飼育と採集の知恵袋 ~2019年度~

カブクワ飼育と採集について私自身が覚えた事、見つけた方法などの中から役に立つ(事があるかも知れない)ものを紹介してみます。 

尚、ここに書かれた方法等はあくまでも<事例>でありますので、

その効果や安全性を保障するものではありません。実践されるに当たっては、

ご自分の自己責任にてお願い致します。

準備

 

今年は虫の動き出しが全般に早いようである。

狙いの虫とその活動がリンクする他の虫や、植物などをよく観察することは大事である。

オラは昨年に家庭菜園の害虫であるマメコガネを庭でのライトトラップで捕獲して翌日雀に与えるということに嵌り、見事に出遅れた。

そのマメコガネの発生がピ-クに差し掛かったころに十和田湖周辺でオオクワが出てた。

オオクワよりもコガネムシ類の方の発生が少し早いので家のマメコガネはその指標になるかもしれない。

採集マニアの方は今か今かとヤキモキし始めているかも知れませんが、そう焦らなくてもいいと思う。

オラたち青森の爆弾魔一味は基本的には県外に行かないし、県内のどんな深い場所に行っても家まで帰ってくる奴が殆どだから(車中泊組と遭難した場合を除く)新型コロナは殆ど関係ない。

けれど、地方で昆虫採集とは無縁だが県外ナンバ-の車が停まっていると車両を傷つけられたりしたみたいだから、まだ注意してたほうがいいかも。

遠征採集の方は6月中旬位にコロナの状況を見ながら計画を練ってもいいのではないですかね。

北東北は5月28日現在で当初からの感染者0の岩手、現在1名の秋田、同2名の青森で近く3県でゼロになると期待されているが、そうなると遠くから持ってこられるのが嫌!と単純短絡的な考えを行動に移す輩がいないとは限らないからね。

オラもそろそろ発電機のメンテしますが、まあ、のんびりとやりますわ。

始まっちゃったぜ

 

全国に散らばる隠密同心からの連絡によれば、先日5月の中旬にしてオオクワの♂、しかも新成虫がとれてしまったみたいだ。

それより早くオラ的にはあまり感心しない方法で採集してた軍団も居たようではあるが・・・。

この時期に新成虫の♂というのが一つのポイントでありましょう。

どうなっているんでしょうねェ。

 

6月中旬くらいまでに新型コロナの影響も落ち着いておれば今年も採集に出かける遠征者もいるでしょう。

そこで妙な軋轢が生まれないことを望みたい。

 

2020.5.18開幕まであと一ヶ月

 

新型コロナの影響で全世界的に暗い今日この頃。

オラも採集人生の集大成の一つとして幼少期を過ごした北海道遠征を企んでいたのだが、今年の実現は半ば諦めかけてる。

けれども健康状態を含めて残りの寿命を感じ始めたので隙あらば・・・と、まだチャンスを伺っているところではあります。

 

近年、環境破壊その他で絶滅危惧種が増えている動植物の問題において、真っ先にやり玉に挙げられているのがカブクワを主とした昆虫業界じゃないかしら。

ここ十年以内で、現地住民や通行車両とのトラブルなど様々な理由で採集禁止区域が増えてるのは頭の痛いところ。

今年、新型コロナの影響がまだ顕著でなかった2~3月に材割りをした各々別な二組が逮捕されたという事件が起きた。

逮捕されたというのだから、そこは国の保護区域か私有地のいずれかだろう。

ますますクワガタ屋の肩身が狭くなること請け合いの出来事でした。

 

北東北での採集方法について、ここでもう一回さらっと纏めてみよう。

《樹液採集》

オラはクワガタ採集の基本中の基本と思っているが、単純なものほど難しい・・・まあ、ラ-メンで言えば塩ラ-メンみたいなもんかな?。

樹冠が5~6メ-トル以内の餌木にクワガタが付いているのを見つけられれば、手にしたも同然。

子供でも扱える4~5メ-トルの竿で採るもよし、最後に木に振動を与えて落下させて拾うのもよしである。

ところが、これが竿の長さが8メ-トルになると風向きやその他で変わるものの普通の慣れてない大人では操作できなくなる。

更に10~12メ-トルの長竿を振り回すタマムシ屋になると風やその他を読み切った技術での採集か『花の応援団 青田赤道』ばりの体力が必要となるでしょう。

大概の北東北のクワガタはこれで採れるんですが、オオクワは餌場にしている樹洞の外には特に日中はまず出て来ませんので採集人がその場所まで木登りすることになります。

その高さは推定でも最低5メ-トル、オオクワに人気の物件は8メ-トル以上になります。

12~15メ-トルの高さになると落下したら『死ねます』。

 

《樹液採集、番外餌トラップ》

 

バナナ、パイナップルその他の果実を焼酎や酢で発酵させて仕掛ける定番のトラップです。

広義においてはライトフィット等の効果と併用する場合もありますがメリットとデメリットがあります。

このトラップの成果は餌の仕込み、設置場所や方法、そして目的の虫の発生タイミングなどが結果に直結します。

昨今で言えば北東北での餌トラップはあまり推奨したくありません(多分全国的にそうでしょう)。

第一に仕掛けた人が使用後の廃トラップをちゃんと回収しないこと。

第二に増えすぎた熊などの獣害を誘発しかねないこと。

ここ数年仲間が仕掛けた餌トラップの大部分が熊に持っていかれたと聞いてます。

 

《材割採集》

 

さて、問題の奴がきたな。

オラ自身はこの採集方法は実はあまり好きじゃない。

オオクワが欲しいからと言って手当たり次第に朽ち木立ち木を割ったりするのは、将来何十年かに渡ってオオクワやその他の虫を育む木だった木を破壊する行為になりかねないからだ。

けれど、今この地域にオオクワが生き残って繁殖しているという調査的な判定を望むならば、材割という手段が一番手っ取り早いという現実がある。

だから国の生息調査でも多く用いられる方法がこれなのだな。

この方法は他の採集方法と比べても、高所の樹液採集と同じくらい難易度もそうだし、労力も高いので一般的な人が参入するかというとそうは思えない。

ただ、一言申し上げる。

この採集方法の伝授を受けたいと思うならば、マタギ的思考を持つ師から教えを与えらることを望みたいと思います。

一般の方がこの採集方法を試みたいと思っても、まず材を叩き続ける体力や根気

が継続しないと思います。

山に慣れ親しんだ方以外は怪しい材を探す時点で体力を消耗するでしょう。

既にこの採集方法のスキルを習得している方の中で後進を正しく育成するという目的のない方、もしくはそういう素質の後進に巡り合えなかった方は伝授を控えた方がいいかもしれない。

自分の敵を自分が作るという愚かしさを防ぐ意味で・・・。

 

《街灯採集》

 

この採集方法はオラ的に基本の第二番目にくると位置付けてるのですけれど、とっつきやすさから言えば一番初歩の入り口になるとは思います。

ですが、この採集方法は近未来にほぼ消滅します。

虫を呼び寄せる紫外線領域の街灯が、ほぼそれを発生しないLEDに置き換えられることが推進されているからです。

後述するライトトラップも同じ原理で製造販売が断たれていきつつあるので、10~20年後にはかなりレアな採集方法になってるかもしれません。

この採集方法の功罪は、誰でもすぐできるから一般常識のある方も、それが無いパッパラパ-もできてしまうということでしょう。

具体的事例は本HPの透過採集マナー集に載せてますのでご覧あれ。

ほぼ近い将来にこの採集方法は絶滅すると書きましたが、オラのカブクワ採集の原体験である街灯採集がほぼ近く絶滅するというのはせつないものです。

 

《ライトトラップ採集》

 

この採集方法が今のところ自然に対しては一番優しい採集方法だと考えて、自分も日々研究しながらやってます。

大物クワガタが欲しければその発生初期を観察しつつ捉えて実行しますし、例えばミヤマで歯型や体色が希少なものは数を採ってから選別し、その他はリリースします。

基本的にはライトトラップに飛んできたクワガタ類は餌場争いに負けたりした小型個体が多いです。

小さいと飛行距離が伸びるという面もあります。

ライトトラップ等でクワガタなぞを採集して遊ぶのは(この遊ぶというキ-ワ-ドが大事、それを超えて金に換えたり名誉に換えたりしてる内にアホになる可能性が高まるのでしょうな)普通の日本国民からしたら、いい大人が何をしてるの?と小さな目で見られることでしょう。

だけどこのライトトラップ・・・歴史は短いけれど急速に発展、進化してきたと言える(そして多分急速に終わるんだけど・・・)。

かなり前だけど、ある昆虫専門誌にこのライトトラップに関するハウツ-記事が載せられた。

それは当時まだ創明期であったライトトラップに関する技術記事であった。

今読んでみてもほぼ間違っている事がない。

クワガタの生態に関しても深い考察が見受けられる凄い記事だった。

ある意味天才的な人なのかも知れません。

この方が、当時解明できなかった疑問も今はある程度、或いははっきりと解明されていることもある。

でも、その謎のとっかかりを提示してくれたのはこの人なんだ。

素晴らしい・・・。

オラがこの人の記事を見たのはオラがライトトラップに嵌り込んでから大分経った頃なんだが、この当時にここまで踏み込んだ知見を得ていたのかと感動したものだ。

今現在例えば、飛翔体をピンポイントに落下、付着させることも、ライトを通り過ぎた個体を呼び戻すことも、ガスの反射で上空を旋回して落ちてこない奴を叩き落すこともある程度可能になってきている。

けれど、後進の中で信頼できる奴と踏んだ若者にこれらを見せて伝授したつもりが、彼らがそれを駆使したことを見たことがない。

面倒くさいのか、そこまでやりたくないのかと言うのは分からない(笑)。

光を操れるとこれだけ面白いことができるんだぜ(虫を通じて人も操れるという離れ業を成功させたこともあった)と証明できた時はウンチ半分漏れたがな。

かのゲ-テは死に際に言った『もっと光を・・・』。

【9月4日】

 

A坂氏と一緒に約束の地へと遠征。

この方面はこれが今年最後になるだろうと気合充分!。

しかし夕刻になっても湿度が50%しかない。

ミヤマ1ペアとカブ♂×1という悲惨な結果で轟沈した。

【9月2日】

 

前日と同じ所へ出動。

青森県の誇る猪武者フィニッシュ君から連絡があって後でこちらに来るとのことだった。

前日より気温が低いのと湿度が乾燥気味だったので苦戦したけど2♀が来た。

この♀の上翅に白マジックで『おめでとう!』と書いてリリースするといういたずらをしてみたかったのだが、マジックを忘れた・・・。

9時に屋台をたたんでフィニッシュ君のところに行ったらたった数分前に1♀が来たとのこと。

見せてもらったらこれがピカピカのテカテカ!。

しかも、飛来直後に顎先におが屑をつけてたという。

つまり生娘が初フライトで新天地に羽ばたこうとした矢先、顎先(歯)が擦れた男に誘拐されたということなんだな。

ということはまだ♂の発生を諦めたらいけないということになりますね。

【9月1日】

 

♂を求めて前回大爆発した場所へ・・・。

めっきり普通種の飛来が少なくなってきた。

今年もあと何回できるやら・・・と感傷に浸ってたら3♀が来たがやはり♂には届かなかった。

 

 

【8月30日 令和最初の大爆発!】

 

23~24日の採集がハ-ド過ぎて25~26日とダウンした。

27日から復活して順調に採集していたが、その日がやってきた。

今季開拓された新規ポイントに30日入座。

ここの♂はまだ1匹しか採ってなかったのでできれば♂が欲しいと訪れたのだ。

曇っていたので6時50分に点灯開始。

気温20度、ほぼ無風ながら湿度が73%と足りない。

あまり期待できないなと思いつつもすぐにミヤマの♂が飛来。

そして開始20分も経たない内にオオクワ♀が飛来。

7時40分には普通種の飛来も止まり、本日はこれまでかと思った。

そこでまだ時間はあると思い、空の雲も高かったので久々に巻き落としという技を繰り出してみた。

8時までは何の反応も無かったが、そこから豹変した。

まず2♀が同時に飛来。

うむ?これは・・・。

巻き落としが効いてきたのか?と続けたらまた2♀飛来。

温度計を確かめたら気温は20度のままだが、いつの間にか湿度が83%まであがってる。

ここから次々と♀が降ってきた。

普通種の飛来は止まったままだから来れば全部オオクワという珍しい状態になった。

気が付いたら一晩の自己記録を更新していた。

そして8時40分、トドメにヨコヒゲが飛来。

狙っていた♂は採れなかったが満足じゃ。

 

【8月1日~8月24日】

 

1日から5日までは何の問題もなく採れたが、7日からは月が大きくなってきて高温も相まって一番楽しいはずのお盆周りが壊滅状態。

21日は採れたが、23~24日は急転して低温になり23日は執念で1♀ゲットするも24日は完全に凍死・・・。

【新ポイント開拓】

 

十和田のJN氏が新規ポイントで1♂1♀を叩き出したと連絡を受けた。

同氏は技術もさることながら執念というか採集に信念がある。

ここと決めたら一歩もそこから動かない!。

今年から攻め始めたあの場所でよく成果を出したと感服する次第・・・サムライじゃのう・・・。

気が付けば、今年は若い世代が新規開拓やレアポイントの再発掘に次ぎ次に成功しており頼もしい限りである。

オオクワと犬と人間のブリ-ダ-である八戸のN君も今年の合同採集で随分腕を上げたな・・・という感触を持ったが、十和田のA坂氏の急成長振りには括目すべきところがある。

元々バトミントン選手であることから動体視力や周辺視野が広いなどの特徴をもっていたところに技術や道具の扱いに熟練してきたことが成果となって現れてきているとみる。

インドコブラ氏は相変わらず天気読みが抜群。

きっと先が二股になった舌でフシュルシュルと気温・湿度・風・気圧などを読んでいるんでありましょう。

チョコボ-ル君は採集もさることながら、調達屋としてチャイナなどから怪しい道具を見つけ出して仕入れるという特技を発揮。

弘前クワガタ氏は約5年の沈黙を破り一気に3♂4♀を叩き出すという快挙を達成と月齢の悪い今年も活躍している状況。

 

そんな中、青森県が誇るクワガタ界の弄られアイドルフィニッシュ君はどうしてるか?というと相変わらず魔界の中で彷徨っているのでありました。

JN氏の快挙を伝えたら『置いてかれた・・・』と呟いてましたな。

買い物などをする際は価格、サイズ、性能、デザインなどを徹底的にリサ-チしてからでないと購入しないという性癖がありながら、何故採集になると突如として猪武者となって万歳アタックするのかがよく分からんけど見てて面白い!。

彼には『俺の出番はきっとくる』という演歌があるから聞いてみろと申し上げた。

普通の採集はしないので三振、見逃し三振、自打球による担架での退場など繰り返すのだろうけど、いつの日か逆転サヨナラデッドボールによる快挙を成し遂げてくれると信じている。

【採集禁止ポイントについて】

 

いずれは禁止になるとは思ってましたが、皆がマナ-等を遵守することにより有難くもお目こぼし頂いていた二か所のポイントが遂に警告されるに至りました。

一ヶ所は警察のパトロールによる警告、他方は地元の方による進言によるものです。

先のポイントは『◎◎◎◎』、後は『××××』です。

どちらも国立公園内の特別保護地区になりますのでいかなる方法であれ昆虫採集も禁止となります。

更に言えば『◎◎◎◎』でのライトトラップは道路交通法にも抵触する訳で完全アウト!であります。

オラの仲間では元から情報共有されており、これらの場所は禁止すべしとなっておりますが、全般及び県外からの遠征者に完全に通知できるものでもありませんし、完全に履行いただけるとも思えません。

ただただ、採集禁止の条例など作られないよう願うのみであります。

お隣の岩手県は一関近郊でさあこれからと言う8時半頃にパトカーの巡回があり、一斉排除されたようです。

全国的なこれらの対応を見ると

①一度目は注意勧告。

②二度目は厳重注意。

③三度目は摘発。

となるようで、複数の人で②以降が繰り返されると条例の制定となる危険性が出てくるようであります。

沖縄をはじめとして南西諸島で虫屋はかなり嫌われていて(逆に単なる観光客と釣り師は大歓迎)ある種を除いて数など減っていないのに続々と昆虫採集禁止になったのは虫屋の行動や態度に問題もあったと自戒したいところです。

【アオカミキリモドキにご注意!】

 

今年は十和田湖周辺でアオカミキリモドキが大発生しています。

この虫はカンタリジンという毒の体液を持っており潰した体液が皮膚に付着するとまずは激痛が走り、その後水膨れになった後に耐えがたい痒みが襲ってくるというやっかいな虫で、別名『ヤケド虫』とも言われております。

オラの仲間もすでに6名やられました。

ご注意を・・・。

【7月31日湘南ナンバーのおっちゃん再び・・・】

 

先日現場で出会った湘南ナンバーのおっちゃんから店のパソコンにメ-ルが届いた。

現場に行ったら一番飛来してくる方向に車を置いてて、当日の風向きからそこに向けててもまず来ないという方向にライトをセットアップしてたので差し出がましくも違うよと言ってしまったのであった。

沢山抜かれても面白くない田舎根性もあるけど、青森は全然採れないと言われればもっと面白くない。

おっちゃんはその夜3♀を得たと感謝の言葉がしたためられていた。

おっちゃんも3♀でハッピ-、オラもおっちゃんが残してくれた1♀でハッピ-でウィンウィンで皆ハッピ-♪。

おっちゃん、おめでとうござる!。

それにしても・・・本州最北端の場末のオラの店の記事を意外に皆見てるのね・・・(皆さん暇なのね・・・)。

時々毒を吐くこともあるけど宜しくね。

【7月30日】

 

例年で言えば大爆発の日・・・しかし体がついに言うことをきかなくなった。

足もパンパンに腫れて、女の子で言えばブ-ツに足が入りませんってやつ。

弘前クワガタ氏から今夜はどうします?と聞かれて当初は一緒にやるかと言ってたが、今夜無理したら今シ-ズン棒に振るかも?という有様だったので断念。

弘前クワガタ氏には自分のみで出撃して男になってこい!あとは♂を採る感覚を掴めば晴れて仮免許取得じゃ!と送り出した。

高温に悩まされたらしく、普通種が10匹も来ない中粘り倒してたら11時過ぎに雰囲気が変わり、大型普通種が飛来。

間もなくオオクワの♂が3匹たて続けに飛来したという。

その1匹目に氏はまたも号泣した(オラの妄想・・・正しくは絶叫したとのこと)らしい。

あっさりと仮免許とられたもんだ。

オラの店にふらりと現れ、ガラガラガラと不気味な妖気漂う縦二連の乳母車HIDを見せてきて、採れないんですよと嘆いていた男の姿はもうな無い。

普段どこで採ってるんだ?と店のパソコンのグ-グル地図で場所を確認したら『ここです』と彼が差し示したのは杉の林の中だった・・・。

あんたひょっとしてコガネムシファン?と聞いたもんだ。

男は成長した・・・。

 

 

【7月29日】

 

別な県外のゲストを招いて屋台を出す日。

またもや高温。

現場に到着したら雨の慕情(八代亜紀)。

雨が収まってきたら今度はガスと強風・・・。

今夜はどの敵との戦いになるんだろう?。

日没間近に持ってきた道具の何を使うかで迷う。

最終的に1,000WのHIDでスタ-トしてガスが濃くなってきたら700Wの水銀にスイッチし、それが真っ白になったら400W水銀とすることにした。

が、この夜の敵は最後まで気温と風だった。

もうちょっとというところで気温が下がらない。

風は皆が収まってきたと喜ぶ場面が都度都度あったが、実は収まってなくて周囲の山肌がブロックしてくれてるだけとオラは知っていた。

遠くから呼び込むのは諦めて周囲にいる奴をかき集めることに集中するしかない。

今夜は相当難しい採集になるとゲストに宣言。

同所に前日入ってたN君の自己申告で弾いた可能性があるとのことでまずはその回収から始める。

まもなく1♂を無事回収。

これ、俺が昨夜弾いた奴ですか?と聞かれたので、その通り!と返答。

ライト向けてすぐに来たでしょ?これはあなたがこっちに来なさいと呼んでおきながら近くまで飛んで来たらあっちに行けとはじいた奴なんだよといったことを説明。

9時過ぎにオオクワ♀じゃないかという個体が飛んできたがライトの上で反転して急上昇をしたのを確認。

走って行って秘技飯綱落としを仕掛けて叩き落す。

やはりオオクワだった。

終了間際に光を当てずに残しておいた斜面を当てて1♀追加したところでフィニッシュ!。

この夜、帰宅途中の路面には強風で折れた木の枝が所せましと散乱していた。

こんな強風下でよくこれだけ採れたもんだとちょっと感動。

 

この夜は途中で帰ったがN君の知人で十和田市の消防団に勤めるT氏が小学5年生の娘を連れて見学に来ていた。

女の子でありながらクワガタが好きなのだという。

首から虫かごをぶらさげた娘・・・可愛いなあ・・・。

思わず嫉妬した・・・。

オラには妻も子もないが、フィニッシュという生意気で前歯が欠けてて言うことを聞かず居眠り運転が得意な渡世上の息子がいるからそれで我慢しよう・・・。

帰宅してから会社の慰安旅行で幹事を仰せつかって社員から弄り倒されたフィニッシュ君を電話で更に弄り倒して楽しんだ。

【7月28日】

 

朝から高温。

ゲストとミーティングを重ねて十和田湖より気温が上がりにくいポイントに移動。

時合になったので点灯させたら今まで暗くなってから人の影も見たことのないこの場所に侵入してくる車をみた。

ニコニコと挨拶してきたのは石川県産で群馬在住だというあんちゃん。

民宿も温泉もない檻のないクマ牧場と言われている当地をどう探し出したのか?といぶかしがっていたのだが、ひょんなことから昨年ここにたどり着き1♀を得たのでまたここに来たと聞いて呆れた・・・。

発電機を持ってきてるよね?と聞いたらハンディライトだけで持ってきてないという。

ここは熊の楽園だからハンディライトだけだと熊が寄ってくる可能性があるので車を近くに置いてすぐに逃げ込めるようにしなさいと忠告しといた。

 

この夜、ここでさえ24度をキ-プしたままでゲストとともに敗退・・・。

連勝記録が途絶えた・・・。

石川産のWF1はどうなったのか?は知らないが翌日の朝刊、夕刊でも〇〇〇〇跡地で斬殺死体を発見!という記事もなかったから多分無事に帰ったんだろう。

【7月27日】

 

この日からフィニッシュ君は会社の慰安旅行の幹事として強制徴収され、東京へと旅立った。

今時慰安旅行だと?何の慰安だ?可哀そうに・・・と口では言いながらざまあ見ろと内心では思ってた((笑)。

お前が浅草煎餅を貪ってる内にオラ採りまくってやるもんね~♪。

 

しかし、スタ-ト時の気温が高い・・・25度だ。

下がってくれればいいのだが下がらない。

こりゃあ厳しくなりそう・・・。

粘るしかないと粘ってたら遅い時間の追加を含めて1♂3♀。

オラより標高の低い場所に入った凄腕のゲストがまさかのボウズを食らった。

今年は本当に読みがシビアというか読みずらい。

 

日中にゲストとヒメオオ、アカアシのルッキングに出かけたのだが30度を超えてる状態で木に登ってるはずねえじゃんと思ってたのが何匹か採集できて驚いた。

やがて今日は来れないと言ってたインドコブラ氏が合流。

氏は、この熊の巣窟と言われているルッキングポイントで屋台を出すと言い出したので興味深々。

結果は見事1♀を叩き出したのだが、案の定熊が出てその時点で逃げ帰ってきたとの報告をメ-ルで受けた。

相手は言ってもツキノワグマだろ?あんたは(体型的に)ヒグマなんだから負けるわけねえじゃんと返信しといた。

本日からこのテリトリ-は俺のものだ!と宣言して欲しかったね(笑)。

【7月26日】

 

今年は月齢の満月周りが月中に来ててお盆の採集は曇らない限りきついと誰もが思っているはず。

となると、この辺に県外採集者が押し寄せて来るはずと思ってたら実際に来た。

想像していたほどの数ではなかったのは皆さん賢くて、費用対効果の分析に優れているからであろうか。

今季のスタ-トは低温に悩まされてきたが今度は一転して高温に悩まされ始めたのがこの日からであった。

1♀を採ったものの普通種も小型ばかりで数も物足りないという結果で終わった。

【7月25日】

 

久しぶりにホ-ムに戻ったが、まともにホ-ムに戻って屋台を出すのは実は今季初めてである。

新規開拓ばかりしていたので仕方ないのだ。

JN氏の会社で週末に障碍者児童にクワガタをプレゼントする企画があり、その虫を集めるのにはここが一番良い。

現場に到着したら何か弾きの匂いがプンプンしてる。

草むらの中を試しに捜索してみたら案の定大小の普通種がゾロゾロ出てきた。

湘南ナンバーのおっちゃんやっちまったな~。

7時過ぎ・・・暇だったのでフィニッシュ君に電話しながら再び捜索してたら、目の前の杉の木を何か大きめの♀がよじ登っている・・・。

近寄ってつまんでみたらこれが何とオオクワの♀!。

フィニッシュ君も嘘でしょ!と驚いていた。

私の人生において杉の木でオオクワをルッキング採集するのは最初で最後に違いない・・・。

この日は午後8時を過ぎても25度くらいあったので遅い時間でないとオオクワは飛ばないかと思っていたのだが、そんなことはなく素直に8時半~9時に3♂1♀、そして10時20分くらいに1♀の追加があった。

11時過ぎにJN氏と合流して普通種を渡し本日の業務終了。

いい夜でありました。

そして湘南ナンバーのおっちゃんありがとうございました。

 

 

【7月24日】

 

よっちゃんから連絡があり先日ポイントKに入ろうとして準備していたら傍の土建会社の管理人さんからここは特別保護地区だから採集はしない方がいいと注意を受けたとのこと。

採集人口は増加してるがポイントは減っていく。

十和田湖のみならず新規ポイントの開拓が重要なのですね。

 

甘く考えてこの日は5時半に店を出た。

現場に着いたら満員御礼で入る場所がない。

先日弘前クワガタ氏が入座した場所も湘南ナンバーの方が入っていた。

どうするべ・・・。

時刻は既に7時を回っている・・・。

考えてる暇はない。

十和田湖から離れた新規ポイントに向かうことにした。

よっちゃんに連絡したら彼もそこに行くとのこと。

一昨日からの豪雨でショ-トカットするための林道が壊れてないことを祈りつつ現場に向かう。

しかし、案の定林道は大荒れ。

雨で地面が深く掘れたところは石を詰めて乗り越え、やっと現場に着いて点灯させたのは何と午後9時!始めた瞬間に既に終わっているというフィニッシュ君状態。

更にはガスがなかなか濃く漂っている。

それでも9時45分頃に本命♂が、10時20分過ぎには♀が来た。

苦労して大荒れの林道を乗り越えてきた甲斐があった・・・。

 

 

【7月23日】

 

午後から雨が降った。

よっちゃんからの連絡で十和田湖方面は土砂降りとのことだったので安心して惰眠を貪ってたらJN氏から週末に障碍者児童を対象にしたプレゼント企画のイベントで配布したい普通種が足りないとSOSコ-ル。

これはいかずばなるまい。

今季の出来から言ってオラ一人では200匹も集められるかわからないので爆弾魔一味にも協力依頼をした。

オラはフィニッシュ君を伴い某ポイントに向かう。

風は無風に近く、温度と湿度は申し分なし、ただガスが酷かった・・・どうなることやら・・・。

すると、9割方アカアシだったが60匹くらいの飛来があった。

アカアシの大発生は平年通り始まっていたわけだ。

 

離れていた場所に入ったフィニッシュ君と合流するため彼の場所に向かおうとしたら携帯の電波が通じるところまで出たら弘前クワガタ氏から着信があった。

彼は縦二連の乳母車HIDという恐ろしくもおどろおどろしいライトを開発していたが始めてからこの5年くらいの間オオクワを一匹も採ってないないという別な意味前人未到の大記録を打ち立てていた・・・。

彼には今季オラの得意な場所を譲るからそこで修行しなさいと言ってあった。

まずオオクワが採れる時の条件や感触を掴むことが大事というわけだ。

彼に電話したら震える声でついにオオクワの♀を採ったとの報告だった。

その瞬間彼は号泣したという(オラの創作です・・・実際は叫んだ!と言ってましたな・・・)。

更にはこの夜彼が手にしたオオクワは4♀とのこと。おめでとうござる。

 

フィニッシュ君を迎えに行ったら偶然A坂氏も同じ場所に来ていて、なんとフィニッシュ君も1♀、A坂氏は1♂を手にしていた。

更に言えば他県に遠征してたインドコブラ氏も4♀ほどゲットした模様。

小爆発といったところでしょうか。

ちなみに我らが入った場所は十和田湖ではありません。

JN氏に進呈する普通種も我ら3名だけでこの夜100匹は越えたでしょうからまずまずいい夜でありました。

【7月某日】

 

前回討ち死にしたというのに同じ場所へ隠密同心の一人が再突入。

そしてまたもや討ち死にしてその遺体はいわき川をどんぶらこと流れて日本海まで流れていったという・・・。

【7月某日】

 

3年以上林道の補修のため閉鎖になっていた路線が開通した。

早速爆弾魔メンバ-内の隠密同心4名でキャラバン組んで突入。

しかし、神も仏もこの世にはなく、二子山親方は甘くなかった。

内歯が欠けており始まったと思ったら既に終わっていたという異名をもつ男などは普通種なんと4匹という結果で、全員討ち死にした。

7月3日

 

この日は東京は練馬から2名のゲストが来青した。

親交のある爆弾魔達も続々と集結し、ポイントは瞬く間に埋め尽くされていった。

ここまで、当期の青森は全くの鳴かず飛ばずで、普通種ですら一晩で平均10頭未満という貧課に喘いでいる状態。

当然のごとく出だしが早いポイントから埋まっていくことになる。

準備段階からIK氏から不気味な情報を提供された。

各屋台に地元では有名なエセ自然愛好家がやたらライトトラップ愛好者に文句をつけてくるようになったという。

・ここで昆虫採集をやってはいけない。

・人の迷惑を考えろ。

・ここは鴨の営巣地だから生態系を乱す。

・ETC・・・。

これらの主張は全くの的外れである。

鴨は6月には全て巣立っており影響もない。

この愛好家が偽物である由縁である。

 

オラは練馬のU氏を伴って屋台を出すことになったのだが、前述の通り確立の高い順にポイントは埋まってしまったので、最盛期なら鉄板ながら今は確立の低いOというポイントに陣取ることにした。

あまり好みではない場所だが仕方ない。

すると、向こうの木立の間からキョロキョロとこちらを伺うようにのぞき見をしている老人の姿を見た。

なんだ?この爺ィ?。

暫くしてから姿を消したがまた30分後くらいにまた来てこちらを覗き見してる。

ははあ、さてはこの爺ィが噂の愛好者か?。

オラの容姿があまりにナイスガイなので(オラを知る人は無礼にも人相が悪いと言う…)直接文句を言えないのか?。

ちょっと確かめた方がいいかとクソのついでに偵察へ・・・。

そこにはまず地元民でも停めない場所に軽自動車が駐車してた。

トイレのある休憩所に行ったらパトカーが2台来ており、遊歩道の降り口には通行止めのテ-プが張られていた(これは後日親子連れの熊がいたからと判明)。

戻る途中で件の軽自動車の№をメモしておいた。

ライトオンまであと1時間というところでU氏と雑談していたら休憩所に出張ってきていたと思われるパトカーが来てここで何してると尋ねてきた。

昆虫採集に来てると返答したら警官が、ここは国定公園内だから昆虫採集は一切禁止だ!と大声で恫喝してきた。

ははあ、あの爺ィやりやがったな、これか・・・。

この無知な警官の言っていることはその殆どが間違いである。

まず、ここは国定公園ではなく国立公園である(従ってその所轄は環境庁であり、その下に県や市の縛りがある場合もある)。

だが、この警官は話をしても一切の聞く耳を持ってないようで自分の主張一点張り。

実はこの場所はこの警官が指摘した以外の部分でグレ-ゾ-ンだったので喧嘩しても仕方ないと諦めて場末の酒場へと移動した。

結果・・・オラんとこは普通種4匹、その他のメンバ-も最高が普通種12匹と轟沈して全員獄門晒し首となった・・・。

終了後に全員集合して雑談してたが、ここでU氏に二度と手に入らないであろうポイントのオオクワペアをプレゼントした。

二度と手に入らないというのは十和田湖から遠く離れておりそこにオオクワがいるということを誰も知らないし、オラに再びそこに行く気がないからだ。

プレゼントするにあたり、U氏がこれを受け取るに値するかどうかを3年以上その人となりをじっくり見定めてきた。

結果この人にならということで3つの条件を付けたが進呈した。

その条件をここに書く気はない・・・。

 

【6月26日】

 

前日とうって変わって、この夜はトラッパ-がドっと押し寄せたらしい。

天気図を見ながらインドコブラ氏もこの夜出撃すると言ってたからおそらくは密かに仕入れた秘密兵器を持参したに違いない。

チョコボ-ル君も出撃したが到着したら発生の早いポイントは既に差し押さえされてて、発生の遅いポイントへと入座するほかなかったらしい。

各ポイントはやはりこの夜も15度前後まで冷えたらしいがそんな中でT島君が1♂をゲットしたとのこと。

近くに居れば13度でも来るんだから諦めちゃいかんということでありますね。

他のメンバ-はほぼ全員討ち取られたらしい・・・。

令和の始まりはフィニッシュから始まった?】

 

25日誰かから電話が来て、今夜あたりどうですかね?と聞かれたが悪くもないがいい日でもないんじゃないかと返答していた。

そんな時に実はフィニッシュ君が密かに待機していた。

この男の恐ろしいところは午後9時に残業を終え、山に向かって道具を並べたのがほぼ10時ということだ。

クワガタは最初にミヤマが一匹来て、その後に来たのがオオクワだったという訳。

獲物はその二匹。

温度計を忘れたらしいが体感では15~16度くらいだったのでは?とのことだった。

皆さんもうお分かりでしょう?。

獲物はすぐ近くにいたということになる。

この夜は他に誰も来てなくて彼一人だったらしい。

青森県第一号はフィニッシュ君の手に落ちたのかな。

天変地異が来そうな気がする・・・。