飼育と採集の知恵袋 ~2013年度~

カブクワ飼育と採集について私自身が覚えた事、見つけた方法などの中から役に立つ(事があるかも知れない)ものを紹介してみます。 

尚、ここに書かれた方法等はあくまでも<事例>でありますので、

その効果や安全性を保障するものではありません。実践されるに当たっては、

ご自分の自己責任にてお願い致します。

今期初コクワ確認

 

昨夜6月2日夜、ホームグランドの初巡回に出勤。

気温は計ってないけど肌の気温計によれば19℃前後。

アレレ、昨年まであった自販機が撤去されてる・・・と思ったら長らく消えていた街灯が再び点灯されてたりするが、基本的に新しい明かりはLEDが多いので街灯廻りの昆虫採集は年々先細りの感が否めない。

夏の夜に父の手に引かれて昆虫採集デビューをする子供の姿も減少していくのだろうか・・・。

当夜は街灯下にコガネムシの姿が多かった。

他の甲虫はクチキムシの類いばかりで、オオミズアオの姿もあったが蛾もまだ数は少ない。

そんな中、草の中に蠢く黒い影が・・・コクワの♀である。

5月下旬♂が既に目撃されているがやはりコクワは早い。

手にとってみたら爪先が鋭く立った新成虫だった。

そっとこの♀を草むらに戻し、今年の採集に想いを巡らせる。

この日は友人の土産にするエゾハルセミを3頭のみ持ち帰った。

明日から道具の手入れをしなくちゃ・・・。

人食い熊出現!・・・だそうだ

 

若手採集仲間から連絡があり県内の採集予定を早々に切り上げて北海道に

渡りますという。

現地で人の味を覚えたヒグマが人間を次々に襲いながら逃亡してるらしいのだ。

採集予定の地がその出没地帯に近いので問題のプー太郎が来る前に狙いの虫をかき集めて来よう!という作戦らしい・・・。

ふむ・・・『プー太郎に一合戦挑むのだね?』

いやいや、無理です!』。

以前に熊は鼻の頭が弱点だからそこ目がけて思い切りパンチを打ち込めばいいと言ったおバカな友人がいたが、当たるはずないし、当たっても利かないんであるよ。

西岡の『モンスターズレフト』が炸裂してもくしゃみしてるだけ・・・。

山中の『神の左』が当たっても『今、お前何かした?』で終わり・・・。

内山の『悶絶ボディーブロー』がレバーをえぐっても次の瞬間、あなたの頭がサッカーボールのように地面を転がるだけかも知れないのだ。

獣の毛皮と脂肪はそれ自体がガンツスーツみたいなものだ。

ある人は山中で食事中の大きなカモシカに遭遇したので足下にあった握り拳半分ほどの石を思い切り投げつけたが、腹に命中したというのにそのカモシカは何事もなかったように草を食べていたという・・・。

以前にライトトラップをしている所にプー太郎が現れて近づいてきたらどうするかを虫歯青年と論じた時思いつきでオラはこう言った。

ガソリンの携行缶の中身を辺りにブチまけてやね、その匂いに吊られて毛皮にガソリン擦りつけた瞬間にチャッカマンで着火してカチカチ山にしてやる!』のはどうだ?と言ったら

虫歯青年は眼鏡の奥のキツネ目を怪しく光らせながらこう言った。

なるほど・・・月の輪熊を火熊(ヒグマ)にする訳ですね』・・・。

しかし、これだって成功率は何%だ?。

以前に山中で熊に襲われた柔道有段者の爺さんが何と『巴投げ』で投げ飛ばしたという奇跡のような話しもあった(恐らくその熊はその生涯において初めて空を飛んだ)が、三船久三でも1本取るまでに何回死ぬかであろうよ。

ともあれ、若い友人の無事の帰還を祈る・・・。

 

オオクワ割出中・・・

いつの間にかオオクワの灯火採集も終わりヒメオオも終盤である。

天候不順に邪魔されたりもしたが結局オオクワの県内採集数はほぼ例年並みに納まったようですね。 

来年は月齢もいいので早くも来年の狩りを夢見てるオラではありました。

さて、前の記事に書いた31セット組んだオオクワの産卵箱はその後どうなったのか?。

実はその後もポツポツ採集出来てたのでやむを得ず組んでいたら35セットに増えてたんだね・・・これが・・・。

今漸く割出し始めたんですけども半分くらいを終えて、出てきた幼虫の数は既に360頭を超えましたな(どひゃ~!)。

WDは当たり外れが多い(外れが多いんだけどね)おかげでそれなりに累代するのに必要な分程度の産み具合のものも有るんだけど、ここから割り出すのはF1以降の飼育品・・・。 既に箱の下にウニウニしてる幼虫を見るにつけ冷や汗が・・・。

新産地やレア産地もので産卵数が少なくて今年出せないのもありますが幾つかは販売出来そうなので楽しみにしてた方はもう少しお待ち下さい。

 

大崩落】

以前の記事に書いた車ごと崖から落ちかけた場所にクワガタを採りに行った。

前回の件があるので今回は予め全行程を徒歩で行くことにしてた。

朝昼食兼用のパンを頬張りながら♪♪♪と進み、小さな落石が頻発するカーブを過ぎ来年ライトを掛けようかと思ってるポイントから左に曲がるカーブに差し掛かった。 

ここを曲がると地獄の1丁目~♪』とか軽口を叩いていたら本当に『道が無くなっていた・・・』。大崩壊である。

15メートル×50メートルほどの範囲でそこにあった道も木も全て谷底に消えていた。

そこは大きく高巻いて躱し、更に進むがあちこちで崩壊がありいつも複数のクワガタが付いていたご神木は谷底へ行方不明になってて、昨年55UPのヒメを採ったメモリアルな木はてっぺんの50センチほどを残して土砂に埋もれていた・・・。 

獲物も乏しく上り下りに4時間を掛けて帰る帰路に日本モンキッキの群れに遭遇した。

やたらと威嚇してくるが今回はこんなこともあろうかとリュックの中に襲われても充分に対抗できるリーサルウエポンを忍ばせてある!。

オアラ~!掛かって来い!』と大声で怒鳴る大バカ者とエテ吉との怒声が静かな谷間に木霊していた・・・。 

ここはあと数年で完全に入れなくなるだろう・・・エテ吉の楽園に戻る訳だが仕方ない、それも良かろう・・・。

オラこの道に入るのがやはり10年遅かったとしみじみ感じた・・・。

 

毒虫

9月も10日を過ぎオオクワの採集には月齢や気温などの条件が厳しさを増し、あと1~2回のチャンスがあるのだろうかと言う雰囲気になってきました。

先日の事、ある日ライトトラップをしてたらまたもチャイロスズメバチが飛んで来ました。

今シーズン中盤から見かける機会が多かったチャイロスズメバチですが今までは来ても1匹だけだったので偵察隊が来てたんか?と思ってました。

最初の1匹を撃墜したら後続が無かったので安心してたんですがこの夜は違った・・・。キイロスズメバチが2匹、チャイロスズメバチが4匹来襲してきたんス。

この内の4匹は元幕内板井伝来の『流星張り手』で撃墜し残り2匹は蝶野由来の『ヤクザキック』でペッタンコにしてやった。

虫友のY君がチャイロスズメバチを標本用に欲しがってるのは承知の上だが刺されたら元も子もないから、欲しかったらオラに同行されたし・・・というところだ。

さて、この夜よく見かけるけど興味が無かった頭と足が黄色くて翅が青い(緑っぽい?)小さなカミキリムシ?の虫をY君へのお土産用毒ビンにゴム手で摘んで放り込んでおいた。

後日Y君にこの毒ビンを差し出し欲しい虫があったら適当に抜いてチョ、と渡したら『これですよ!やばいのは!』と指さした。

正式和名がアオカミキリモドキなる虫でカンタリジンという毒を体液に含んでいるとのこと。

刺したり噛んだりということで毒を注入される訳では無く、手で払ったり座ろうと尻で潰すことで体液に触れると酷いかぶれと強い痒みに襲われ水疱になったりするみたい。

時々身に覚えがないのに痒くなったり水疱ができるのはこれだったのね・・・。

ライトトラップ時には長袖の上着を着ているが両腕(特に右腕)は何らかの虫に刺されたりかぶれたりで『病気か?』というほどの状態になってるが気にしない・・・。 

だが、スズメバチ等なら刺されたらその後の採集を断念せざるを得ないから『やられる前に殺る!』である。

今期、採集中に蛾が耳の穴に入り込んで酷い目に遭った友も居たが、以前見た記事ではこのまま病院送りになった人もいるみたいだから侮ってはいかんのだろう。オラも耳に何かの虫が入りかけたことは何度もあるので耳にティッシュでも詰め込んでおくかな?。

いずれにせよフィールドに出ると言うことは危険に遭遇する確率が増すということだから予防その他皆さん気を付けましょうね。

 

要注意スズメバチ大発生?】

全国的にスズメバチが大発生してるとか・・・。

東北は初夏低温だったので関係無いかと思いきやライトに飛来するスズメバチの数が多い。

最近では殊に奥入瀬渓流を初めとする渓流沿いに顕著だ。

それもチャイロスズメバチの数が今までないくらい目撃する年である。

このチャイロスズメバチは毒性も攻撃性も高いらしくライトを炊いて飛来した奴はかなりしつこいみたいだから厄介だ。

黒っぽいので夜のライトトラップ時に見れば何か黒い虫が飛んでる・・・くらいに油断し易いのでは?手で払って刺されでもしたら大変な目に遭うから要注意です。

秋のスズメバチは攻撃性が増すとも言いますので昼夜問わず奴らには充分に気を付けて下さい。

 

ちょっと休憩・幻のオオクワその後

施設に入所している親父の今後についてと、主治医から呼び出されたのが今月の月初。 

アルツハイマーの発症から10年が経ち身体各機能の衰えが激しいことからいつ何時『その時』が訪れてもおかしくないので今後の治療方針を・・・とのことだった。

親父の場合ミキサー食の飲み込みが悪くなってきてるので誤飲による肺炎が一番怖いと説明されていたが一昨日の早朝に施設の方から連絡があり高熱が出たので救急車で病院に搬送したとのことだった。

病院での診察結果はその誤飲による肺炎・・・。

幸いながら今のところは持ち直している様子ながらまだ油断ができないことから夜の採集は中断して自宅待機になっている。 

疲れも溜まってたのでちょっと休憩といったところです。

親父がまだ自分の意思で最後の希望を口にしたのが『爺さんと同じ歳まで生きたい』という言葉でして、これは今年めでたく85歳と達成!。子としてはせめてあと1歳足してあげたい気持ちがあり今朝親父には『もうちょっとだけ頑張ってみよう』と声を掛けてきました。

 

幻のオオクワと呼んでいた県内産地の昨年産まなかったWD2♀が今年は順調に産んでいる様子・・・。

一番採りたかった産地で採るまで3年掛かったことや、採れた時が劇的だったので特に思い入れが深い産地でもあります。

昨年採集した3♀の内で唯一持ち腹で産んだ幼虫を一部昨年販売しましたが、その購入者の方から嬉しい羽化報告が届きました。

送られて来た画像とデータでは♀の羽化サイズが45~48㎜台で、♂は1頭ながら73㎜とWF1としては上出来では?。 

大きさに期待する産地ではありませんでしたが腕のある方が一生懸命飼育してくれたのだと思いました。

さて、その子供達なんですが♀は親♀に姿形がそっくりでそのまま大型化。                 そして♂は昨年唯一採集したWD♂と比べると顎が少し太いながら、後は顎と頭が短くて胴が長く、眼上突起が滑らかという点が酷似してました。

どこにも似てない』と言われたこの産地の特徴なのでしょうか?。

検体数が少ないのでまだ何とも言えませんが期待してしまいます。

実は今年この幻の産地に比較的近い新産地のオオクワが採集されてまして、採集された♀は今オラの所で産卵箱に入ってます。

この♀が採集された場所から更に別方向にも棲息しているのがほぼ確実なことからあと2~3年で青森県のオオクワ生息地は結構拡大解明されると思われます。

十和田湖周辺が有名だった青森のオオクワですが『実は青森県内はどこにでもオオクワが居る』ということがいよいよ現実味を帯びてきました。

幻のオオクワとはまた違う特徴を持ったオオクワが実はあなたの家の裏山に居る!となったら素敵でしょ!。

 

秋の風物詩ヒメオオ登場!】

日曜日ヒメオオチェックの為午後3時半開店と張り紙しながら帰ってきたのは閉店時間のバカ店長です。

ヒメオオが今期姿を見せ始めてから2週間と言ったところですがまだ本格化してませんでした。月末~9月初めには楽しめるかと思います。 

オオクワは9月10日前後で今期終了の気配です。

カブトムシの姿も急激に少なくなってますので欲しい方はお早めに・・・。

今年当たり年だったのはミヤマが数と型、コクワが数、セミが大爆発で、ノコギリが数も型も今一だったように感じます。

オオクワでラストスパートして、ヒメオオを摘んでルリとツヤハダ採ったら白い悪魔が降ってくるんですね~淋しいな~。

 

再点検②】

オオクワ採集中途集計が30~40頭前後と書いたがこれは一昔前ならたった一人の腕の立つ人の採集数とほぼ同じである。

では環境が変わったか?オオクワの数が減ったか?と言えば答えはノーに近いはず。

いい街灯が減って街灯廻りの採集数が減ったのは確かだろうが、棲息数は一部例の伐採でダメージを受けてる他は逆に街灯での採集数が減っている分増加してても不思議ではない。

違う部分は一昔前の方は不必要なオオクワ(特に♀)はリリースしてたが今は殆ど持ち帰られてることだ。 だが、それにせよ今の採集数なら数に影響してるとは一部のポイントを除けば考えにくい。

青森のクワガタ採集出来る地は広大であるが今は十和田湖周辺に殆どの人が密集してる。

巨匠がおっしゃっておられたが全国的に飼育者数が激減して逆に採集者数が増加してるのだそうで、県外の激戦区では夕刻の場所取り合戦が熾烈でマナーもへったくれも無い所も多々あるそうな・・・。

いずれ青森もそうなることは想像に難くない。 

オラが変な所に行っているのは皆のその時の為に開拓してる・・・なんてことはじぇ~んじぇんありましぇんから!。

単に行きたくて見てみたくて行ってるだけだんず。

第一、オラが行ってる所を天国であるかのように語って不特定多数の人に公開したら死人が出るでば(それで喜ぶのは葬儀屋と坊主だけだべ、オラの行ってるとこは地獄に近いど)・・・。

それでもオオクワに限らなければ人が入ってない良い場所に当たれば夢のような飛来を目の当たりにすることは事実だ(良い場所と良い日が重なればの話しだが・・・)。そしてそれはオラが行く危ない場所じゃなく安全に気軽に出来る場所も当然多々ある(ただちょっと遠いだけ)。

前回記事で採れない人に共通してるパターンの打開策として三つ挙げたがもう少しだけ詳しく・・・という声が複数寄せられたのでヒント程度に補足しましょう。

けど、オラ青森から出て採集したこと無いかんね、途上の人間だし間違ってて逆に成績落ちてもオラ責任持たないかんね。

➀新規の場所開拓

これは樹液採集とかの経験があった方が有利だと思うがあとは行って掛けまくるしかなかんべ。

時間を掛けて金を掛けて良し!と狙いを定めた場所にトライしてドロドロになって帰って来る・・・の繰り返しなんだが大切なのは本当にここは良いのか悪いのか?の検証と日中から下見することが大事だとだけ申し上げておく。

そう言えば虫歯青年もオラの甘い言葉に誘惑されて原生林の中を彷徨い、ヘドロになって帰ってきたっけ・・・。

②道具を見つめ直す、使い方を見つめ直す

言ってしまえば火力が足りない道具と火力が強すぎる道具のどちらかに偏った品揃えの人が多いように思うんだな(しかしどちらもお金はそれなりに掛かっている・・・)。

火力の違う複数の道具を持っている人で場所を考えずに持って来た道具を全部点灯してるのも見た(焼山が銀座になってましたな)。

虫採りに来たのか盆踊りをしに来たのか?ボクよく分かんない・・・。

その場所その状況によって合う道具と合わない道具があると思います。 

小火力(200ワット以下)の道具しか持ってない場合は大場所では勝負にならないケースが多いから自分の道具に見合ったポイント開拓が大事になるのでは?。

大火力の道具(1,000ワット以上)しか持ってない人・・・これ、意外に多くて特に県外からの人が多いようです。

狭い場所で大光量をブチかますから威力の割に成績が悪い人が多いはずです。 更に近くのパーティーにまで大光量の干渉が及びますので共倒れの原因にもなり『リンダ困っちゃう』です。

遠くの虫を引き寄せるに有利ではありますが扱うのが難しい道具でもあると思うんです。

では青森でのベストチョイスは何か?オラも色々とチョしてみて(使ってみて)他人のも見て出した答えは1灯だけなら400ワット水銀灯(狭角スポラート)をお勧めします。

2灯目を検討されるなら400ワットのHIDか?広角か狭角かはその人の技術や戦術次第だと思いますが、あるいは大場所対応を考えて800~1,000ワット(狭角)の導入ということになるのではないでしょうか。

いずれにせよ以前の記事にも書きましたが青森のポイントの7割以上は400ワットが1基あれば大体対応できる汎用性の高い道具であると思います。

③セットアップ

セットアップとは何ぞや?との声が多かったので・・・。 

持って来た道具の内何をどう使うか?、その道具や備品をどこにどう置くか?ということですがライトを据え付ける台の高低の調整、複数のライトがある場合1灯立てで行くか2灯立てで行くかというような些細なことも含みます(しかし大事)。

縦2連立てのセットは特別な状況じゃない限り必要じゃないと思いますが(この辺はオラもまだ勉強不足)縦3連立てのセットを見かけた時は舞踏でも始まるのかと思いました。実は絶大なる効果があるのだ!とすればごめんなさい!です。

セットアップは間違うとせっかく飛んで来たオオクワを逃がしたりお隣さんに進呈したりになるので些細に自分の道具でその場所その条件に合った調整にするのが非常に大事だと思います。

採れない・・・と今期お悩みの方はセットアップがいつも同じじゃないですか?昨年採れてたのに同じセットアップで今期採れないなら何かが変わってるんじゃないですか?そこは再考してみて損はないかと・・・。

巨匠に君は青森では1灯が多いの?2灯が多いの?と聞かれて初めは2灯でやる場合が多かったんですが今は殆ど1灯立てで、1キロを使う場所もあまりないですと答えたら『正解だと思うよ』と言われました。 

因みに青森在住者で2灯使って安定した成果を叩きだしてるのは3~4名じゃないかと思うんだけど理論と実戦に裏打ちされて状況に応じて鮮やかに使い分けているのは十和田のN氏だけかも知れないです。

最後にもう一度、青森の各ポイントは300~400ワット1基で7割の場所と条件をクリアできるはずです。

 

再点検】H.25.8.19

虫屋をやってて面白いことの一つが各種情報が集まってくることだ。

例えばオオクワ一つとっても『去年の半分も採れない』との嘆き節も聞こえる。

ガスが・・・風が・・・温度が・・・理由は様々で、確かに厳しい条件の日は多かったけど本当にそうだろうか?。 

どれどれ、集計してみようか・・・8月18日までの確かと思われる数を集計すると青森県のオオクワ採集数は30~40頭の間で推移してる(オラの耳に入らない実績もあるので35~40頭くらいが妥当な線と思われる)。                                                         ん?これって前年同時期とほぼ同じじゃないか!。

つまり去年採れてた人が数を減らしても採れなかった人が採れたり新たに参入した人が採ったりという事じゃないか。

採れないと言う人にはある複数の共通パターンがあるのも見つけた。

そこを改善するには次のことが大事かも知れない。

➀場所の新規開拓をせよ。 

②自分の道具を見つめ直す、使い方を見つめ直す。

③セットアップを見つめ直す。 

たったこれだけだが、今期採れないと嘆いていた人に道具の置き場所と光の通し方が違うとアドバイスしただけで1頭手にしたという事実もある。

オラも前回記事で目から鱗がまたも何枚か剥がれ落ちて自分のライトトラップを再考しているところであります。

オオクワに関して言えば採れないんじゃなくて実はオオクワはあなたの側まで来ているのにそれを不適切なセットで弾いたり見つけられないことの何と多いことか・・・。 

他人のライトトラップを見ていてこれは絶対に弾いてる!と感じ、同様にそれを感じ取っていた某氏が翌日同所に入って難なく1頭ゲット!と言うこともあった。

こういうこともあると知るだけでも結果に影響するかも?です。

 

ここから今日の本題。

ライトトラップ熱が高まってきている本県ですが愛好者数の増加と点灯される日の増加に伴いある貴重な虫が大移動したようです(あまり居なかった所に大集結)。

敏感な人は既にそれをキャッチ!しており行動に出てます。

人が動く事が自然に一番影響を与えるのでしょうね。

 

ライトトラップの醍醐味

オラの記事にはオオクワや採集について書くと訪問者がど~っと増え、お化けについて書くと潮を引いたように少なくなる傾向があって面白い。

皆んなお化けは苦手なんだね(そりゃそ~だ)。

今、オラは青森県でも妙な危ない場所に突撃して行っている採集屋の部類に属してると思う。何故そんなことをしてるかというと虫も欲しいけど究極的には『見たい・知りたい』からで、今のスタイルは年齢と体力的にあと何年も出来ないと悟っているからだ。

もう少しだけでも自分を高い所に押し上げられれば足腰が立たなくなる直前に見える景色が違うかも?という修行の場とも捉えている。 

クワガタの採集は多分殆どの人は餌トラップと街灯廻りで入門してると思うんだが、オラは基本は樹液採集と街灯廻りにあると思っている。

狙っている虫の習性や生態、それらに関する樹木の知識等を学んでからライトトラップに進むのがいいんじゃないかと・・・。

ライトトラップの楽しみや醍醐味というのは自己の知識を総動員して場所を捜し、暗闇の世界を照らし、何が飛んでくるかというワクワク感に浸りながら意中の虫が飛んでくる姿を目撃して手にするに至るまで全てが楽しい。目的の虫以外に飛来した虫を愛でたりそれらの虫から新たに得られた情報(コレが居るってことは状況から言ってアレも居るな・・・とか)からまた新しいトライが始まったりすると目的の虫が採れなくても焦燥感に浸ることも欲に走ることもない。

ライトトラップは最初手軽そうに思えたが、何の採集方法でも同じで結局奥が深い。 

同じような道具を持っていても場所の選定、風や月や天候の読み、道具のセットアップ、光の通し方やその他のテクニックで結果はまるで違ってくる。 

自分のやり方が正しかったかどうかは他者の結果と比較すると確認し易い。

自分一人で高い極みに登ってしまう天才型の人もいればオラのような凡人もいる。オラは良き先輩と仲間に恵まれて幸せ者だな・・・。

そんな中、また高い極みにいる人の採集に立ち会うことを許可されて勉強させて貰った。

その日やる場所の選定からして読みが違うんだが実際にライトオンしてからこうなったらこうすると言った次の手立てがその時点でもう組み立てられてる。

初日巨匠が選んだ場所は地元の中では条件と道具が物を言う場所・・・しかし温度は上がらず風と半月が影響必至の状況で、匠はいかなる方法を取るのか?に興味津々。

オラなら諦めたりはしないが『出せるか?』と問われれば『自信ないっス!』と自信を持って答える状況である。

まずセットアップからして違った・・・オラのライトを置く場所と匠が置く場所が違う!。

他の細かいセットアップも違う。

光の通し方も違う・・・何故?何で?どうして?。

教えてくれるかどうかは分からないから聞く前にまず自分で考えてみる・・・。

これはこういうことですか?』と尋ねると『そういうことだよ』という答えもあれば『そうじゃないんだな』と言う答えもあり、そうじゃないんだの中にオラの盲点があった・・・。

結局この日匠は地元勢10人が挑戦すれば間違い無く8~9人轟沈する(もしくは全滅)する状況の中見事に本命を抜き出してしまった。

翌日巨匠が選んだ場所はまたも風と半月が邪魔をし、温度も適正に至らないという三重苦のヘレン・ケラーにシーズンインしてから連日攻め立てられてて1苦足した四重苦の場所・・・。

この辺だと今日勝負できるのはここしかないから』という理由だったがオラなら遠く離れた場所に行くパターンだ、さあっ!どう挑むのか拝見させて頂きたく候なり。

最初から見学させて頂いたがまたオラとセットアップも光の通し方も違った。だが悪条件の中で普通種も結構来る。

オラがやったらまずここまでは飛んで来ないと思われる数が来る。

その場所の攻め方で教わったこともあれば、そういうことか・・・と気が付いたこともあった。

結局この日も本命を出してしまった。

今シーズンは条件が悪いという声はあちこちから聞くしオラも昨年より採集数は落ちてるけど匠が青森在住なら、またオラの師が現役復帰したら現時点で20~30頭は最低抜いていると思う。 状況が悪くて採れないんじゃなくてオラ達に採る力が無いんだと痛感した。

勿論数を競っている訳じゃないから例え年間採集数が1頭でもそこに納得して満足感を抱いている人は立派だと思う。

そういう人はオラとは1匹の重みや価値観が異なるだろう。

だが、これらの力のある人というのは採る技術だけでなく生態や習性や環境や気象など虫採りに関係する全ての事象に精通しており精神まで持ち合わせている。

そこから見える景色をオラも出来るだけ近くに登って見てみたい。

学習させていただいた事を土台にオラ自身のプロセスやアプローチを加えながら・・・。ライトトラップは昆虫採集の方法の一つに過ぎないが極めようと思えば道は遠い。

けど、一つ知る度に覚える感動・・・『知る喜びと達成感』これが醍醐味の正体か!と思うのだが皆さんはどうだろう?。

                                                 

オオクワ2次発生確認

8月11日オオクワの二次発生を確認致しました。

傷一つ無いピカピカ♂の大歯で、反応こそ早いもののまだ何の外敵とも闘ったことが無いようでファイティングポーズも様にならないような感じの個体でした。

同夜には虫友も同様の♀を採集、いよいよ終盤戦であります。

今年はスタートで低温と雨にやられ、諸氏苦戦を強いられたかと思いますが7月下旬からはそこそこ得られているのでは?。

多産地よりもむしろ新産地とレア産地で結果が出てる?妙な年でもありますね。当地でも年々増加している採集者の採集圧の影響もボツボツ出ているかも知れません。

ただ、幸か不幸か青森は未開拓ポイントが無数にあります。自分だけのマイポイントを探り当てるも一興。ただ、彷徨う内にオラみたいに車ごと崖から落ちそうになったりしないで下さいね。オラの一家は絶滅危惧種に近づきつつある気楽な独り者だからバカなことやってるけど・・・。

オニクワは発生状況から見て既にピークに近いと思われますが数が少なめで全般小型です。 昨年のような大型のロングランは望めない感じですので欲しい人は今の内でしょう。

ミヤマ・・・まだピカピカの♂個体数がスレ個体数を上回るという???の状態です。

コクワは当たり年かも知れません。

やたらと数が飛んで来ます(大型は殆ど無いけどね)。

アカアシとノコ・・・殆ど話題にもなりません有名街灯採集地でも無視されてる不遇の虫よ・・・。

あと、セミの当たり年であるようですね。

 

8月12日

新しく見つけたポイントにY氏を誘蛾灯のような甘い言葉をかけて誘い出し採集に出かけた『何が居るか分からんぞ!』『でかいヒメオオが居るかもよ!』と・・・。 

彼は昆虫全般に詳しいだけでなく植物その他にも明るいので新ポイントの分析には強力な味方となるんである。

待ち合わせ場所で合流して早速アオカナブンの赤い色変わりの個体について聞いた。ブルーなどの色が出るのは別種でアオカナブンの場合は色彩変化は赤だけであること。

赤くても緑が残っていれば価値が下がること、数を採れば赤は必ず採れるが誰もそこまで真剣にやらないこと・・・。

色が変わる要因は?出現率は?と尋ねたら『あまりにも普通過ぎて誰も真剣に調べる研究者がいないので実は生態がよく分かっていないのです』ほ~そうだったのかや・・・。 

昼の採集は酷暑の中散々歩いてY氏は何でも来い!の人だから何かしら摘んだがオラはただ歩いて水を飲んでいただけだった。

夜の部は風にやられてほぼ轟沈!だが、Y氏は割と珍しい部類の蛾が居ますよと集めていた。

『夏の西風は夜には落ちる』という先人の理は近年霧散している。

この夜強風の中小型種クワガタ♀が飛来した。

これで走光性のあるクワガタは1種を除いて全種ここで確認できた。

と言う~ことはアレだよね?。

ここで頑張りなさいっつ~ことだよね。

 

青森にも居た!レアカラーのカナブン

カナブンの色変わりが居るのは知っていたが青森で自分自身では見たことがなかった。

ツートンカラーなんかが珍みたいだけど・・・。

カブトムシの♂が足りなくなったので近くの里山に補充しに行った。

そこはカブト、ミヤマ、ノコ、コクワ、アカアシ、スジに混ざって毎年沢山のカナブンが見られる場所だけれど色変わりのカナブンは見たことが無かったのでここのカナブンは安定してるねェ~とか思ってたら今朝2頭の赤いカナブンを捕獲した。

何か環境が変わったのだろうか?。

カナブンの場合色変わりが出る要因は何?。

赤いカナブンの出現率は?。

こういう時は八戸のY氏の出番だ、今度聞いて見よう。

 

青森県・放虫問題

オラの店に何の虫か?と持ち込みで鑑定依頼された。

捕獲した中学生はヒラタか?と言っていたのでオラも興味津々だったがその正体は『クルビだでば!(クルビじゃないか!)』・・・。 

捕獲場所はいわき山のとある街灯で昨年♂と♀を同所で得たとのこと。

♀もオオクワの♀とは点刻が異なり、クルビの特徴と一致、ほぼ間違い無く同種の♂と♀と判断した。

一つだけ嫌だったのがその♂も♀もやたら動きが良かったことで、まるで野外品のような反応を示したことだ。

ひょっとしていわき山で放虫されたクルビが密かに繁殖してる?と頭をよぎったがどちらも新しい虫であり、外産種・同種のドルクスが一つの街灯下で得られた状況を考えると誰かがこの街灯下に放虫したのをこの中学生の子が直後にセーブしてくれたと考えて良さそうだ。

幸いにもこの虫は拾った子が大事に飼育してくれている。

県内において外産の虫を野外で見かけたらそのままにしないで捕獲飼育してくれるか、それが出来ないならば可哀相だが生態系維持のため殺処分をお願いしたい。

国産種と交雑したり繁殖する可能性のあるルカヌス属やドルクス属等は絶対に放虫してはいけない!。

わざわざいわき山まで出かけて行って放したのであれば悪意があったか逆に殺すに忍びなくここなら生きていけるか(繁殖・交雑の知識無し)と放したのかも知れないがいずれにせよ放虫はやめて下さいね。

 

8月9日

今年最高の日になる予定の9日は豪雨と風であっけなく潰れた・・・。

この日は鉄砲撃ちK氏とその北海道在住のお孫さんと一緒にライトトラップをする予定だったが豪雨の影響で危険と判断し急遽引き返して十和田湖を目指したのでロングドライブとなった。 

いくつかのポイントを見たが風や霧でどこも駄目。

離れた場所ならこの風向きでもやれる所はあったけれど移動時間が無い。

一応青森のライトトラップはこんな感じと見せる為の場所を捜した。

選んだ場所の上に先客が居たのでその方の明かりに干渉しないように反対方向の低い位置に照射する。 

この状況ではすぐ近くの♀や小さい個体しか飛べないから、と説明したがその通りで開始間もなくミヤマの小♂と♀が各1頭飛来しただけだったので30分で見切りを付けた。こんな時は街灯廻りに限る。

クワガタ採集は樹液採集と街灯採集に始まり終わる・・・。 

良い機会だからこれらの基本を学習していって貰えれば良い夏休みになろう・・・。

先行者がだいぶ居たが心配するでない、先行者が見落としたものや見てないものを採れば良いのだ。

先の人が要らないからと採らなかったのもあれば見つけられなかったものもある。

 ・・・とここで1本の木が・・・これは付いているに違いない・・・。

見るとあちこちにクワガタの影が現れた。

だが、この木は離れた場所に生えているからかなり竿を伸ばさないと届かないし、付いてる場所が幹や枝の採りにくい場所に付いていたり枝先に付いていても折からの強風でしがみついている獲物をどうやって回収するかが問題・・・。

はっきり言って半分採れれば御の字だが、全部落としたら面目丸つぶれ・・・。

こんな時は賢い大人のずるい戦法として『君の虫だから君がチャレンジしなさい』と網を渡して全部落とさせる手もあるのだが・・・。

ここは花の応援団青田赤道と化して心の中で『チョンワ!チョンワ!』と叫びながらオラがレッツトライ!

強風の中5~6メートルも竿を伸ばして虫を採るには技術だけでなく腕力も必要『技は力の中にありBY大山倍達)』

結果は・・・全部回収!子供が感心してくれたがオラがこの日一番緊張した時間だった(ふひょー)。

一緒に行った子は将来獣医さんになる予定の子で普段からお父さんと昆虫採集をしている上に頭が良く、教えた事はすぐ吸収するし礼儀正しいので気持ちがいい。この日一応数は50頭くらい見たので楽しんで貰えたようだ。

帰路につく頃流石に疲れたようで車の中で爆睡してた寝顔が可愛かった。 

この子がやがて成長して家庭を持ち、自分の子供を連れて昆虫採集を楽しむようになる頃にオラは既にこの世に居ないかもしれないがオラの技術と精神の一部でも受け継がれたらこんな嬉しいことはない。

オラが小学生だった頃道南にあれほど居たダイコクコガネが今は殆ど見られないという話しに淋しさを覚えた。

                                                                                                           

ヒメオオ・オニ発生確認】H.25.8.8

ヒメオオは1週間ほど前から姿を見せ始め、オニは一昨日発生が確認されました。最近の採集は書けないことばかりの驚きの日々・・・。

明日9日は大爆発の予感が・・・。

 

8月6日

休日を利用して遠くへ出た。

出発時には特に良い日よりとも思えなかったが現場に近づくに連れ怪しいオーラが少し出始めた。 

当日の天気予報では豪雨の注意報が出ていたがどうせ天気予報は当たらないしせっかくの新月廻りだから降ったら降ったで街灯廻りしながら帰ればいいやと思ってたのが良い方に転んだか?。

現場までに多少雨がぱらついたが予報は結局当たらなくて済んだ。

当初違うポイントに入る予定だったが、難易度は上がるけど新しいポイントを見つけていたのでせっかくだから新しい場所に入ってみた。

虻が酷くて日没まで車の外に出られない。

漸く陽が沈んでセットアップ開始、持って行った道具の中から現場に適してると判断した400ワット侠角のライトをチョイスした。

点灯開始直後は何も飛来せず場所の判断を間違ったか?と少し不安になったが、それからが大変なことになった。

次から次へと降ってくる!。

ライトの前を一回りする都度10頭前後を掴んでくるが指が足りず服に付けて戻ってきて強制収容所に投入!の繰り返し。

漸く飛来が納まったか?と思っても位相を変えるとまた次から次へと振ってくる。もうそろそろ終わりかな?と思っても何らかの手を打つとまた5~10頭飛んでくる。

更に青森では珍なはずのコカブトも今年何匹目?でやってきた。

午後11時を回ってもミヤマとノコはいつまでもダラダラと飛んできて止めるに止められず困ってしまった・・・。

採集しながら思ったのはミヤマ♀のサイズが大きいこと、ミヤマ♂が未だにスレ個体が混ざらず比較的新しい個体が多いことが印象的だった。

良い場所にも関わらずここはきっと誰も手を付けてなかったんだろう。

午後11時半になってやっと飛来が止まった・・・と言うよりは手を下すことを止めた。

本命こそ来なかったものの普通種の飛来数ざっと軽く200以上だったので撤収作業と持ち帰り個体を選ぶのにそれから1時間近く掛かった。

やっと帰れる・・・訳がなかった。帰路の街灯を見たらこれまた落ちてるもんだからチェックしながら帰ったら家に着いたら午前3時近かった。

急いでアルコールの儀式に挑み、チュー(オラのペット)と夜明けまで遊んだのでドロドロになった・・・。

飛来数では自分自身では過去最多だったかも知れないが、先輩達の古き良き時代(と言っても僅か十数年前)にはこれが300~500頭だった!と聞くから恐れ入る・・・。

そんなに来たら良いモノを間違って放流しかねまへんがな。

 

ツキノワグマの習性

鉄砲撃ちのK氏が又孫が遊びに来るのであなたのポイントに入らせて欲しいと律儀に挨拶に来てくれた(焼酎と鹿肉の缶詰付きで・・・)。

鯛は海老で釣れ、オラは焼酎で入れ食いになる!っとバレている・・・。

どんじょ!どんじょ!(どうぞ、どうぞ)』と言いつつ視線は焼酎に釘付け・・・。

ツキノワグマは昼間しか見たことが無かったのでてっきり昼行性だと思い込んでいたが、ヒグマと同じく夜行性であるとのこと(若いツキノワは昼にウロウロすることがあるらしい)。

又、揮発性物質が好きなこともヒグマと同様であると教わったので山の中のライトトラップ時の給油は注意すべきだ。

K氏は凄腕の鉄砲撃ちだ。

一昨年梨の木に熊が出て注意の看板が立ちましたねとオラが言ったら『それはもう俺が仕留めた』と言い、去年はあそこにも出たらしいですねと言ったら『それも俺がもう仕留めた』とおっしゃる・・・。

ともかく熊が出たら教えてくれというので早速1件情報提供した。 

こんな凄腕の鉄砲撃ちから狙われているにも関わらずここ何年か逃げ延びている頭のいい熊もいるみたいで、K氏曰く『あいつは大したもんだ』とのこと。

皆様も熊を見たら→ファーブルに通報→K氏に通報→(ひょっとして)熊肉のお返し・・・と言うこともあるかもよ?。

そのK氏から◯◯の肉ならあるから食べるか?旨いぞ!と言われたが『それだけは勘弁して下さい』と丁重にご辞退申し上げました。

 

ライトトラップで虫に刺される!】

採集仲間に報告事項があったので電話したらライトトラップ中なんだけど虫に刺されてかなり痛い!と言っていた。

翌日同氏から電話をもらったら、何と入院することになったとのこと。

昨夜は腕が腫れ上がり曲がらず、痛みで殆ど寝れなかったらしい。

スズメバチではないけど黒くて大きな虫が飛んでいたのは見たんだけど・・・と言ってたので敵は何かの蜂か?。

あの屈強な氏を倒す虫が居たとは・・・。

アースジェット』を持って氏の敵討ち!に行きたいとこだが敵の正体が分からぬ・・・。フィールドに出るということはこういうことだから皆さん気を付けましょう。

お大事に・・・復帰を待っています。

 

十和田湖Nポイント復活!・・・ならず・・・】

夏の風物詩、街灯廻りによる昆虫採集の名ポイントとして十和田湖のYポイントと並ぶNポイントの街灯が消えて2年と久しい・・・。

オラの思い出の場所であり、何とも言えない風情もあり一番好きなホームグランドといえる場所である。

何とかここを復活させる手立てはないものかと思案に暮れていたが、今年4基ある水銀灯の内一つだけが7月後半から突如として点灯した。

だが、火力が足りないせいでそこに落ちる数は以前の四分の一にも満たず、その奥に並ぶ自販機まで殆ど流れて行かなくなっていた。 

この街灯の管理者は誰なのだろうか?そして消えた理由と再び数を減らして点灯した理由は何なのだろうか?。

再点灯前の7月初旬に50ワット二基のライトを炊いてみたら以前と全く同様にライトの前にも落ち、自販機にも流れて落ちた。そこでせめて二つ点灯されたら以前とさほど変わらない落ち方をするのではないか?と考えていたところに一つだけ点灯されたので行動することにした。

街灯の管理者が地元商工会の自治体等なら交渉の余地があるかも・・・という訳だ。

と、その前にどの明かりが何個点灯すれば復活!と言える効果をもたらすのか前もって調べておこうと考えた。

前回の採集時にひょんなことから知り合った民宿根岸家さんのご主人にライトを掛けることわりを再び申し入れ了解を得て今度は400ワット1基と50ワット2基の組み合わせも試すことにした。 まず、400を点灯したら虫はやってくるが自前のライトの前には全く落ちず再点灯した水銀灯に殆どが吸い込まれて行った。

流れて行く虫もいたが隣の自販機までで、その奥には至らなかった。

次に400を消して50ワットを1基と2基の二つのパターンで点灯させてみたら良い感じになった。 以前ほどではないが奥の方まで多少流れて行く。

各パターンを3回ほど繰り返してみたが結果はほぼ同様だった。

結論としてあと一つ点灯してもらうことが可能ならば以前に近い状態を楽しめると思われた。

次は交渉先の解明であるがこれは地元の根岸家さんに聞けば分かるに違いない。ただ聞くだけではしょうがない、今まで虫を拾わせていただいたお礼を兼ねて宿泊しながら諸事情を尋ねてみることにした。

最初に会話した際に聞いた宿の『裏メニュー』なるものにも大いに期待しつつ・・・。

予約をして根岸家さんにチェックイン。

一風呂浴びた後で諸事情を聞いてみた。

この宿は以前は現ご主人の叔父さんの経営だったが体を壊し、2年間営業しておらず今年から今の体制で復活したばかりとのこと。

水銀灯の管理者は国土交通省であること。

2年前は震災とその後の電力不足によるかも知れないが、要は夜も居住している地区でなければ点灯の必要無しと判断されているらしいということだった。

防犯上とか災害対策とかの理由が無い限り交渉は難しいのかと思われた。                       ともかく夜にこの地区で人が寝泊まりしているのは根岸家さんだけなのでここが無くなればこの街灯は全て消えて真っ暗になる訳だ。

及ばずながら少しでも応援せねばならぬ。

ということで当面は街灯一つであれ有り難く拾わせていただくに留まるのであろう。

ご主人が言っていた『裏メニュー』とはのことだった。

手に入れるべく奔走してくれていたようだが残念ながら今回は品切れ中で賞味はできなかった。 その代わりに基本メニュー以外に鮒やワカサギの甘露煮などを余分にお膳に付けてくれたので酒が進むことと言ったら・・・。

鯉は処理や料理の仕方で天国と地獄の差があるようだが、後にある人から教えてもらったら十和田湖の鯉は絶品であるという。

いつかまた宿泊して是非食してみたいと思う。

根岸家のご主人は虫に関しては殆ど無関心だったとのこと。

何か懐中電灯持った人がウロウロしてると思ったらそういうことだったのかい!』。 

ご主人は中々面白い人で、自分を含めて色んな人がここに昆虫採集に来るので宜しくお願いしますと言ったら右の手のひらをサッと差し伸べてみたり、部屋を案内してくれた際には『民宿っちゅ~のはネ、自分で布団を敷くところらし~よ♪』と茶目っ気があるので一緒に杯を重ねながら大いに盛り上がった。 

この夜は別な場所でライトの予定だったが少し風があり、気温が日没後ガタンと下がったので諦め、その代わり街灯にこの条件で何頭落ちるか時々確かめたがミヤマの♀が1頭だけだった。 集客力が落ちてるな・・・。

栃の間という湖岸側の部屋に泊めていただいた。

連日の採集で疲れていたので翌日は早く起きれないと思っていたのだが、夜明けの小鳥のさえずりで目が覚めた。

無風、久しぶりの快晴で夜が明けるに連れて湖岸と山々の姿が刻々と変わっていく絶景を堪能した。

ホームグランドであっても普段めったに見ない真の光景はいいものだ・・・。今度はメシだけでも食べに来よう。

根岸家さんは一泊(夕、朝二食付き)で6,300円、ヒメマスの刺身や焼き魚付きなのでかなりリーズナブルだと思います(お部屋もきれいでした)。 

以上、調査レポートでした。

                                                                                       

【オニが出る

芳しくない成績が続くなか、早シーズンは中盤戦に・・・。

中盤戦にポッと出てパタリと消える虫、オニクワがそろそろ登場です。

昨年は異常で1ヶ月半くらいのロングラン上映でしたが今年はすぐ消えそうな予感がする。

オニクワを愛でたい方はここから3週間くらい要注意ですね。

 

オニには特別な想いがある。

小学校の昆虫少年だった頃住んでいた北海道の官舎の玄関前にある朝ポッと落ちてたのが大きなオニクワの♂でした。

当時持っていた学研や小学館の図鑑には勿論載ってなかったのでてっきり新種だと思い込み大事に保管してたんですな。

中学に入る時に青森に引っ越したので理科の先生に鑑定をお願いすべく渡したんであります。

しかしそれから待てど暮らせど一向に結果を教えてもらえなくてシビレを切らし、先生にどうなったのか?と尋ねたら・・・。

黒板に印刷したようなきっちりとした字を書くことに異様な執念を燃やしていたその先生はあっさりと『御免!紛失した・・・』。

オラが激怒したのは言うまでも無い。

その後それはオニクワだったと判明した訳だがあのときの興奮と落胆は未だに覚えている。越田先生!あれから37年経ったけどオラ忘れてないかんね!。

そのオニにまた今年ももう少しで会えるわけだ・・・。

 

7月25日のアレレ

夕刻何とな~くうっすらとしたオーラを感じ、営業日だったから遠くにも行けないしってんで久しぶりにホームグランドに帰ってみた。 

山に上がる途中でオーラが強くなってきたので鼻息が荒くなる『こりゃ久しぶりに行けるかも?だぜ』・・・。

早速点灯するが、久しぶりのホームはある理由で状況が変わっており、クワは飛んでくるんだがライトの前には落ちずに全部違う所に落ちた。

飛んで来たのは殆どがアカアシの♀と小型♂。

飛んで来た割合からみてアカアシの大発生はいつ始まるんかいな?と思っていたのだが実はもう既に始まって数日を経過していた状態だった(条件的に飛べなかったんだね)。

肌に感じるぬらめきからオオクワも絶対に飛んでるはずなんだがノコの♀が1頭飛来しただけでミヤマも来なけりゃコクワも来ない(う~む・・・)。あそこら辺に絶対来てるはずなんだが・・・との閃きから、あるちょこざいな必殺奥義を試してみたらライトに当たるあの心地よい『カ~ン!』の音が響いた。

それはもしかして?のオオクワ♀だったが恥ずかしながら?この日ライトの前に落ちたクワはこのオオクワだけだったという・・・。

結局ここでは30頭以上飛んできたが9割アカアシだった。

ここでの飛来も止まったのでお楽しみの第二ラウンド街灯廻りに移る。

久々に数を見たので丹念にやってたら本命場所を訪れた際には既に午後11時半を回っていた。 

ライトを炊いていた時に街灯廻りの人の姿も見えたから物も数も大したことないだろうな・・・と考えてたらどの街灯の下にも数匹のクワが落ちてる。

それらはやはり殆どアカアシだったが地元民には見向きもされてないのね・・・不遇の虫アカアシ!哀れなり・・・。

車に轢かれた個体も10を超えていたのでアカアシをレスキューすべく全部拾って草むらに解放してたらその数50頭近くになった。

どこに行っても落ちてるので『帰れないよ~』とほざきつつ顔はにやけていた。

あらかた片付け終わって帰路につくころ思ったのだが、ミヤマの数が少ないけど♂は例年より大型が多いんじゃないか?。

事実先日また74UPのミヤマが採れたと聞いているしオラはライトで自己ベストのミヤマを採っている。この辺は昨年までの猛暑の影響もあるのかしら?。

結局この日持ち帰りになったのはY氏へのお土産カミキリ2頭(種類勿論不明!)ミヤマ大♂1、アカアシ大物♀2でした(オオクワは目測35㎜前後だったのでその場でサヨウナラでした)。

久しぶりに楽しんでホームはやっぱりいいな~と午前2時に幸せな気分で帰宅したら、チュー(オラの最愛のペット)のトイレ掃除をクワ採集にかまけてさぼっていたため怒りに狂ったチューが糞尿をまき散らしていた!。

おわ~明日は朝から大掃除じゃ~トホホ・・・。

 

今年の異常

何~にも採れないから異業種の採集屋さんや関東の採集者さんに状況を聞いてみた。

カブクワ以外の昆虫採集に関してはかなり出が遅れたがこのところでやっと追いついて出そろった感があるけれど、その数はやはり少ないとのこと。

上越~関東~東北南部の6月中旬から7月初めまでは爆発的に採れたがその後は史上最低ラインで推移しているとのこと。

これらの敗因はいずれも長雨、低温、強風であるとのこと。

逆に連日猛暑に見舞われている中部~西西日本は乾きすぎでやはり全然採れないらしいです。 こりゃ、この夏から秋は山に食い物無くて熊公とか獣が里に下りてくるかもだなや。

 

クワガタ採集者通報される!】

初めて来店されたお客様から聞いた。

ライトトラップを楽しんでいたら警察が来て注意されたと言うのだ。

場所は青森県で最も有名な?最も場所取りの激戦区とだけ書いておくがこれだけで分かる人には分かるだろう。

話してくれた方の名誉の為に言っておくがそこは採集禁止場所ではない。

だが、付近には採集禁止である『特別保護区』も存在するので、分からないから教えて欲しいという方には来店して頂ければ詳しく説明致します。 

突如現れた警官から

➀ここで何をしているのか?

②虫を採ってはいかん!

と言われたみたいだが②は採集方法に問題がないのでこれは警官の無知。

その辺はすぐ理解してもらえたようだが、何故警官が来たかと言うと『通報があった』らしいんだな。

どういう通報だったかというと。

➀大きな声で騒いでる。

②◯◯の上で火を炊いてバーベキューをしている。

という内容だったらしい。

これらは通報者の作り出した真っ赤な嘘であり、駆けつけた警官もすぐ理解してくれたようではある。

誰が何の目的でこんなガキみたいな嘘をついて通報したのか?。

答えは簡単で、ほぼ間違い無くここでライトトラップをされることで不利益を被っている者であろう。

前後の状況を聞いてこの通報した人物が誰なのかほぼ察しはついているが、その人の被っているであろう不利益の動機も不純なものなので嫌がらせと言って差し支えがない。

ともあれ、嘘の通報をする者も出てきたとなれば我々も護身というか身を今一度律した方が良いかもしれない。

末永くこの趣味を楽しむ為に今回得られた情報を今後に生かすと考えた場合に次のようなことが大事になってくると思われることを記してみます。

➀地元の人と交流を持ち仲良くすることと配慮すること。

②場所の独占と居座りを避けること。

③使用する道具の光量と光の当て方に配慮すること、場所に見合った道具を選択すること。

④道路に向けて照射しないこと又は即座に遮断できるようにしておくこと。

それから、今回のケースはこれに当てはまらないけれど知りながらまだ確信犯的にやっている人がいるので再度書いておく。

⑤採集禁止場所でやってはいけない(ここで通報されたら一発退場!の可能性があります)。                                                                         

 

過去最多産卵セットの恐怖

先週遅れに遅れていた青森県産オオクワ軍団の産卵セットを一気に組んだ!。

選りすぐった産地と血統を次世代に残さねば・・・とそれだけを考えて後のことを考えずただ黙々と組んでいき、山と積み上げた産卵セットを見て鼻汁が出た・・・。

組んだ総数31セット!。

これ・・・1セット当たり15匹も産んじゃったらどうなるんだ?。

31セット×15頭=465匹!。

1本目の菌糸だけで福沢さんが一列縦隊で家出して行くがな!。

どひゃ~!ど・う・し・よ・う・・・・。

しかし卵が採れれば青森県で過去採れた産地の7割くらい?が復活することになるし、驚きの新産地も実はある・・・。

金のことを考えるのはやめよう!。何とかなるさ!。

来年の今頃はオオクワにまみれているのだろうか・・・。

そんな中、反省しないオラは今日エレファスとアクテオンに種付けした・・・。

 

ど~なってんの?】

昨夜、どうせ採れないなら調査だ!と遠い所を調べに行った。

この日予報ではこの地方は晴れるはずだったが曇って月が隠れたのでチャンスだと思い、爆弾(ライト)を取り出してやってみた。

多少風があったが小型と♀なら飛んでこれる程度だった。気温その他はまあOKの条件だったので何かしら来るはず・・・。

結果は1匹も飛んで来なかった、ゼロだ!ナッシング!ボウズ、オデコ!。

帰りに街灯廻りをしたら各明かりの下には沢山の羽虫が居た。

例年ならアカアシの大発生とリンクすべきはずだが、まるで活動してるクワガタの数が極端に少ないとしか思えないような状況だ・・・。

では樹液採集ならどうなんだ?とカブト、ミヤマ、ノコがてんこ盛りになるご神木を覗きに行ったらカブトは居たが数が非常に少なかったし樹液の量も少ないように思える。

これは一体何故なんだろう?何が起きてる?昨年までの猛暑の影響なのか?じぇんじぇん分かんない!。 

明日から1週間近く低温で雨の予報・・・こりゃ今年は厳しいぞよ!。

実績は悲惨なものの、特ダネものの情報だけは集まっている。

今のところこれだけが救いだなや。

 

耐え難きを耐え・・・】

西日本では高温の記録を塗り替えたとか聞こえてきますが、北日本は一体ど~なってるの?。長雨、低温、強風・・・今年の夏は来る?。

月齢の悪さも相まってクワ採集狂を悶々とさせていることでしょう。

発生のピークも読み辛いダラダラとした感じ・・・。

各種の発生のピークが感じられないんだな。 

だが、来るべき時はやがて訪れる。

その時に備えて今は準備しておこう。

 

ミヤマの達人再び・・・

昨年突如として現れたミヤマの達人にして青森県ミヤマ採集孤高の『必殺仕事人』であるT氏が店に来てくれた。

連絡先を聞いてなかったので今年の成果や伝えたいことがあったけれど待つしかなかったのだ。そんな折り、丁度T氏の噂話をしていたら外で待っていたかのように現れた。

噂話をしてると現れる人のことを青森では『津軽衆(つがるしゅう)』と呼ぶが、まさにそのものの方だった。

が、この人手ぶらではなくて、とんでもない虫を握りしめて来店したのだ。

それは新産地ラベルの虫だったのだが、空白のパズルの一帯を埋める快挙と言っても過言ではない代物・・・。

オラにとってそれは重要なニュースだったのだが、相変わらず仕事人はミヤマ以外には何の関心もないみたいで飄々としていたのがいかにも、らしかった。それよりむしろ天候の不順で肝心のミヤマの採集が満足いく結果が得られておらず悶々としている様子。

一時虫談義をさせていただいて楽しい時間を過ごさせてもらったが、相変わらず感心するのは失礼ながら氏の風貌からは想像つかないほど採集マナーというか現場を荒らさない徹底した採集スタイルにある。

下草等も踏まないように極力気を遣っておられるようだ。

ビーティングするから見つけやすいようにと下草を刈ったり踏んだりすると確実に翌年の成績が落ちるとおっしゃるんですな。

現場の生態系等は一切荒らさず、大きな♂のミヤマだけをまるで神隠しに遭ったかのように抜いてくる・・・というのが彼のモットーらしい。

更にだが、落としたミヤマは最近では下に落とさず、ネットも使わず、必ず素手でソフトにキャッチすることにしていると言う。

その真意は?と尋ねたら『下に落とすと後で足の麻痺に繋がるような気がするから・・・』という返答には半ば呆れながら感動した!。

一度見たら忘れられないそのワイルドな風貌(カリスマ性がある)と、反面極端に繊細な一面を見せる氏が今年はどんな活躍を見せてくれるか今から楽しみである。

                                                                 

青森市カブトムシ発生確認

青森氏梨の木、滝沢地区にて14日カブトムシの発生を確認致しましたので雲谷は10日過ぎには発生していると思われます。

 

ライトトラップ・撤収時の人それぞれ

ライトトラップは山野を駆け巡り、自分で見つけたここぞ!というポイントから目当ての虫を得たり、目的外の意外な虫が飛んできたりの意外性がまた面白かったりで、特に始めたばかりの頃はハンパないワクワク感に満ちている。

しかし、この採集方法は呼ばれざる客もやってくることに最初は無頓着だったりする。

毒の有る虫(毒蛾、ハンミョウやカミキリの一種)や吸血性の虫(虻等)だ。だから、基本的には服装が大事で、上から順に帽子を被ること、首筋にはタオルを巻いて、長袖の上着、手袋、長ズボンで上着の裾はズボンの中に折り込んでおき、靴下は長いものをチョイスし、ズボンの裾は靴下の中に折り込んでおく・・・てなことでその被害を最小限に留めることが可能である。

オラみたいに『虫を寄せ付けないワイルドな体を作る!』と半袖Tシャツ1枚でやってると人によっては病院行きになる場合もある。

以上に加えて防虫スプレーや虫除けリング、携行電子蚊取りなんぞを駆使すれば大体はOKなんだが、この遊びをすれば必ずもう1ラウンド戦わなければならぬ戦闘がある。

それが撤収時の車に進入する蛾をメインとした雑虫との一戦だ!。

この撤収スタイルが割と人それぞれのやり方があって面白いのでスポットを当ててみた。

独り者でこの趣味を楽しんでいる内は良いが妻帯者で、奥様が大の虫嫌い、なんつ~方は長くこの趣味を楽しむ為にはここは重要ポイントなんじゃないかしら?。

車内のあちこちに付いた蛾の鱗粉によるシミはまだしも、その蛾が奥様の顔やスカートの中に進入して『コンニチワ♪』したもんじゃアンタのその後が見えてくる・・・と。

ブリード時の難敵『コバエ対策』の基本は『入れないことと出さないこと』だけれど、撤収時の基本は『入れないことと出すこと』でしょう。

この内出すことに関しては、帰る道中に明るい照明がある場所(コンビニ等)に立ち寄り窓もドアも全開にして手袋装着の手作業で摘み出しの、箒で追い出しの・・・で大体は駆逐できるでしょう。

車内に殺虫スプレーブチ撒けの、掃除機で完璧吸い出しの、までやらなければならんほどの怖い奥様をお持ちならそもそもこの趣味は諦めた方が・・・宜しくない?。

 

では入れない方に進んでみましょう。

まず初めにライトトラップの道具を揃える際に複雑な構造の物をチョイスしないことと頑丈なものを選ぶことがその後の作業を楽にする、と申し上げておきましょう。

虫友Y君の場合です。

彼はクワガタ屋じゃないんだが、ライトトラップをする際はスクリーンを併用する場合が多いみたいで、このスクリーンにはけたたましい数の蛾その他の虫が付き、これは払っても払ってもすぐに再び纏わり付き、その執着心には泣かされる。

彼の場合はその他の機器をある程度片付けてから、窓を完全に閉めた愛車のメインライトを点灯してスクリーンをバフッと一扇ぎし、蛾などを車の方に一気に吸い寄せるという荒技を使います。

スクリーンにはまだしつこい奴が付いてますが、彼の場合それは構わず畳んでしまい、衣装ケースに入れて車のキャリーに積んでしまうので中に入ることがない訳です。

衣装ケースに閉じ込められた奴は次回使用時には大概死んでますから又バフッ!とやって使用する(汚れてきたら洗う)という実に男らしいやり方です。

車の車外に大量の蛾を付着させることになりますが、走る内に大概の奴は吹き飛ばされるし、それでもしがみついてるのは先の明るい場所で払えばOKでしょう。

次がN県のS氏、ライトトラップのエキスパートだ。

彼のライトを設置する台は脚立を使用しているのだが、この台が脚立であれ何であれ凹凸や隙間があって、蛾を払うのに苦労するんである。

で、彼の場合はその他の道具を払って片付けてから、この脚立を蹴飛ばして倒すんですな。やってみると分かるが、箒で払ってもまたしつこく纏わり付いてくる蛾が、その衝撃で脳震盪でも起こすのか一遍で落ちるんス。

で、彼もこの脚立は車上のキャリーに積むので持ち込むことが無いと・・・。

最後にオラだが、オラの場合は撤退用の5ワットの蛍光灯ライトを少し離れた場所に設置してから箒等を使って撤収作業開始し、撤退用ライトに蛾を吸い付けて順次片付けてました。

今は前述2氏の方法を適宜組み入れることで理想に近い完璧且つ早い撤収を可能にしてます。

あと、盲点になりがちなのがライトの点灯前に車の車内灯をOFFにしておくことと、白い衣服は着用しないことかと思います。

最後の最後、車に乗り込む際に衣服を払う訳ですが、真っ暗になっていても白い衣服は蛾の執着を招くので・・・。

他愛も無いことですが少しの参考になれば幸いです。

                                                                                  

採集7月10日あわや還らぬ人に・・・

10日は店を開けたので昨夜までよりは近い新産地候補の場所へ・・・。

昨年Y氏と入った危険な場所なので装備は入念におこなった。

林道入り口地点から既に昨年よりも荒れているような・・・。

進んでいくと案の定あちこちで落石と崩壊があり、またも一人土木作業員と化して道を作るところから始まった。

こんなこともあろうかとまだ明るい内から現場入りしていたのだが作業が難航して薄暗くなってきた。

崖側に放った落石が落ちて行く音がいつまでも鳴り響いているのが谷の深さを物語っている。

3カ所の難所をやっと突破して昨年やったポイントにたどり着いたが、今年やろうとしている場所は更に500メートル以上先の大場所だ。

車を進めたら今までより危険な香りのする崩落現場に当たった。

昨年はここ何ともなかったのに・・・でもここを突破すればあとはポイントまで安全なはず・・・と記憶を辿りながら判断してた(どうする?行くか?やめるか?)。

ここでまたも頭の単純回路がショートして頭の中に『マッハGO!GO!GO!』のテーマソングが鳴り響いた。

危なそうな落石を片づけて尺取り虫のように車で進む・・・ここさえ抜ければ・・・と、その時!目の前にド~ン!と諦めざるを得ないデカイ崩落現場が目に入った。

車を降りて辺りをチェックしてたら山側に何とまだ残雪があった(標高にして200メートル無いはずなのに)。ちょっと歩いて調べてたらその残雪の上から落石がありソフトボール台の大きさの石がパラパラと落ちてきた。

やべェ~!コレはやべェ~ど~!』。

すぐに引き返すことに即決したが無論車を転回させるスペースなど無くて・・・。『ここをバックで戻らにゃならんのか・・・』。

車の駆動を4駆に切り替えてソロソロと戻る・・・先ほど突破した落石と落ちてきた木の根が邪魔をして幅が狭くなる場所で一旦止まって車を降り、路肩をチェックして息を呑んだ。

進んでいた時は気が付かなかったが、路肩の端に草が生えていて路肩の際がどうなってるか分からないまま進んでいたのだ。

草をどけて見てみたら斜度80度を超えてる垂直に近い崖だった・・・。

落ちてきた木の根をギリギリで躱してタイヤから路肩の端まで約40センチくらいなんで今度踏んだらもしかしたら崩落して車ごと落ちるかも知れない!。しかもそこはカーブになっているとこをバックで・・・。

気を落ち着かせる為に一旦車のエンジンを止めてタバコを吸いながら考えた。

➀出てくる前に店に来たD介氏に危ないトコに行くから2日店が閉まってたら場所はY氏が知ってるから警察に通報して欲しいと言ってあるので恐らく死体は回収して貰える(ハズ・・・)。

②タイヤから路肩の端までいくらかでも長くする為にスコップで土砂を削り木の根を持参のノコギリで切り幅を少しでも確保すべし!。

③もしも落ちて尚まだ息があったら脱出し易いように後部のスライドドアは両側開けておくことと、リュックに電灯と剪定ハサミ、ロープなどを詰め込んでおくこと。

それでも落ちたら『楽しかったぜ!』と叫びながら落ちていこうと決めた。

以上3点を心に決めて決行。

スコップで掘り掘り、ノコで根を切って、見やすいように路肩の草も除去した。追加施策で重い物を助手席側に移動させて積んだ。

いざ、スタート!。 

静かに20~30センチ毎にゆっくりと後退していく。

手袋の中がじっとりと汗で濡れてくる。

最大の難関を・・・・突破! ふひょ~!

車を転回出来る安全な場所まで戻し、勝利の立ちションベンで祝う。

さて、これからオラはどうすべきか・・・。

➀このまま家に帰る。

②昨年のポイントでライトトラップしてから帰る。

・・・。

確か、博打が好きで、刃物が好きで、たき火が好きな奴を『バカの三要素』と言うらしいがオラは全部満たしている真性のバカなので③を選択した。

つまりリュックに軽量灯火セットと一式を詰め込み、長靴に履き替えて徒歩で目的地に再び向かったんである(頭にライトを付けて・・・)。

さて、気になるその結果は? 

ミヤマ小♂6、同♀2、コクワ♀1以上だ!。

更に戻りながら昨年ポイントで爆弾を炊き、街灯廻りをして帰った。

オラ、石塚さんより早く事故死するかも知れないと思った(スケールちっちぇ~!)。

オラみたいなバカはそうは居ないだろうが真似して死んでもオラは知らない。この道は全ての責任は自分にある。

だが、反省を込めてこれは書いておこう。

オラはバカだからこんな目に遭ったが、少し頭の良い人なら徒歩で歩いて危険性を検証しつつ、最低車を転回できる場所まで進んでから又徒歩で確認、の方が危険度は格段に減少するだろう。

そしてやはり最後に物を言うのは行く場所に見合った道具は積んでいた方がいいと言うことだろうか。

 

採集7月9日

前日に続き同じポイントに入りライトを炊く。

気温も湿度もクリアし、ガスも取れているが今度は風が・・・道中は無風だったのに・・・。案の定昨夜はあれほど集まっていた蛾の数も十分の一?程度。

こうなると来るのは♀と小型♂のみ・・・と思ってたらその通りでした。

同じ場所で粘るより広範囲に調べなければ、と9時半に第一ポイントを離れて別な2カ所で40分ずつライトを炊き、その後街灯廻りに奔走した。

県外からの標本用の注文数が昨夜の時点で達してないので今夜中に何とかしないと納期が迫っている。

因みにこの依頼者は若い女性である(推定27歳~35歳)。

クワガタ好きな人の奥様には何故か美人が多い!という都市伝説があるが、この女性とも一度電話で会話したことがある。

声が美しすぎると実際には落胆することが多いものだが、この時はもしや?と期待する声の持ち主だった。

だが、オラは長く生きてきた人生の経験上知っている・・・『見ない方がいい!』と・・・。

想像で美しさを楽しんでいた方がいいのだと。

オラが追い求めてるここのオオクワも、もしかしたら同じかもね。

夢中になって追いかけてるその時が実は楽しいのかも知れない。

 

採集7月8日

今年も来る遠方難行苦行採集に備えて精神安定剤となる多産地のオオクワの顔を見れたので2年前からリサーチしていた現場に向かう。

午前中に雨が降り、現場はほぼ無風なんだが惜しむらくはガスが出ている・・・。 

もう何回も来ている場所だけどベストな条件に出会ったことが一度もない気むずかしいポイントである。

ライトを点灯して暫くしたらけたたましい数の蛾が集まってきた!。 

恐らくは過去最多数のおびただしい蛾・蛾・蛾、その数およそ・・・数えられる訳がねェ。

ライトの下に溜まっている蛾だけでおよそ地面から2センチは盛り上がって蠢いてる・・・。蛾が苦手な人なら卒倒するような光景が展開されてる。

今回は勿論オオクワの新産地開拓が最大の狙いだが、注文を受けている標本用クワガタ♂の受注分をこなせれば良しとしていたんだが、これなら大丈夫とこの時点ではたかをくくっていた。 だが、待てど暮らせどスーパーの特売に群がるオバチャンのように一大勢力を増していく蛾の他にクワガタはポツポツと姿を見せるだけ・・・。

何故?ホワ~イ?アンビリーバボー?。

蛾も集めてるY氏を連れてきてたら喜ぶ蛾も混ざっているのかも知れないがオラには見当も付かないから見てるだけ・・・。

車に飲み物を取りに行ったら(ライトの側で飲める状況ではない)ガラスに映し出された自分の頭に蛾のリボンがふた~つ付いてました・・・。

集まってきたクワガタはいずれも出てきたばかりの新成虫で、♀が多かったことと♂は皆小型であったこと、照射方向を変えてから飛んでくるまでの時間等から推察してこの現場の状況を考えてみた。

時間は既に午後22時を回っている。

推察が正しいかと新たな情報を求めるべく帰路と反対方向に車で移動して街灯廻りに切り替えた。

ポツポツとクワガタを拾えたがライトで採ったクワガタと街灯で拾ったクワガタとの突合性から得た結論・・・明日又来るしかねェべ!。

帰ると決めて車の中に入った蛾を窓からポイした。

余談だが、この進入した蛾をつまみ出すのにこれまで軍手を使用してたが、薄手のゴム手袋が最適と分かった(手のひら側がポリウレタンで甲側がポリエステルの奴)。

軍手だと蛾を捉える瞬間に毛が触れて逃すケースが多いがこれだと失敗が少ない、加えてクワガタに挟まれてもエヘラ笑いしていられる程度に痛みを和らげてくれる。

しかし薄いので細かい作業も割と楽にできる。

快適に蛾を窓の車外に放りだしていたが、ここで1匹の蛾が奇跡を起こす!。外に放り出した1匹の蛾が又運転席側のガラスに張り付いたまま110キロの距離を超えてオラの自宅までくっついてきたんである!。

道中オラが80キロのスピードをだしても、結構な雨が降ってきてもこいつはしがみついたままついに青森市までたどり着いたんである。

オラが行った先は青森で『陸の孤島』と古来呼ばれている所で、現地の人はよそから転勤その他で来た人を『旅人』と呼んでいる。

現地の若い娘はこの旅人とくっついて陸の孤島から脱出するのを夢見ているからよそから来たとなると割と簡単に◯◯◯てくれる!と評判だった。

だからオラがリーマン時代に会社の若い衆は仕事が楽なこともあってここの営業所に行きたがったものだ。

今では信じられないことだが、当時ここには◯◯時間なるものがあって、自動車ディーラーの営業マンが各社全て午後5時半ったらさっさと帰宅してたんだからね・・・。 

商談は全て日中に済ませる・・・午後6時以降は仕事したくないし、来られても嫌だ!という土地だったんだ。

一番モテるのは海上自衛隊員で、なにしろ生活は安定の上に一旦演習に入ると旦那は1ヶ月も確実に居なくなるってんで、その間にけしからん遊びをしてる奥様も居たくらいだから・・・。

話がそれたがこの根性者の蛾はオラん家に辿りついた時には翅はもうボロボロ・・・。

指で促したらヨロヨロと新天地の夜空に舞って行った。

お前は・・・そんなになってまで・・・。

明日を信じて寝たのは午前3時だった。

 

平成25年度採集本格開始!】

懸念だった開店記念セールも無事終了し、採集シーズンにいよいよ突入であります。

既に見回りの街灯採集にて灯火採集での自己ベストミヤマ69.5㎜や青森では比較的珍なコカブトも(これはブリしてみます)得られてますので滑り出しは上々?と思いきやブリードしなければならない虫がたまってますがな・・・。

セール期間の話題造りに・・・と無理して仕入れた難攻不落のマルバネノコギリは予想通り売れ残り、自分で仕掛けた地雷を自分で踏むことに相成りました・・・(ドッカ~ン!プス プス プス・・・)。