあってか拾える数は少なく、特別月食の影響というものは感じられなかった。

残念だったのは、中年男性二人組みの採集者が割り込みをしてきたことです。家族連れの採集者も多かったのですが、子供があれを見たらどう感ずるのか?見せたくない光景です。

今からこれじゃハイシーズンに入ったらトラブルになったり嫌な思いをするのは目に見えています。前に灯火採集のマナーを書いたのですが、多分こういう人にはこんなこと言っても無駄でしょう。

心配なのは子供がこれが当たり前だと思ってしまうことです。子供にせがまれて連れていったら採集圧が凄くて、知らずお父さんも同じことをしてしまうことも考えられます。これらの原因はこれらの人達が『クワガタ』だけを見ており、それも『オオクワ』欲しさに縛られているからと思えます。ですから嫌な思いやトラブルを賢く避けるためには主目的にクワガタがあってもそれに捉われない採集を心がけるようにしたらどうかと思います。

つまり、子供にせがまれてクワガタ採集に行くときは、クワガタだけじゃなくていろんな虫やその生態や習性を観察に行こう!と諭して連れて行けば例えクワガタが一匹も採れなくても楽しめるでしょうし、楽しい一夜を過ごせるのではないでしょうか?それでクワガタが採れれば言う事無し・・・というスタンスがいいと思います。

それから、青森の虫はクワガタだけではありません。

全国的に希少性が高くなった虫も棲息しています。絶滅寸前の虫や採ってはいけない虫を採るのは論外ですが、例えば『キンスジコガネ』は十和田湖周辺に生息数が多いということで関東からも採集者が訪れるくらいですし、『ヨコヤマヒゲナガカミキリ』の♂は採集難易度で言えばオオクワ並みでしょう。これらもターゲットに加えれば楽しみが倍加するのでは?と思います。

更に加えれば、先行者が入っていたからといってクワガタを諦める必要はありません。『見落とし』がほぼ必ずあります。相手の習性を念頭に丹念に見る、捜すのが好結果をもたらします。

本ホームページを見て私の考え方に賛同くださった方は是非採集時には声を掛け合いましょう。そして『張り付き採集』は避けましょう。楽しい採集にしたいものです。

 

【さすがのH師匠今期オオクワ第一号!】2010.6.23

昨日店に友人のN先輩、日昆会長が来店、間もなくしてH師匠も登場。雑談で盛り上がった後に解散。さてもうすぐ店じまいの時間となった頃、外に出て見ると雲が月を隠しはじめて、肌に触れる空気が何やら『今日は飛ぶ』と告げた。行くしかあるまい・・・と店にまだ残っていた日昆会長をなかば無理やり拉致して十和田湖へ。

×××ポイントが迫った頃『ライバルが居なければいいな~』とつぶやいた直後、橋の上にライトを持ったライバルの姿が・・・と思いきや、よく見ると見覚えのある帽子と帽子の脇の髪の毛のシルエット

『師匠だァ~!!』

現役引退のはずの師匠が来たということは、やはり今日は『オオクワが飛ぶ日』と確信。

気合を入れねばとチェックするが、×××ポイントは普通種も音沙汰無し。他のライバルの姿もチラホラと・・・。

こんな日は遅い時間の飛翔があるとの師匠の教えを信じ、一旦師匠と別れて▼▼ポイントに移動。だがここにもクワの姿がない。

ここまでの成果はミヤマ♂1、コクワとアカアシ♀3の貧果。×××に10時頃もどることにして車を走らせる。『師匠がオオクワ♀を持ってどうだァ~ってやられる気がする』などと言って笑っていたが、ポイントに着くと、師匠がいない。多分〇〇に移動したんだなと思いつつ再度チェックして駄目ならこちらも〇〇に行こうと思っていたらコクワのリバウンド飛翔が始まって動けなくなってしまった。立て続けにコクワ♀が6~7匹ほど採れたところで再度飛翔ストップ!。粘ればまだ来るかもしれないが〇〇が気になってしょうがないので又移動。

〇〇に着いたが師匠の姿は既になし。

ここでは成果無しで終了帰宅した。

本日店を開けてたら、師匠がルアーケースを持って車から降りてきたので『ウッ!』と唸ったらやっぱり入ってましたオオクワ♀が!。

42㎜強前年2次発生の越冬♀のようで、21時40分頃採集したとのこと。聞いている限りでは今期初オオクワということになります。さすがじゃのう~かなわんの~師匠の眼鏡は『虫メガネ』です、おみそれいたしました・・・。

ということで皆さんオオクワもう出てます。見つけられないだけです。腕を磨きましょう。

 

【十和田方面ミヤマ発生】

6月21日十和田にてミヤマ♂の死骸を今期初めて確認。

19日夜にコウモリに食害されたらしい。同日中にミヤマが拾えると確信したところ、やはり居ました!。同時にノコギリ♂もゲット。ミヤマとノコの♂の発生はやはりほぼ同時なのでしょう。

1週間以内にミヤマ♂の個体数は増加すると思われます。

 

【昆虫採集用竿格安代用品情報】

今期はヒメオオを大量に捕獲しなければならん!だが、ルッキングでヒメを採るには手持ちの採集網4.5mでは全然届かん!。

しかし昆虫採集専用の竿は今品薄で更にバカ高い!!。

6万~10万円する上に10m竿は殆どのメーカーで廃番、16m竿重さ5㎏超なんて応援団じゃあるまいし使ってられるかって~の!!。そこで代用品捜しに久々釣具店へ行ってみたところ・・・あった!あった!有りました!つり用タモ網8.1mがなんと5千円台!!!。カーボン製で重さも1㎏くらいか?。アルミ枠が付いてこの値段は買いだぜ!(H師匠曰くプロ仕様は枠を自作しなければならん!・・・らしいがそれは来年ということで・・・)。

欲しい方は青森市そふえ釣具店様へどうぞ、まだ在庫いくつかありましたよ!。

(注:え~網は自作又は専用を買わなければなりません私は小学校以来の裁縫でちくちく自作しました)。

 

【十和田方面採集状況】2010.6.20

H師匠が18日に採集したコクワの良型♂を店に持参してくれました。採れたのはコクワのみだったようです。暫しの雑談後ビールを飲みながらラグビーを観戦しなければならんので帰ると言ったついでに『山に行きなさい』の天の声が・・・。体育会系住人の当方、師匠に言われたら行かねばならん!と店をそそくさとかたずけて出発したんであります。

出発時気温22度、十和田〇〇〇気温18度とまずまず。月は薄っすらと雲に覆われ朧月夜。

結果はコクワのみ♂2、♀3の計5匹でした。今回初めてコウモリ、狐に食害されたクワの死体を4つばかり観察できたが、全てコクワ♂の死骸でミヤマ、ノコギリの姿は無し。

結論、チョリッとは出てるかもしれないけど今期ミヤマ、ノコはまだ発生していない!・・・と思う。コクワだけが連日騒いでいる状況・・・と言う事は、『オオクワ』欲しい人手を挙げて!・・じゃなかった『山に向かいんしゃい!』。1次発生のオオクワは今がチャンスだど~。何故ならば、コクワとオオクワは性質がほぼ同じだからであります。

 

追記:お客様情報6月19日青森市~~でノコギリ発生♂3匹採集とのこと。やはり~~は発生が少し早いですね。

 

【十和田方面他採集状況】2010.6.19

コクワガタ♂♀発生しています(新成虫も)

アカアシ♀(前年越冬個体)採集しました

ノコギリミヤマまだ全く見掛けません????(謎・・・♂は1度は出ているはずだが???)

状況からするとオオクワはもう出ているはずです

以上十和田湖方面。

 

青森市@@@でスジクワガタ♂新成虫採集しました。

烏帽子岳でルリクワガタ棲息確認3令幼虫採集しました(個体数は少なそう)・・・てことはツヤハダもいるかも?(標高が少し足りない気もするが・・・)。

以上参考までに・・・。

マナーを守って事故のない楽しい採集にしましょう。採集に行きたいけどどこに行けば良いのか分からないという方には一般ポイントはお教え致しますので店に来てみて下さい。下手糞な地図も書いてあげます♪。

 

【ゼリー増量法】

どっかで見た記事で『ゼリーのグレードは虫への愛情に比例する』と言う一文があり、ウ~ムと唸ったことがある。だが、良いゼリーは値段が少し高めのものが多く飼育数が増えたり(困ったことにカブトムシが増えるともう大変!)すると懐に響いてくるのである。そこでゼリーをかさ増しすることを考えた訳だが、同じようなことは皆考えているものでH師匠も同じことをしていたと聞いた時は笑えました。

簡単ですのでその方法を公開します。

①ゼリーを適当な容器に入れて加熱して溶かす(電子レンジが簡単)。

②水を入れて増量し、ゼラチンパウダーを入れてかき混ぜ冷蔵庫で冷やす。

③使用済み餌カップ(18g広口カップや60gカップが適当)にスプーンでこの餌を入れて与える。

・・・とまあ以上なんですが、使用する基になるゼリーですが『良いゼリー』は使う必要はないか・・・と。

以前購入したア○○スゼリーなるものはそのア○○スでさえも喰わなかった(何でも食べるカブトムシでさえも喰わないというのはある意味スゲェ~なと・・・何入ってんの?)。

まあその手の奴で充分かと。食いが悪い理由のひとつは添加している糖の種類とその含有量や合成保存料の影響が大きいのでは・・と推測してます。『高タンパク』とかいくら謳っていても『喰わなければ』話になりません。総じてこれらのゼリーは『きつすぎる』のかもしれません。

ところが、今回の方法で作り直したゼリーは基のゼリーより食いがよくなるケースがままあります。食いが悪くて不良在庫と化していたゼリーの処分にもよいでしょう。その他溶かした状態でスポンジ等に含ませ、ストッキングで包んでフルーツトラップの代用品にも出来ますね。

何かお好みの物を加えるとオリジナルゼリーを作ることもできますが、人間の立場であれも入れようこれも入れてみようと懲りすぎると『喰わないゼリー』が出来ることもよくありますんでほどほどに・・・。

 

【採集シーズンイン!】2010.6.13

山のカブトムシ養殖場が荒らされていました。幼虫を推定100~200匹位盗んでいった感じ。

誰が犯人かは検討ついてるんですが、『おめッカブトの幼虫盗ったべ』ちゅ~のもあまりに情けないので今回は放っておくことにしました。まあそのうちに天罰が当たるでしょう。

うちの店に来る常連万引き犯といい、こういう人の頭の中はどうなってるんだろう。養老先生に頭の中を開いて診てもらいたいもんだ。

こんな話はこれくらいにして、H師匠の受け売りですが、6月10日十和田湖にクワチェックに行ったところダイコクコガネを採集しました。(例年ならダイコクコガネの発生は5月25日頃とのこと)

師匠の教えではこいつを見ると3日以内にミヤマ♂と出会えるとのことだったので、昨日の晩も走りましたが、不発でした・・・。

まあ昨日まで1匹も見かけなかったのに、翌日はぽたぽた落ちてるというのがままあるので本当は今晩も走るべきなのでしょうが・・・。

採集シーズンが始まりますので、以下皆さんの参考になるようにH師匠の名エッセイから引用させていただいてカブクワ採集年間スケジュールをひとつ・・・。

 

5月20日~カナブン発生→

数日後(およそ5月25日頃)ダイコクコガネ発生→

数日後ミヤマ♂発生→

5月末までにノコギリ♂発生

6月初旬ミヤマ、ノコギリ♀発生→

コクワ♂♀、オオクワ♂♀発生(6月中旬~7月初旬までがオオクワ1次発生の山)→

7月10日~20日アカアシ大発生→

8月5日~オニクワガタ発生→

8月20日~8月末オオクワ大型♂飛来。

と、まあこんな感じですが以上は十和田湖を基調に記してます。因みに今年は上記データから1週間内外遅れているような気もします。

カブトムシは青森市@@@では例年発生が7月20日~25日頃です。十和田湖や青森市@@ではこれより1週間くらい早いと思ってよいようです。

以上採集の参考にして下さい。